お菓子の家の甘い罠 【8】
我等はやってきた、遥かな国より、星に導かれ、野山をこえて。
それは神の御子を讃える聖歌の一つ。
教会のパイプオルガンだったり、学生たちの奏でるハンドベルだったり、孤児たちの歌声だったり、メッセージカードに付いた電子オルゴールだったり。この時期になると至る所でノエルソングが耳に入る。
窓を開ければ、近くの広場で合唱する子供たちの声がより大きく聴こえるだろう。
いつもは落ち着いたクラシックを流している【Jardin Secret】も、ノエルにはオルゴールの聖歌を流している。
クラシカルな雰囲気を漂わせていた喫茶店が途端に可愛らしい雰囲気になってしまい、エルフェは複雑な顔をしている。ヴィンセントに至っては神を讃える歌など聴きたくないと悲鳴に近い文句を言い、仕事を放り投げて逃げ出していた。
「メイフィールド、何をしている?」
「クロスを取りたいんですけど届かなくて。椅子使って良いですよね?」
明日がノエル前日ということもあり、クロエは店内の飾り付けに手を加えようとしていた。
シューリスでのノエルは、十二月二十五日に始まり、翌年の一月六日の主顕節に終わる。本来飾り付けを行うのも十二月二十三日であるので、クロエはそれに倣って飾り付けに手を加えることにしたのだ。
「これだな」
「はい、有難う御座います」
ベルベットのクロスを受け取ったクロエはそれを窓辺にあるアンティークチェストの上に敷く。
「この花はあちらのテーブルに移動して良いですよね?」
「ああ」
「じゃあ、移動しますね」
「俺がやろう」
先日の騒ぎの詫びと礼を兼ね、とある侯爵家から贈られた花は豪華だ。
重い花瓶をクロエ一人で移動するのは困難だと判断したエルフェはその役を引き受けた。
「済みません」
「……いや」
エルフェは相変わらず言葉少なだが、別に機嫌が悪い訳でもない。彼はこういう人物なのだ。
クロエは有難う御座いますと礼を言うと、エルフェに動かしてもらった大花瓶から数本花を抜いて、カウンターの細い花瓶の中身と入れ替え始めた。
いつもなら率先してクロエを手伝うのはレヴェリーだ。けれど、少年の姿はここにはない。
あの事件の後、レヴェリーはルイスへ付いて行った。
もう一週間前になるあの日のことをクロエは花を生けながら回想する。
『レヴィくんは帰ってこないんですね……』
『別にレヴィにはここにいる理由があった訳ではないからな』
ルイスを迎えにきたジルベール。彼等を送ると言って出て行ったレヴェリーは戻ってこなかった。
夕食の時間になって訊ねたクロエにエルフェは言った。
レヴェリーは帰ってこない、と。
事件の翌日からエルフェは出掛けていた。どうやらヴァレンタイン侯爵と話を付けてきたらしい。
『でも、エルフェさんはそれで良いんですか?』
『良いとはどういうことだ』
『十年近くずっと一緒に暮らしてきたんですよね。だから、その……寂しくないんですか?』
『俺と奴は家族や仲間という訳ではない。ただ、義務として面倒を看ていただけで特別な情はない』
レヴェリーが出て行って良いのかと問うクロエに、エルフェはいつものように起伏の少ない声で答えた。
『それに奴が決めたことなら俺が口を挟むのは野暮というものだ』
いつまでも保護者をしていられないとエルフェは低く言って、またコーヒー豆を挽く作業へ戻った。
社会的には死んだことになっているレヴェリー・クラインシュミットだが、上層部の関係者であるヴァレンタイン家が彼を養子として貰うなら、戸籍の問題は【上】の方で上手く弄ることができるらしい。
そんなことができるのなら、最初からそうすれば良かったのではないかと思う。だが、これは特例の中の特例ということなので、クロエが考えられるのもそこまでだった。
例え養子になったとしてもレヴェリーの行動には大きな制約が付くだろう。それでも傍には家族がいる。
心を磨り減らしたルイスが【普通】の感情を取り戻す為には、これから沢山の時間を要するだろう。そしてそれには彼の傍で暖かく見守る家族が必要不可欠だ。
だからこそ、レヴェリーは行ったのだとクロエは思う。
(家族は一緒にいるのが一番だもんね……)
例え四ヶ月でも共に暮らした相手がいなくなるのは寂しい。
年齢差のあるヴィンセントやエルフェと違って、レヴェリーはクロエにとって兄のような弟のような存在だった。
彼は初めて会った日からずっと親身になってくれた。励ましてもらってばかりいた。
もしかすると、弟の代わりだったのかもしれないけれど、それでもクロエは感謝している。
二度と会えない訳ではないのだ。そういうことで気持ちに区切りを付け、クロエは顔を上げた。
その時、丁度ヴィンセントが帰ってきたのか、クローズの看板が掛けられた扉が開く。
クロエはそちらへ目をやる。
その目に入ったのは金髪の若者の姿ではなく、茶髪の少年の姿だ。
「レヴィくん……!?」
「よっ、六日ぶりだな!」
今し方、心に区切りを付けたばかりの存在が現れ、クロエは手元の花瓶を倒し掛けるほどに驚いた。
流行の黒のフロックコートに身を包み、襟に赤いタイを締めたレヴェリーは見違えるようだ。
貴族の格好をした彼は、けれど気取らない様子でカウンターの椅子を引き、そこへ腰を下ろした。
ココア、と注文を入れるレヴェリーに応えながらも、エルフェは大仰に溜息をつく。
「あちらで弟と暮らすのではなかったのか?」
「毎日毎日これでもかって勉強させられるんだぜ。礼儀作法は勿論、語学に歴史に音楽に芸術にダンス。おまけに服のデザインだとかセンスだとか、マジ有り得ねえ」
「そうなんだ……」
貴族が教養として学ぶべきことの数々に、聞いているクロエまでも頭が痛くなった。
「しかも食事も薄味で美味くねえし、やってらんねーよ」
「それに音を上げて帰ってきたのか?」
「つーか、エルフェさんのノエルケーキ食べてねえじゃん。苺どっさりケーキ」
「下らん、すぐに帰れ。迎えを呼んでやろう」
「いやいやいやいや! ちょっと待てよ、待ってくれ!!」
「俺はそんな下らない理由で家出してきた餓鬼の面倒を看てやるほど暇じゃない」
「だから逃げてきたんじゃないっつってるだろっ」
電話の受話器を手を取り、今にも連絡を入れそうなエルフェにレヴェリーは慌てて掴み掛かる。
腕を掴む手の力は強く、吊り目がちの双眸も真剣だ。
エルフェは受話器を元の位置に戻すと、話を聞くという姿勢を僅かに見せ、レヴェリーの言葉を待った。
「エルフェさん、オレに菓子作りを教えてくれ!」
「断る」
「何だよ! 何で即答すんだよ!?」
「お前のような料理が何たるかを知らない奴を厨房に立たせたくない」
「それを含めて教えて欲しいって言ってんだよ」
奥歯を噛み締めるような苦い顔をして言い募った後、理由がなければエルフェが納得しないと判断したレヴェリーはその理由について語った。
「ルイはヴァレンタインで企業経営のことを学んでる訳だろ。だからオレは製造や販売を学んで、いつかあいつの役に立てたらって思ってさ……」
「それだけの為に学ぶというのか?」
「昔の夢だったんだよ。お菓子の家を造ること」
「それはつまり店を持ちたいということか」
「ああ。実現できるかは兎も角、何もしなけりゃ何も始まんねえだろ?」
幼い日に兄弟は菓子の家を造るという夢を語り合った。
夢が見付からないと燻っていたレヴェリーが何かできないかと考えた結果、思い付いたのはそれだった。
「学びたいなら学校へ通ったらどうだ。それくらいの援助ならしてやろう」
「通ったって死人のオレは免許取れねえじゃん。それにオレが教えてもらいたいのはエルフェさんなんだ。――純粋に美味いもん作ろうとしている貴方に教えてもらいたい」
少しだけ口調を改めたレヴェリーは真っ直ぐとエルフェを見上げる。
視線の先の薄氷色の双眸は依然として冷たく、情が感じられない。けれど、少しだけ――ほんの少しだけ眦が下がるのをクロエは確かに見た。
「いつものように途中で投げ出したりしないか?」
「しない……いや、しません」
「そうか」
言葉少なで解り辛いが、肯定の返事だった。
途端にレヴェリーの目は星が輝くようにきらきらと楽しげに揺れた。
「ということで、まあ何だ、また宜しくな!」
差し出される手を前にクロエは口許を押さえ、頷いた。
割り切ったといってもクロエはやはり寂しかったのかもしれない。
従僕生活の中で同じような境遇のレヴェリーの存在は大きなものだった。その大きな支えがなくなり、これからの生活が上手くやっていけるか心配だった。
何よりも、怖かったのだ。
ルイスの不幸にクロエが少なからず関わっているという事実があって、そのことが理由でレヴェリーが出て行ったのではないかと考えていた。別れの挨拶も残さずに消えたのはそれほど恨んでいるのではないか、と。
そう考えていると目の奥からじわりと熱いものが込み上げてきて、涙が頬を伝っていた。
「な、何だよ!? オレって歓迎されてる? もしかしてオレ愛されてる?」
突然泣き出したクロエにレヴェリーは驚きながらも、いつものように冗談のようなことを言う。
クロエは泣き濡れた顔を手で覆いながら何度も頷くことしかできなかった。
*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*
十二月二十五日。子供が待ちに待ったノエル当日、【Jardin Secret】に珍しい客が訪れた。
閉店時間を迎えたはずなのに、近所の商店からは暇な者がやってきては窓から様子を覗いてゆく。
「レヴィ、目立ちたくないから遅くきたのにこれは何だ?」
「そりゃあよ、ルイ。あんな黒服の怪しい奴連れてきたら目立って当然だろ」
店の制服のシャツの襟を寛げ、タイを締める代わりにポップな柄のスカーフを首に巻くというアレンジをした不真面目給仕と、ブラックシャツにスレートブルーのウエストコートを羽織って庶民に扮した貴族が、店の隅の席で顔を付き合わせている。
やはりというか、どのような格好をしても気品というものは滲み出てしまうものだ。
ルイスは庶民風の砕けた格好をしているのにとても洒落ている。全体的に雰囲気が一変したが、こちらの合わせの方が彼に似合っているように思えた。
「カフェオレ淹れてきたんだけど、飲めますよね?」
「あー、こいつ基本的にオレと同じもん食えるから大丈夫だよ」
「お構いなく……と言いたいところだけど、有難う」
少しだけぎこちなく、だからこそ人間味があり、同時に刺々しくも聞こえてしまう口調でルイスは言った。
ごゆっくり、と一言残しクロエはカウンターに戻る。そして店の入口で交わされる会話に耳を傾けた。
「あの凝り固まった頭と根性の治療にはここが一番かと思いましてねえ。二階の一室、確か空いてましたよね? というかこの前、空いているのを確かめさせて貰いました。ああ、ヴァレンタイン侯爵、並びに夫人からはしっかり許可を頂いておりますので御心配なく! 寧ろこれは正式な依頼のようなものですから、断ればこんなボロい店なんて軽く吹っ飛びますよ、あはははは。……ということで、ルイス殿のことを宜しくお願いします。何でも屋のレイフェル・エルセーヌ・ルウ・レイヴンズクロフトさん」
「……承知した」
荷物を運んできた時点でそうなのかと思ったが、やはりそういうことらしい。
焼き印で封をされた手紙を受け取ったエルフェは暫し考えた後、頷いた。
「まあ、様子を見に私も顔を出しますよ」
ちらりと意味有り気な視線が眼鏡越しに向けられ、クロエは思わず肩を揺らす。
するとジルベールは何でもないようににっこりと笑い、紫色の瞳を持つ双子の方へ足を向けた。
「公認の家出だからといって羽目を外し過ぎてはいけませんよ。特にその生意気腐った片割れに影響されて不良にならないように。あと、可能であれば週一はご両親に顔を見せてあげて下さい」
「分かりました、先生」
従者というよりは上流階級出身の教師のような様子のジルベールに、ルイスは素直に頷いた。
「それでは今日のところは失礼致します」
謙虚なのか厚顔なのかいまいち掴みかねるジルベールは大袈裟な様子で華麗に一礼すると、他の使用人たちを伴って去った。
「ここは働かざるもの食うべからずだ。それで良いなら好きにすると良い」
「色々と不慣れですが、しっかり働かせて貰います」
つい先週、銃を手に殺り合ったはずの二人は飽くまでも淡々と契約を交わした。
冷たいオーラを纏うこの二人が顔を付き合わせて生活するという状況は何とも物騒な感じがして、クロエはこれからの生活に憂いを抱いてしまう。
「よーし、今日からお前は兄ちゃんの後輩だ。店に出ている時は【兄さん】じゃなく、【先輩】って呼ぶんだぞ」
「そういうの凄くうざったい」
「うざいとか言うな! 新人の癖に生意気だぞ!」
先輩の制裁というようにレヴェリーはルイスの髪を掻き回す。すると、苛立った弟は兄の前髪を掴み返す。
「い、いででで……!」
「兄面をするなと言った。オレはキミのこと許した訳じゃないから」
「お、男なら目には目をでこい! これじゃ歯だ! いや、悪かった。悪かったから前髪は止めてくれ!」
これは果たして仲が良いのか悪いのか。
だが、どんなに戯れても掴み合いの喧嘩に発展しないのは、互いに最低ラインを定めているからだろう。
「レヴィくん、何だか嬉しそうですね」
「十年近く離れていた身内と暮らせるのだから、喜ぶのも当然だろう」
「そうですね、家族は一緒にいてこそですよね」
一緒にいることが全てではないというのは知っていた。それでもあの双子は共にいた方が良い。
そうしてほっこりとしていた気分を、冷水を掛けるような言葉で打ち壊すろくでなしが一名いる。
「僕からすると、あの年になって兄とか弟とかいって馴れ合ってるのもどうかと思うけどね」
ジルベールと話を付けるエルフェの代わりに、売り上げの計算をしていたヴィンセントは煽るように言った。
「ヴィンセント様」
「はいはい、分かってるよ。暫くは僕も大人しくしてます。反省していれば良いんだろう」
ヴィンセントが殊勝なのは事件の後、エルフェに怒られたからだ。ルイスを焚き付けたこと、そしてクロエへの嫌がらせの件も含めてこってりと絞られた彼はこの一週間大人しい。
「ああ、でも先輩呼びは良いね。優越感に浸れるというか、誇らしい気分になりそうだ」
「私もそう呼びましょうか?」
日常から様付けで呼ばされるくらいなら先輩呼びの方が精神衛生的に良い。
クロエが期待の眼差しで見上げる前で、ヴィンセントは白けたような顔をした。
「メイフィールドさんに先輩呼びされてもつまらないよ。君は今まで通りで良い」
「だったら、勤務中にヴィンセント様のこと【ご主人様】とお呼びしましょうか……?」
勤務中は普通に呼べと命じられていたので、これはクロエなりの嫌味だ。
しかし、根が善良な少女の嫌味が極悪青年に通用する訳もなく、逆に変なスイッチを入れてしまうことになった。
「下町流行りの女中カフェとかじゃないんだから、そういうマニアックなの止めようよ」
「寧ろ男女比率的に執事喫茶じゃね? お帰りなさいませーみたいな」
「……この店って客にそんなサービスしてるんだ……」
レヴェリーの冗談をルイスは真に受け、引いている。
「ヴィンス、レヴィ、ろくでもないことを言うな。こいつが誤解している」
「僕は別にやっても良いよ? そういう役割演技も楽しそうだし、何より可愛い後輩が増えた訳だし」
エルフェが止めようが、ヴィンセントはルイスを苛めたくて仕方がないらしい。
もしかすると今までクロエに向けられていた嫌がらせの半分が、これからルイスにいくことになるかもしれない。クロエにとってそれは喜ばしいことだが、ルイスの不幸を考えると手放しで喜べはしなかった。
やがて、からかいの矛先はクロエへと移る。
「序でにメイフィールドさんも男装させれば頭数も揃うんじゃない?」
「男装って……」
「大丈夫。上から下まで真っ平らな君ならできるよ」
クロエは真面目に反論しようとしたが疲れそうなので止めた。
ヴィンセントに口で勝てるはずがない。知り合ってまだ四ヶ月だが、その辺りのことはもう理解している。
「お前はクロエに嫌がらせ止めろっつってるだろ!」
レヴェリーは怒ってくれたが、エルフェは苦虫を噛み潰したような顔をし、哀れみの目を向けてきた。クロエもこの反応には傷付いた。
目を潤ませる可哀想な娘に、基本的には弱い存在の味方のルイスはこう言う。
「別に気にしなくて良いと思う。胸が貧しいなら上げ底をすれば良いし、全体のラインを変えたいならコルセットで絞ればどうにかなる。だからあの金髪が言うように子供っぽくても短所だと思わないで、自分の個性だと思えば良い」
「……ルイス……くん……」
「? オレはキミの胸を抉るようなことを言ったか?」
黙り込んでしまうクロエの前でルイスは不思議そうに瞬く。
優しいルイスはクロエを励ましたつもりだったのだろう。
だが、内容が悪い。悪過ぎる。最低最悪だ。
忘れてはならない。彼は人の感情の機微に敏い割には社交能力が足りていないということを。
「抉れるほど胸ないから大丈夫じゃない?」
「ああ……、そうですね」
「いい加減、自分が毒舌だって気付いて下さい!」
横槍を入れてきたヴィンセントに淡々と同意したルイスを、クロエは火を吹く勢いで睨み返す。
普段穏やかな人物こそ、怒らせると何をするか分からない。
従僕と生きることを決めた時も、銃の前に飛び出した時も、そして今日も。温厚なクロエも言う時は言う。というよりは一癖も二癖もある男たちに振り回される日々により、心が鍛え上げられてきている。何にせよ、些細なことで怒っていては身が持たない。
クロエは何とはなしに視線をさ迷わせ、あるものを見付ける。
「ホワイトノエルですね」
暮れ沈んだ空から白い雪片が舞い落ちてきていた。
綿毛のような大粒の雪はあまり水気を含んでないように見える。この雪はきっと積もるだろう。二ヶ月遅れの雪は聖夜の贈り物のように思えて、子供のクロエはついつい気分が弾んでしまう。
けれど、雪が降ろうが降らまいがノエルはノエルであって、居候が一人増えようが増えまいが日常は変わらない。結局、世界の大きな流れの中ではそれ等は些細なことだ。
あの林檎の森も今はその名に相応しい姿になっているのだろうか。
冬に色付く赤い果実は、春に身を散らせた花の想いの結晶だ。
遠い景色に思いを馳せながらクロエは窓を開け、その景色に続いているだろう空を仰いだ。
◆登場人物
クロエ・メイフィールド
18歳 | 158センチ | 髪:ハニーゴールド | 瞳:フォアゲットミーナットブルー
容姿が優れている訳でもなく、社交的な性格でもなく、才能がある訳でもなく、平凡だけが取り柄の少女。
ヴィンセント・ローゼンハイン
外見は23歳くらい | 178センチ | 髪:ゴールドブラウン | 瞳:ピーコックグリーン
冗談とも本気とも取れる軽口を叩く若者。余所者のクロエに辛く当たる。愛称はヴィンス。
エルフェ・レイヴンズクロフト
外見は25歳くらい | 184センチ | 髪:ホライズンブルー | 瞳:ファントムグレイ
他人に踏み込むことを嫌い我関せずを貫く男。喫茶店【Jardin Secret】の店主で、レヴェリーの保護者的な存在。
レヴェリー・クラインシュミット
18歳 | 169センチ | 髪:ココナッツブラウン | 瞳:アマランスパープル
幼い頃から施設で育った少年。育ちを窺わせないやんちゃな性格をしていて、少々生意気なところもある。愛称はレヴィ。
ルイス・ヴァレンタイン
18歳 | 172センチ | 髪:ティーローズ | 瞳:アマランスパープル
煙るような紫の瞳が印象的な少年。物静かであまり感情を顔に出さない。無愛想で取っ付き難い人物。