番外編 錯覚した夢に現は痺れる ~side Louis~
ばらのはな、さきてはちりぬ 【8】以降の話になります。
エレンが母親かもしれないという可能性は考えていない訳ではなかった。
眼差しがそっくりだと知人に言われ、ルイス自身も髪の色が同じになっていることには気付いていた。
愛し合った末に生まれたのならそれでも良かった。
例え一時の感情でも好きな相手と結ばれたのなら、この命にも納得ができた。
しかし、事実は残酷だ。
エレンはなぶりものにされて子供を孕んだ。寄ってたかって毟られたのだ。
どれだけ怖かっただろう、どれだけ痛かっただろう、どれだけ辛かっただろう。母親である彼女の受けた屈辱と苦痛を想像すると、吐き気がした。
ルイスはエレンが自分たち双子を恨んでいたかはどうでも良い。考えても分からないのだから仕様がない。ただ、もう復讐しかないということが良く分かった。
(例え、素敵な夢を見ていたとしても……)
努力しても、無駄だ。生を受けた時点で汚れていたのだから何もする意味がない。
ルイスにとって唯一の救済は両親の敵を殺して、自分の命も消すことだった。
「エレン様の血を引く貴方には復讐をする権利がある」
「……人の殺し方を……、死にたいくらい苦しめる方法を教えて下さい」
「ええ、幾らでもお教えします。あの方たちを冒涜した者は裁かれねばならないのですから」
復讐をしましょうと囁く声に頷いて、拳銃を手に取った。そして命じられるがままに引き金を引いた。
悲鳴を上げる心を捩じ伏せて、それでも溢れ出る痛みを憎悪にくべる燃料にする。怒りに身を任せていると虚しさが和らぐような錯覚を覚えた。
ルイスは復讐を拒む自分を抑え込みたかったから、出生の秘密を知ろうとした。そうして望んだ【退路を断つ手段】は実に効果的に機能していた。
居候先の家を出て、別荘に逃げ込んだルイスは復讐のことだけを考えていられるはずだった。
だが、硝煙と血の臭いを嗅ぎ取った彼女が邪魔をした。
「今日、市場でこんな可愛いマグカップ見付けたんですよ。茶漉しがなくても紅茶が作れるんですって」
別荘に転がり込んだクロエは、市場で何かを見付けてきてはルイスの元へ見せにきた。
復讐はいけないことだと偽善者ぶるのかと思えば、クロエが話すのは平和呆けした内容ばかりだ。
一方的に喋って満足して戻っていくその様子にルイスは戸惑った。
(オレはもう後戻りできないのに)
どれだけな平穏な幸せを見せ付けられようと、人を殺しているルイスはその世界に戻ることはできない。
自分たちは別世界の存在なのだと、何度もその事実を伝えたのにクロエは諦めない。
どうすれば嫌われることができるのだろう。どうすれば軽蔑してもらえるのだろう。
どうすれば、彼女を傷付けずに済むのだろう。
沈黙を守ることがルイスのできるクロエへの気遣いであり、友人としての自制だった。
そんなルイスの理性を焼き切ったのは、クロエの軽率な発言だ。
「ずっと……傍に、いますから……」
何に対して頭にきたのかは正直分からない。
こちらの気持ちをちっとも理解してくれないことへの苛立ちもあったし、軽はずみな言動への戸惑いもあった。男女の別なく誰にでも優しくする彼女への軽蔑もあった。
だってそうだろう。ヴィンセントを許した唇でこちらを許さないと語り、レヴェリーの背を抱いた腕でこちらに触れてくる。その様は平等な女神というよりは悪魔のようだ。
ファウストの言う通りだ。クロエは誰のことも愛していない。彼女は可哀想な捨て猫にミルクをあげ、その優越感に酔っている偽善者だ。
「キミが、可哀想だ」
ルイスはクロエに対して、嫌われる手段が幾つかあると宣言している。
一つは暴力を振るうこと、もう一つは異性として見ること。こちらを同性の友人扱いしているクロエにとって、どちらも効果的に恐怖を与えられるはずだ。
堪らなく傷付きたい衝動に駆られたルイスが選んだのは後者だった。
組み敷いた女の首筋に顔をうずめる。髪からは甘い香りがして、肌は熱かった。頬を寄せると脈を感じる。血の通っている、生きた人間だ。
人間は死ぬと冷たくて硬くなる。目も濁って硝子玉のようになる。
血塗れの死体が眼裏に張り付いている。眠るといつも悪夢ばかりだ。
今触れているものがそういったものではなく、彼女なのだと確かめる為にルイスは何度も頬に触れた。その度に指先を濡らすものがあった。
何も知らない可哀想なクロエは泣いていた。
怖いだろうな、と思う。
何せ、クロエはルイスにろくでもない男の血が流れていることを知っているのだ。これが脅しで済むとは考えないはずだ。
邪魔な襟を崩して彼女の白い首筋から血の巡りを感じながら、拒絶を待った。
けれど、クロエはじっとしていた。両の手でルイスの服を掴んでいるだけだった。
「どうしてキミは逃げないんだ?」
「……あなただから」
ルイスはクロエの抵抗を望んでいた。
クロエに頬を撲たれ、最低だと詰られれば自分も傷付くことができる。それに、怖い目に遭えば今後彼女は軽率な言動を控えるようになるだろう。ルイスが望んでいる結末はそういうものだ。
「あなただからです」
奪いたいのなら奪えば良い、という様子でクロエは目を閉じた。
そこまで言うなら望み通りにしてやろう、と思った。
どうせ高潔に在ることなどできないのだから、この女を道連れに堕ちてしまうのも魅力的に感じた。
復讐を果たして自害するまでずっと傍に置いて、優しくしてもらうのだ。
もう破滅しかないのなら、そのような手段も魅惑的だ。
ワンピースのボタンを外して胸元を露にする。鎖骨に口づけると先ほどよりずっと強い鼓動を感じて、酔うどころか頭がすうっと冷えた。
本音を言えば、こういうことは嫌いだった。
身体に移る他人の香水の匂いや汗が気持ち悪くて堪らない。好きでもない相手との行為など反吐が出る。
だが、少なくともこちらは彼女のことは嫌いではない。幸せになって欲しいと思っている。
相手の幸福を願うことを愛情というのなら、ルイスはクロエのことを愛している。勿論、人形と人間には感情の差違があるだろうが、吝かではないのだからできないということはない。
そう己に言い聞かせて気持ちを切り替えようとしても、頭は冷え切り、指先も凍えたままだ。
(……できない癖に)
理由は明白だ。クロエにはルイスと同じ【傷】がある。
ルイスは同じ痛みを知る存在を道連れにすることはできない。幸せになって欲しいと思う女性に自ら傷を刻むという矛盾に嫌悪がある。
堕落したいという欲望よりも、彼女を逃してあげたいという願望が強くて手が出せない。
もう自分が何を望んでいるのかも分からなくて、ルイスはクロエの上から退いた。
「帰りなよ……」
背を向け、顔も見ずに言う。
すると、背後で起き上がる気配がした。
「……いやです……」
「もう一度だけ言う。今すぐ帰れ」
「絶対帰りません。ここで帰されたら一生付き纏いますから……!」
遠い昔に聞いたことのある台詞が飛び出して、頭に血が上ったルイスは相手の襟を掴んだ。
「そんなに嫌がらせをしたいのか!?」
「嫌がらせしてるのは貴方じゃない!」
「オレを煽ることがそんなに楽しいのか?」
「私なんかの胸を触って何が楽しいの? 嫌がらせ以外の何物でもないでしょう」
「触ってない。そもそもキミの身体なんか見ても楽しくない」
「ほら、やっぱり嫌がらせなんじゃないですか」
そういう話ではない。大体、襲い掛かってきたのはそちらが先だ。
会話が噛み合わないことに苛立ち、頭に血が上ったルイスは反論の言葉が上手く紡げない。
叫んだ所為で喉の奥で血の味がする。頭も痛い。
暴言の代わりにと襟を強く掴むと、クロエも負けじと胸倉を掴む。その力の強さに、このままだと反対に押し倒されそうな恐怖を感じたルイスは、そうなる前にクロエの肩を掴んだ。
もう言葉で納得させるしかなかった。
「オレは仇討ちをしなきゃならないんだ。母さんを……父さんを辱しめた奴を殺して、オレも死ぬ。レヴィもヴァレンタインの家族もそれで幸せになれる。皆が幸せになれるのに、キミは何が不満があるって言うんだ」
「復讐したいならして良いです。でも、貴方が死ぬのは嫌です。生きて償って下さい」
「オレは長生きできない。さっさと死んだ方が良い」
ルイスは病気で死ぬなど嫌なのだ。
何かを成し遂げたら、自分で終わりたい。最期くらいは雪のように白く消えたい。
「それってただ心中したいだけじゃないですか」
「別に良いだろ……。オレが死ねば皆幸せになるんだ」
「じゃあ、私が不幸になります」
「あの……クロエさん……」
「貴方が死んだら私、泣きますよ。命日になる度に泣きますよ。毎年お墓に花をいっぱい供えます。レヴィくんもヴァレンタインの親御さんもきっと私に同情して、皆悲しい気持ちになるんです。それでも良いんですか? というか、心中したいなんてローゼンハインさんみたいな気持ち悪いこと言わないで下さい」
クロエはルイスが嫌がることを熟知していた。
何処まで本気かは知れないが、ルイスは絶望する。クロエの嫌がらせに屈した。
(人殺しなんてしたくないに決まってるだろ)
本当はそんなことはしたくない。したくないけれど、しなければならない。そうしなければ今呼吸をしていることを許せない。
ルイスには復讐をして自害する以外に道がないのだ。
「どうして頼んでいるのに聞いてくれないんだ? オレがこんなに望んでいるのに……どうして願いを聞いてくれないんだ……」
誰にでも優しい癖に、一人になりたいという願いを叶えてくれないクロエはやはり悪魔だ。
感情が昂った所為で気分が悪くなり、咳が出る。
ルイスが咳き込んでいると、クロエは背中を擦りながらこう語り掛けた。
「朝まで眠りましょう。休んだら少しは気分も良くなりますよ」
ルイスはまだ話は途中だと言いたかったが、咳がそれを邪魔した。
発作とまではいかなくても胸は痛い。声を出すこともできずに、ただみっともなく空気を貪る。
「私、ちょっと前に何日も部屋から出なかったことあるじゃないですか。お母さんもローゼンハインさんもエルフェさんも身勝手で苛ついて……、私なんか死んじゃった方が良いって……目の前で死んでやろうって考えてたんですよ」
ルイスが話せない代わりというように、クロエは冬の日のことを話した。
「どうやったら皆を驚かせてやれるだろうって考えていて……でも本当はそうじゃないって言って欲しくて……。死にたい癖にお腹が空いていて、貴方が持ってきてくれた林檎を食べたら泣けたりして……」
彼女が追い詰められていたのは知っていた。だが、当て付けで自殺を考えるほどとは思いもしなかったルイスは衝撃を受ける。
ぼんやりと見上げると、青い双眸と目が合った。
クロエはもう泣いていなかった。
「上手く言えないですけど、死にたいっていうのは生きたいって意味ですよ」
死にたくても腹は空くし、息もしているのだから。
その言葉に、今こうして女の肩に縋って浅ましく呼吸をしている自分が生きたいのだと気付いてしまったルイスは、自分の中で何かが決壊するのを感じた。
「え……、わっ……なんで泣い……えっと……あの……」
「……くるしい……」
「く……薬、用意しなきゃ!」
苦しさから生理的に浮かんだものだと言い訳しても涙は止まらない。壊れてしまったとしか思えない。
クロエは今まで臨戦態勢だったことが嘘のようにおろおろとしていた。
心がどうしようもなく不安定で発作が起きそうなこともあったが、このまま一人で眠りにつくのが嫌だった。
色々な言い訳を並べ立てて、その夜ルイスはクロエを離さなかった。
*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*
産みの親を知った。そして、母親に疎まれて捨てられたのではないことを知った。
自分がどういった存在なのかを理解することは大きな収穫だ。レヴェリーは名前を嫌だと言わなくなったし、ルイスもできるだけ身体には気を付けようと考えている。
この名もこの身体も母親がくれた贈り物だ。粗末に扱わないようにする、ということを双子は仲直りの際に決めていた。
そうして居候先の家に戻って暫くした日の夕刻、ルイスは出掛けようとしていた。
「こんな時間に何処に行くんです?」
「街に用事があるんだ」
「不良になっちゃ駄目ですよ」
「夜には戻るよ」
非行少年扱いにげんなりするがこれも自業自得だとルイスは諦め、テーシェルを出発した。
まず向かったのは、【レミュザ】にあるクラインシュミットの邸宅だ。
アデルバートが書斎に残した手紙は殆どが本の内容についての見解だったが、暗号が隠されていた。
本棚裏の隠し通路の先にある地下室の、更に奥に隠し部屋があった。
代々当主が受け継いできた紋章入りのペンダントに、クラインシュミットの金貨、携わった事件の資料など。家を継ぐ者が持つべきものがそこには収められていた。
(誰も見付けなかったらどうするんだ)
己が死ねば調査の為に他人が家に入ることを見越して隠蔽したようだが、これは酷い。
もし双子が見付けなければ「それはそれ」と済ませてしまうのだろう。アデルバートはそういう人間だ。
(……流石に持ち出すのは危険か)
今回の目的は場所を確認することで、物品の物色ではない。金貨を一枚だけ取って地下室を出る。この家に長居をする勇気がないルイスはそのまま足早に立ち去ろうとして、ふと中庭に目を留めた。
庭の薔薇はもう役目は終えたとでもいうように葉も花も落としていた。
雹が降ることなど珍しくもないのに何故枯れたのだろう。これはエレンの嫌がらせなのだろうか、と冗談のようなことを考えてしまう。
未練を断ち切り、背を向ける。
邸宅を後にしたルイスは街で花を調達すると墓地へと行った。
両親の墓に白いカーネーションを供え、胸の中で謝るとスコップを土に突き刺す。
寝所を囲む薔薇の根元の土を掘り返し、穴に納めたのは木製の宝石箱。
邸宅の白薔薇の下から出てきたこの宝石箱にはブルーダイヤの耳飾りが入っていた。取り出したものの代わりにルイスが仕舞ったのは、懐中時計とサファイアのイヤリングだ。
懐中時計はエレンがアデルバートに贈ったもので、イヤリングはアデルバートがエレンに贈ったもの。死亡時に二人が身に着けていた遺品を、ヴァレンタイン侯爵はルイスに渡していた。
できればこれからも傍に置いておきたい。
しかし、それは二人を冒涜することだ。
毎日身に着けていたようなものが傍になかったら眠れないはずだ。
両親に安らかに眠って欲しい。そう願ったルイスは形見を手離すことにした。
土を掛ける手が震える。未練がましいにも程がある。
まるで役に立たないスコップを投げ捨て、震える手で直接形見を埋葬したルイスは宣誓する。
「復讐は必ず」
そうではない。そういうことを言いたいのではないのだ。
ルイスはクラインシュミット家を継ぎたい。両親の生をなかったことにしたくないのだ。
仇討ち同様に、国からクラインシュミットの名を取り戻すのは簡単ではないだろう。もしかすると、アデルバートとエレンにも道理に反すると詰られるかもしれない。
ルイスのしようとしていることは育ての親を裏切ることだし、何より血の繋がった兄を蹴落とすことなのだ。
貴族の家は長男が継ぐと決まっている。だが、ルイスはレヴェリーに譲るつもりはない。
これだけは譲れない。もう負けたくない。
クラインシュミットを冒涜した者を屠り、その上でクラインシュミットの名を継ぐ。それが夢だ。
墓地に長居をしてしまったルイスは最終電車でテーシェルまで戻った。
街で宿を取ろうと考えもしたが、探すのが面倒だった。シャワーもない安宿で眠るくらいなら帰って冷たい水を浴びたい。何よりも、夜に戻るという言葉を反故にするとクロエが怖い。
皆に迷惑を掛けないようにそっと玄関扉を潜る。そのまま二階へ行こうとして、リビングの明かりに気付く。
あの時もそうだった。
ルイスは復讐のことだけを考えようとここを飛び出して、毎夜遅くまで汚れ仕事をしていた。
精神的にも肉体的にも疲れきって、帰路につく。そのまま寝てしまうつもりで、酷い顔をして帰宅するルイスをクロエは欠かさず出迎えた。
夜に帰ると明かりが点いていて、出掛ける時は花を愛でている姿やうさぎと戯れている姿を遠目に見た。
言葉を交わさずとも救われる思いがした。
自分が暗闇に沈んでいったとしても、別世界の彼女は幸せになれるのだと安堵した。
それなのに、ルイスは過ちを犯した。
(キミに大切な人はいないのか?)
クロエは誰にでも優しかった。これもそういうものではないのだろうか。
求められれば誰にでも差し出すのではないかと、同情ではないのかと、ルイスは何度も訊いた。
『貴方だからって言ってるじゃないですか。何度も言わせないで下さい』
ルイスが訊ねる度にクロエは怒った。
【貴方だから】というその言葉を聞きたくて、何度も問い掛けたのだと知ったらクロエは更に怒るだろうか。
彼女も愚かだが、本当に莫迦なのは自分自身なのだとルイスは気付いている。
傍にやってくる彼女の心を【友情】や【博愛】として線を引いてきたのはどちらだ。【優しい人間】だからと勝手に決めて、目を逸らしてきたものがある。
それでも――それでも、だ。ルイスはその感情を理解したくないのだ。
復讐はいけないと言わなくなったクロエ。
平等ではなくなってしまったことを不愉快だと感じる一方で、ルイスは奇妙な嬉しさを感じている。
それは形見を独占した時の感情と似ている。この醜い感情をいっそ曝け出してしまえば、クロエは逃げてくれるのだろうか。
例えそうだとしても、その時にはこちらが未練を感じるのだろうなとルイスは思う。
(オレなんかに気に入られて可哀想だ)
強引に繋ぎ止めたあの夜、クロエは怖がって逃げるでも警戒して起きているでもなく、眠っていた。
ルイスが自分の行動を棚に上げて感じたのは、彼女が何を考えているのかという戸惑いと、軽率だという怒りと、例の奇妙な嬉しさだった。
朝日を浴びて睫毛の影が深く落ちていた。眠るその姿があまりに穏やかで、思わず頬や瞼に触れてしまった。彼女の優しさと弱さに付け込んで、抱き締めた。このぬくもりを手離したくないと思った。
けれど、彼女にとってこちらのこの感情は迷惑なものでしかない。
気付かない振りをするのが彼女へ対してのせめてもの反抗であり、誠意だ。
「お帰りなさい」
「……ああ」
陽の当たる場所、ささやかな会話、平凡で凡庸な生活。
本当に望んでいるものを認めるのが怖くて、ルイスは短い返事をすることしかできなかった。