終*そんな関係になりました
最終話です。
「というわけで、お礼参りにきたよーわんころマフラー」
「何が『というわけで』だ」
だはあ、とまた溜息をつく真っ白なもふもふ。冬の木漏れ日が純白の表面に当たってちらちら光ってる。やっぱりこいつは、夜見ても昼見ても目立つわんころだ。その鼻づらから聞こえる肉声は、洞窟の外にいるせいか若干小さく聞こえた。それでも、ちゃんと耳に届く響きの良さ。
「おぬし、懲りずにまたここに来たのか」
「いーじゃん。今は昼間だし、今度はちゃんと完全防寒で来たから」
えっへん、と重ね着で膨らんだ胸を張る。本日はスキーウェアにアンダーもみっちり着込んでる、抜かりは無い。勿論、手袋と帽子とあのマフラーも装着済みだ。
「そういう問題ではない。……まったく、このようなか弱い娘御に霊穴侵入を赦し、あまつさえ幼子と勘違いして領域内に休ませてしまうとは、私もまだまだ未熟に過ぎる……」
「なんか言った?」
「いいや」
真っ黒な瞳は、昼間の陽光のせいか昨晩と違った風に見える。
「……それでおぬし、父御とは話し合いが出来たのか」
「うん。わんころマフラーの言う通り、戻ってよかった」
「懸念事項が晴れたのならもう用は無かろう」
瞳と同じく真っ黒な角も、昨晩と違って表面が光っていない。こちらに向ける視線も声も、どことなく洞窟内にいたときと比べ甘さが抜けている気がした。いや、かなりキビシめだ。
「宵闇もこうしてとうに晴れた、おぬしは私のねぐらから出ている。天の獣たる私と人界の人間たるおぬしは、本来交わるべきでない異種族」
しかし、あたしにとってちょっとした違いなんてどうでもいい。こうして昼間、勘を頼りに山道を歩いた先に座っていてくれたこと、あれっきりにしても良かったのにまた姿を現してくれたこと、獣道に足を踏み入れる寸前で声をかけてくれたこと、それらがありありと物語ってる。
「早々に立ち去れ」
見かけ同様、こいつはひどく優しいんだってことが。
「まあまあ。クッキーとビーフジャーキー持ってきたよ、一緒におやつ食べよ」
「おぬし、話を聞いていたか!? それに私はいぬではないと何度言えばわかるッ」
「どれがいい? 最近のペット用おやつはいっぱい種類あるからなー、どういうのが好き?」
「~~ぺっと、などとまたも無礼な物言いを。おぬしに私の好物が用意出来るとは到底思えぬ。ゆえに、」
「あ、塩分抜いてあるから安心だよ」
「話を聞け。我が一族の旨として、食肉の類は受け付けぬ。さっさと持ち帰るがいい」
「なーんだそっかぁ。だいじょうぶ、まだまだ持ってきてるんだよ、犬用健康食品! ほら、わんころのくせにジャンク系嫌いっていない様で実はいるからさ」
「だから私はわんころではない!」
響いた声に、周囲の木立から鳥が慌てて飛び去っていった。
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しばらくわいわい押し問答した挙句、もう不意打ちで触ったり抱きついたりしないという約束で、あたしはまたわんころの巣穴に入ることを許された。真っ白なもふもふはがっくりと項垂れつつ(いや、首は短いから雰囲気でそう見えただけなんだけど)、《霊法師とはまことおそろしい……懇願を本気で断れぬとは……ッ》とかぶつぶつ脳内で呟いてた。れいほうしってなんだろう。難しいことはどうでもいいんだけどさ。
「今朝は色々ありがとう。送ってくれたんだよね」
「ああ」
昼間の洞窟も、夜と同じく人間の体感に丁度いいくらいの温度にあたたまっている。帽子とマフラーを取ってスキーウェアの上を一枚脱ぎ、真っ白な毛だまりの上にちょこんと座ると、わんころは少し離れて座った。そんなに警戒しなくていいのに。
「どうやってあたしを運んだの? わんころマフラー、あたしよりちっちゃいのに」
「わんころまふらぁではない。……私にも答えたくない事柄はある」
「そっか。じゃあ聞かない。はい、どうぞ」
「……いらぬ」
黒い鼻づらは無言で、あたしの差し出した犬用クッキー(無添加)を押し返す。
「これは不可? じゃあこっちは」
「どれも私は食べられない」
「そうなんだ」
せっかく少ないお小遣いやり繰りして買ってきたのに、残念だ。
「――まったく、まだ独り立ちもしていないうら若き雌だというに。おぬしの父御はなぜ簡単に冬空の登山を赦したのか」
やっぱり昨晩とはちょっと態度が違うな。出逢ったときは幼子幼子連呼してたのに、今はどうしてだが「娘御」だとか「雌」呼ばわりだ。
「お世話になったわんころマフラーにお礼参りに行くって言ったら、日が暮れるまでに帰って来いって」
「ッ私はいぬでもなければ防寒具でもないこと、知っておろう! いい加減にせぬと、本気で天雷を食らわすぞ」
「ここ洞窟だもん」
「はっまたしてもそうだった……ではなくッ」
まるで人間のようにぶんぶんっと振られるわんころの角付き頭部。
「おぬし、人の言葉を操る獣を不気味に思わないのか。もしくは昨晩のことは夢かまぼろしのさなかだったとも感じなかったのか」
「? どしてブキミ? あんたみたいなの、前にも逢ったことあるし。喋ったことはあんまりないけどさ、そういうのって結構いっぱいいることは知ってるよ。だから今更ブキミとは思えない」
「……そうであったか」
「そうだよ。それにさ、ホントのことなのになんで夢だって決め付けなきゃいけないのさ。あたしはこの目で見て、声を聞いて、ちゃんともふもふに触らせてあったまらせてもらったんだ。夢じゃないってことはちゃんとわかってるもん」
「――」
「あたし、お礼の他にやっぱりもう一度あんたに逢いたかったし。逢いたいと思ったら逢いに行くのは当然じゃん」
「――つがい持たぬ雌が、そう簡単に気を持たすような発言をするでない」
わんころの肉声がちょっとだけ掠れた。ツガイってなんなのかよくわからないが、親父にあんな扱いをされた直後なので乙女扱いはなんとなく嬉しい。
「いーじゃん。あんた、こうしてあたしに逢ってくれた。本気でキョゼツしたいならそう出来たのにキョゼツしないで、こうして巣穴に入れてくれてるしさ」
「油断させた上でみずからの領域内に再度引き入れ、つがい持たぬ雄たる私が無力な雌たるおぬしを手篭めにしてしまうとは考えないのか?」
「テゴメってなに? あとツガイって??」
「……そこからか……」
黒い角と白い毛皮の見事なコントラストは、揃って項垂れた。
「ところでさ、いい加減こっちおいでよ。とって食いやしないから」
「普通逆だろうが……私はここでよい」
「あたしが良くない。やっぱりここちょっと寒いもん」
洞窟最奥に敷き詰められた体毛がヒカリゴケみたいに発光してるのと同等に、自然なあったかさに包まれてるここは居心地が良い。が、藁と毛が敷き詰められてない岩場部分はじかに触るとやっぱり冷たく湿ってる。わんころだって、この寝床の上の方があったかいだろうに。
「寒いのか。だからか弱き雌の身、しかも毛皮の無いからだでここに来るのは無謀だというに」
ぶつぶつと零しながら、真っ白なわんころは立ち上がって近寄ってくる。
「ほら、これでよいか」
びっくりしたのは次の瞬間だった。いきなり体毛がしゅるんっと伸びたのだ。そうしてまさしく超毛長種モップ犬となったもふもふは、すぐ傍にて座り込んだ。丁度伸びた毛があたしの体に被さる位置で。ふわり、香るあの匂い。
「……すごくあったかい。あんた、毛を伸ばせるんだ」
「我が一族は体毛にて体温を調節する。これくらい、造作の無いこと」
要は夏毛と冬毛があるってことか。なんだ、やっぱわんころと一緒。
「へえ。ありがと」
「ふん」
言いたかったことはちょっと違うんだけど、わんころも毛だまりの上に座れたし、まあいっか。そういうことでお礼を言うと、至近距離のモップ犬は鼻を鳴らした。やばい、また飛びつきたくなってきた。
「またぎゅっとさせて欲しいんだけどダメ? そいでまた撫で撫でしたい」
「ッおぬし、油断も隙もあったものでないな!」
真っ白な毛がばっと取り除けられ、また距離を置かれる。そんなに逃げなくたっていいのに。ちゃんと予告したし。
「いーじゃんよーまたもふらせてよー」
「近寄るな、二本足ッ」
ぐるる、と唸りが聞こえてきそうな体勢で威嚇してくるモップ犬。その黒い瞳に映るあたし。と、不意に閃いた。
「ね、提案があるんだけど」
「却下だ」
「まだなんも言ってないっ」
「考えは『読めた』。霊法師の力を込めた思念はまことに大きく、否が応でもよく聴こえるッ」
またよくわからんことを言いつつ、モップ犬はじりじりと後退する。
《そういうわけで近寄るな!》
脳内でまた声が炸裂した。どうでもいいけど、もふもふ増量中の今の状態ってすっごく動きにくそう。背後は岩だし。なので遠慮なく追い詰めさせてもらう。
「ち、近寄るなと云っておろう人間! 最初に決めた約定通り――」
「もう予告はしたもん」
「なんと卑劣っ、……やめ、ッぬぉ、いや、そんなところをまた、ひぃ、あ、」
洞窟内に、蹂躙される哀れなわんころの悲鳴がまた響き渡った。
三十分後。
「ふう……堪能させてもらったぜ」
いい汗かいたとばかりに立ち上がるあたし。その足元で、ぴくぴくと虫の息なモップ犬。腹見せ状態から起き上がる気力も無いらしい。
「お、ぬし……魔の手先めッ、この、借りはかならず……ッ」
言葉でなんとか言いながら、今も取り繕う余裕すら無いらしい。寝っ転がったまま、あたしの脛に小さく縮んだ角ツイストしてきてる。なんだかんだで素直なヤツだな。
「気持ちよかった?」
「たいそう気持ちよかった……ではなくッ!」
がばり、と起き上がったモップ犬。よろよろしながらその角が大きさ硬さを取り戻していく。当初と比べるとだいぶ勢いは無かったが。
「霊法師の極上の毛づくろいに呆気無く屈してしまった我が身はやはり未熟だと痛感した。なので真なる歴戦の雄となるべく、この屈辱、やはり晴らさせてもらう!」
「お、よくわからんけどその意気だぜ」
黒い瞳がきらりと涙をにじませて光った。
「これより、私はこの身ひとつでおぬしに抵抗する! 霊気霊力は一切使わず、その魔性の五本指から逃れてみせるッ!!」
あたしの提案とは、こうだ。
(そんなに触られるの嫌だったらさ、あたしと勝負すればいいんだよ。マンツーマンで、納得のいく勝負をさ。わんころの本気の抵抗がわかったら、あたしもちょっかい出すの止めるし)
「いやー『しねん』っていうの? それ便利だね。説明しなくても、わかってくれるから」
「おぬしの強き願いを込めた思念は霊気を放つのだ。それくらい、自覚をしろ」
わからないけど、どうやらあたしはこいつとこれからも交流していけるらしい。
「ありがと、わんころマフラー!」
「ええいその呼び名で固定するな、またも無遠慮に引っ付くな!!」
駆け寄って、またぎゅっとしがみつく。白いもふもふはしばらく暴れたが、やっぱり振り払えないとわかると、黒い鼻づらからまた溜息が零れた。
「……もう、好きにしろ……」
こいつはやっぱり優しいもふもふだ。
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「あ、そうだ。ねえ、」
帰り際、あたしはふと思いついて首元に手をやった。
「おやつはお礼にならなかったみたいだからさ。代わりにこれあげる」
しゅるり、と外してわんころに差し出したのはわんころと同じ色彩持つ毛糸の塊。そう、母さんの形見のマフラーだ。
「いきなり、何を」
「受け取ってくんないかな」
そう言って、大切な宝物を新しく出来た友達に差し出す。
「結構大事なマフラーなんだけど、あんたにあげるよ」
眼下の黒目はぱちくりと瞬いた。
「なぜ、私にそれを寄越す。思念で察するに、それはおぬしの亡き母御のものであろう」
「うん。だからさ、あんたに預かっててもらいたいんだ」
「?」
太い角が傾げられた。まるで人間が首を傾げるみたく。
「これね、母さんがあたしと同い年んときに、親父に作ってあげたものなんだって。で、それを親父は母さんが死んでからずっと、自分で着けずに押し入れに仕舞いこんでたの。あたしがあんまり母さん母さんうるさいもんだから、お守りになるかと思って譲ってくれたみたい」
最初は、親父も母さんの形見を手元から離すことを惜しんでた。けど、今はもう、全然気にしてない。むしろ忘れてる節さえある。それがわかったとき「親父は薄情だ」ってふて腐れたけど、やっとその理由がわかってきた。
なんだってそうだ、人間はすぐちょっとした記憶や思い出を失くすけど、それは全部悪いことじゃない。忘れることが未来への足がかり、次のステップになることだってあるんだから。遺品にこだわったって死んだひとは蘇らないし、生きている自分は前に進めない。そしてその決心は、今になってようやく娘であるあたしにも伝染した。
「このマフラーは一生捨てられない、大切なもの。けど、今のあたしには必要ないの。だから、大切なひとに預かっててもらいたい。あ、あんたは『ひと』じゃないんだけどね」
にやっと笑えば、至近距離の真っ黒な瞳はまた瞬きした。そこに映るあたしは照れ臭そうに微笑んでいる。
「だから、あんたに。決心がつくきっかけになったあんたに、これ、もらって欲しいんだ。結構あったかいから、寝床に足すか胴体に巻けばいいよ」
もちろん、嫌だったら押し付けないけど。そう言い添えると、黒い視線はマフラーに向けられたあと、そっと落とされた。突き出た太い角、その瞳と同色の先っちょが、同じ色彩持つ毛糸の塊を掬い上げる。
「友誼の証しか。ならば、」
響く肉声も、届く「しねん」も。
《断るすべはあるまい》
柔らかく、あたしの気持ちを受けとってくれた。
◆
◆
◆
そうして、一年。あたしはこの不思議なもふもふとの「勝負」をし続けることとなる。ちなみに連戦連勝。はっきり言って、あの不思議な力を使わないときのこいつの体力はフツウの柴犬程度しかない。その昔、ガラの悪い大型犬だったコロと喧嘩を繰り返した経験のあるあたしにとって取るに足らない抵抗だった。激弱。
しかし、問題がひとつ発生した。あれから親父と芽衣子さんの鈍足カップルをせっつき促しくっつかせることに成功、念願の「お姉さん兼お母さん」を手に入れた無敵のあたしの前に、新たな脅威が立ち塞がったのである。
それは。
「く……今日も負け……か」
「かっかっか、そういうこと」
何度目かの「勝負」ののち、地に伏した愛玩犬……もとい、真っ白な毛と真っ黒な角持つわんころは呆然と呟く。その瞳と声に浮かぶのは、諦観の念。
「早一年か……もはや、私はおぬしに敵わないことを認めざるをえない」
毎度毎度抵抗空しく、あたしに腹見せ状態を余儀なくされ最中も事後(?)も大人しくなってしまった辺り、とうとう観念したか。
「お? じゃあもう降参ってこと?」
きょとんとしながら尋ねると、視線が合った真っ黒な瞳はたいそう潤んでる。体勢整えたいのか、と離れようとすると真っ白なもふもふはぷるぷると震えながら身を寄せてきた。撫でられ足りないらしい。ご希望にお応えしてもう一度しゃがみこみ、わき腹をわしゃわしゃしつつツイストしてくる角の付け根を掻いてあげると、招き猫と化したわんころは切なげにきゅぅーんと鳴いた。いや、マジで。
「きもちいー?」
「ぅぐ、きもち、いい……」
ほろん、とまた眦より涙が零れる。切れ切れに、呟かれた言葉。
「ふ、不可解だと、考えていたのだ。いかに素質ある、自然区域と相性の良い霊法師であろうと、なぜ無意識のおぬしが我が霊穴にい、きなりひきつけられたのか。わ、私自身が呼んでいたとなると、ど、道理が通る。納得がゆく。我が角がこうも簡単に、や、役立たずとなるのも……な、っとくが、ゆかざるを、えないッ」
そして、
《悔しいが、まことに遺憾であるが――認める!!》
脳内で叫ばれた声、ぎゅっと縮まった角。そこから発された、眩い光。
稲妻が、洞窟に閃いた。
「えっ!? な、なに」
驚いて手を離した、次の瞬間。
「認めよう――――おぬしが、我がつがいであると」
真っ白な髪、真っ黒な瞳。
寝床に敷かれたマフラーと同じコントラスト。さっきまでと同じ、色なのに。そのからだの表面は、もふもふしておらず、脚は四足でもないし短くもない。鼻は黒くないし、額に突き出た角は――あたしと同じ肌色。
そんな感じの青年が。
「三百年の放浪は完結する。我が婚姻、ここに成せり」
「……」
「何を呆けている、我がつがい。散々私を翻弄しておいて」
「……へ……?」
とんでもない美形の、あたしよりデカい男が現れていた。
「わ、わんころマフラーどこぉおおお!?」
「ッこの雌は、まだ私を苛立たせるか」
「だってだって、え、ええええぇええええ」
「はあ……先が思いやられる」
◆
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あとから知った事実。一族の決まりとして、雄は群れから独り立ちをしたら家族を構成するために色々な場所に出入りして色んな体験するのが常識なこと、つまりあたしと出逢った時点で婚活の真っ最中だったこと。つがい、つまり奥さん募集中な雄は、生殖可能な未婚の雌を巣穴に連れ込んだ時点で求愛してると見なされること……など。
これもまた何年か後、本当の意味で彼の「ねぐら」に連れ込まれたあたしは、項垂れながら若き日の無謀を反省することとなる。
「どうした? 私はおぬしの感覚では『まふらぁ』なのであろう? なぜそんなに怯える」
「……ぐっ……」
「さあかつて受けた屈辱、今こそ晴らさせてもらおう」
「……ふ。マフラー二号の分際で、人型になったら強気だとか生意気な。お前の急所はわかっているっての!!」
「な、おい、また角を、やめ、ぎゃぁああああああッ」
「あーあったかい」
でもまあもふもふはさせてもらえるし、冬はあったかいし、幸せだから、いっか。
まふらーといっしょ 了
森下絵里・・・口が悪く手も脚も出る、深く考えることも苦手な凶暴系女子。人見知りだけど根っこは情深いんで、親しくなればなるほど尽くしてくれるタイプ。わんころの巣穴に通い詰めだったのもその一環。長生きした飼い犬とか(霊気を持つようになった動物)の思念が聞こえるっていう、不思議な力をもっている。実は霊法師っていう特殊な人間なんだけど、そのすべてに本人は無自覚無頓着。その場の勢いで行動するんであんまり深く考えてない(え?)、悩みの少ないタイプの人間。そして思いっきりファザコンでもあるが、こちらはしかたないのか。
外見はベリーショート、細身だけど薄着になると色気ある感じなDカップ。好みの異性は眉の太いひと(←やっぱりファザコン気味)
謎のもふもふ/わんころマフラー(本名:樫の剣)・・・真っ白さらさらふわふわ体毛、真っ黒な太い角を持つ不思議な生き物。正体はカイチと称される霊獣で、伝説の獣・麒麟の一種。天界という不思議な力に満ちた世界で暮らしつつ、人間の住む人界にも婚活のために出入りしていた。プライド高いが割と柔軟で、面倒見良い性質の雄。密かにさびしがりや。ちなみにもふもふは冬毛で夏場は短毛になる。絵里には明かさなかった好物は千切りキャベツ。五本指の毛づくろいには弱いわ餌付けも安上がりだわで、けっこう簡単に手懐けられる天の獣(笑)である。
人型(冬季)は足元まで届く長い白髪の美丈夫。寒がりなんで自分の毛で作ったもこもこコート装着してる他、絵里からもらったマフラーはひっそり重宝してるらしい。眉は太め。
親父/森下秀郎・・・絵里の親父で地元の病院に勤務する看護師。外見は冬眠前のクマみたいだけど、中身は優しく生真面目で愛情深い性格。そして眉はごんぶと。親馬鹿で、亡き妻そっくりの一人娘を密かに溺愛。勿論、パパの目の黒いうちは異性交遊なんざ(略
なんちゃってファンタジーでしたが、ここまで読んでくださってありがとうございます!