第4章
明け方近く、大きな爆発音が村にまで届いた。東の空から大きな燃える太陽が姿をあらわし、乾燥した大地に葡萄色の光がなだれこむ。
多くの村の男たちが、ようやく2キロまで完成した用水路に集まり始めた。蛇籠を組んだ堤防の一部が崩れ、流れ始めたばかりの清涼な水底へ、組んだ大小の石ころが転がり水の流れを遮っていた。
村の男たちは興奮して、用水路を爆破した犯人を捕まえろ、決して許すなと、次々に怒りの言葉をまくしたてた。
昨日の深夜、タリバン兵となるため村を出たはずの1人の青年を目撃した、という有力な情報がもたされた。帰還兵を中心に選ばれた村の男たちが機関銃を携えて、そのタリバン兵の青年の行方を探すことになった。
昼食に戻った父が、すっかり狼狽した様子で妻に話す。
──タリバン兵になった1人の村の青年が、朝方、用水路を爆破したようだ。あるいは俺たちの息子かもしれない。捕まれば殺されるだろう。
驚いた母は、かぶったチャドルを乱し床に顔を押しつけて泣き始めた。床に座って食事をしていた少女のスプーンを持った手も止まり、身体中が震え始めた。




