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第8話 七罪

 ―ヴィクティア国、深夜。

 都市部から離れた洞窟を「七罪セプテム・ペッカータ」は根城にしていた。

 洞窟内は暗いものの、以外にも広く、両の壁には、一定の感覚で壁掛けの松明が置かれていた。

 その洞窟の深部は1つの大広間のようになっており、そこには7つの小路に分岐している。

 その大広間で、数人が語り合っていた。

 「他のもんは寝ちまったのか?」

 長袖のYシャツを着て、肘まで腕まくりをした男が、他の者に問いかける。


 ―「暴食グーラ」グラハム・アナトリス。

 「能力アビリティ 暴食」を所有している。


 「そのようですね。ああ。そのようだ。」

 グラハムの質問に、袴を着た男がそう答える。


 ―「怠惰センニーティス籤竹くじたけ 文也ふみや

 「能力アビリティ 怠惰」を所有している。


 「…まァ、いいんじゃないの?敵、最近全然攻めてこないし。」

 修道女の格好をした、赤い髪の女が言う。


 ―「強欲クピーディタス」ダフネス・ガブリエラ。

 「能力アビリティ 強欲」を所有している。


「…いや、万全を期すに越したことはない。」

 ダフネスの言葉に、黒髪の男が答える。


 ―「憤怒イーラ」フラン・ポノトシア。

 「能力アビリティ 憤怒」を保有している。

 「七罪セプテム・ペッカータ」の首謀者。


 「攻めてこないのならば好都合。再び世界に怒りの意を示す時が来たまでだ。」

 そうフランは続ける。

 「その通りですね。ああ。その通りだ。」

 文也もフランの言葉に賛同する。

 「でも、大魔道士の連合が来てから約2週間…ここまで音沙汰無しってなると、いよいよ次は神官が来るかもな。」

 グラハムが深刻そうに言う。

 その言葉に不穏な空気が、4人に流れる。

 「…すまないな、みんな。俺の我儘に巻き込んでしまって。」

 そんなグラハムの言葉を聞き、フランが申し訳なさそうに言う。

 「…いいのです。ああ。いいのですよ。私たちも選んだ道なのです。」

 文也がフランを宥める。

 「…そうだな、ここまで来たら進むしかねェだろ。」

 ダフネスも文也と同じようにフランを宥める。

 「まー、そうだな。死に場所としては、ちょうどいいかもな。」

 笑いながら冗談交じりで、グラハムは言う。

 「おい、士気の下がるようなこと言うんじゃねェよ。ブラハム。」

 グラハムの言葉に、ダフネスが眉をひそめる。

 「おっと、悪かったよ。まあ、無事終わるように神頼みでもしといてくれよ。」

 グラハムは、ダフネスに軽く謝りながらも、おちゃらけた態度は崩さない。

 「…私は神様は嫌いだ。前も言っただろ。」

 ダフネスが遠くの方を見ながら答える。

 「そうだっけ?そりゃ悪かったな。」

 グラハムは笑って謝る。

 「皆さん落ち着いてください。ああ。落ち着いて。」

 喧嘩の雰囲気を察した文也が2人を仲介しようとする。

 その時。

 「…来たな。」

 フランは洞窟入口に膨大な魔力を複数感知した。

 「…この魔力マナ…神官か。やべェなこりゃ。」

 同じく感じ取ったダフネスが入口の方を見る。

 「話をすればだな。…死神だといいな。フラン」

 グラハムはフランの方を見て、静かにつぶやく。

 「全員起こすぞ!敵を迎え撃つ!」

 フランが全員に指示を出し、7つに別れた道を、それぞれに進む。


 ―同刻、洞窟入口。

 「…ここで合ってんのか?」

 李晨が訝しげに洞窟を覗き込む。

 「合ってますよ。まさか、魔力感じないんですか?」

 そんな李晨をルベリアが煽る。

 「いやそんなんじゃねーけどよ、なんつーかこんな都市部から離れたとこにいんだな。もっとこう、都市のど真ん中でガッツリ周辺支配してんのかと思ってたぜ。」

 ルベリアに煽られても、李晨は未だに不思議そうに首を傾げる。

 「…まあ、余計な敵がいなくて好都合でしょ。」

 環は既に黒いローブを纏い、死神の風貌となっている。

 環の背後には、2つの人型の使い魔が待機している。

 「はっはっはっ!俺はなんでもいいから早く突撃したいぞ!!」

 空気の読めないギルヴェルはすぐにでも飛び出しそうな雰囲気だ。

 「ギルヴェル殿も抑えきれない様子だし、そろそろ奥へと進むとするか。」

 そんな様子のギルヴェルを見て、華月は奥へ進むことを提案する。

 5人はその提案に乗り、奥へと進む。


 ―洞窟深部。

 「うっわ、なんか面倒くさそーだな。」

 大広間で李晨は7つに別れた道を見て露骨に嫌な顔をする。

 「魔力が1番大きい道は…ここかな。じゃあ、僕はこの道に行くよ。2人は、そことそこに行って。」

 環は使い魔に指示を出し、さっさと行こうとする。

 「あーっ!ちょっと待ってくださいよ!なんかこう、別れる前に『ガンバロウ』みたいなのとかないんですか!?」

 「そうだぞメグル!!そこは俺が行く!」

 そんな環を見たルベリアとギルヴェルが

おそらく意見は一致してないものの、環を止める。

 環はルベリアとギルヴェルを無視してスタスタと闇へ消えてゆく。

 「いやもうなんでもいいだろ!俺はこっちに行くぞ!」

 おそらく早く帰りたい李晨も、ルベリアとギルヴェルに逆らって、小路に進もうとする。

 「じゃあ俺はここに行くとするかな。」

 そう言って華月も他の2人とは別の小路へと進む。

 「ああ!ズルいぞ貴様ら!」

 ギルヴェルも遅れて別の小路へと消えてゆく。

 「もう!倒し終わったら一旦入口で待っといてくださいよー!!」

 ルベリアは皆が消えてった小路に向かって叫び、残った1つの路へと消えて行った。

今までの話に訂正あります。祈の姉が死んだのは3年前です。ご迷惑をおかけしました。

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