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強敵

 それにしてもターゲットとなるオークは倒した筈なのに、さっきいた村に帰れる気配がない。

 他にも何匹か倒さなければいけないのだろう。

 初戦から早速死にそうになったから、とりあえず今日の所は早く帰りたいのだが、、

 「まだオークはいるみたいだね、ささっと倒しちゃおう!」

 相変わらず呑気なロロベルト。

 倒すのは姫なのに、何自分も戦闘できるみたいな感じだしてんだよ。 


 洞窟も入り口から離れ、奥へと進むにつれ視界も悪くなる。

 松明が欲しい。

 

 姫は慎重に歩を進めるが、ロロベルトはまるで朝の河川敷沿いを散歩するように、足元を躊躇う事なく進んでいく。

 「おい、ロロベルト!なんだ、目がいいのか?」

 「いいや、全然見えないよ、ただ、ここら辺に何があるとかは何となくだけど分かるんだ。、、何でだろう?」

 

 姫は、目を凝らしつつ、ロロベルトの指示も聞きながら、前へ前へと進む。

 少し地面が安定すると、気になっていた質問をした。

 「ところでロロベルトよ。なんでお前は姫の口ぶりに対して普通に接してるのだ?」

 「あー、学校では清楚だったのに、今はオタクみたいな話し方になっている事?」

 なんか傷つく。

 「そうだ。」

 「いやいや、みんな気づいてたよ、ラナプリンさんが清楚じゃない事、、」

 「え?みんなって、、どの範囲で?」

 「うーん、それは分からないけど、少なくとも、登下校の時にラナプリンさんを囲んでいた同じ学校の学生達や、同じクラスの人は全員じゃないかな?」

 えーーーーーー!

 はずっーーー

 ってかなんでバレてんだよ、、

 「その、、いつから?気付いてたの、、」

 「高校入ってすぐ、、」

 「まじ?」

 「まじ、まじ、」

 「どうして分かった?」

 「それは分かるよ、、だってラナプリンさん、走った時とか忍者走りっぽくなるし、俺たちに手を振ってくれる時とか、拳銃を持ったような手の形で振ってくるから、何となく察しはついていたよ。」  

 やめてくれ、、はずい、はずい

 素が無意識に出てたのか、、

 

 「でも1番の決め手となったのは、ラナプリンさんが授業中に珍しく寝てた時かな、、」


 ゲームのやり過ぎで、徹夜してた時か、、


 「隣のクラスの人たちにも聞こえるくらいの声量で、〈我はミナト姫なり!貴様の醜いその姿、銃の化身であるこのミナト姫が撃ち抜いてやろう!プシュッーー〉って、ちゃんと効果音もつけて寝言を言ってたからさ、、」

 バカじゃん、、何してんの私、、なんかもう姫呼びも恥ずかしくなってきたわ、、

 いや、ダメダメ、ポジティブに捉えろ!これは個性だ。

 「そうか、まぁあれは、その、、わざとだがな、、」

 苦し紛れの見栄を張ってしまった。

 「そうだったんだ、本当の寝言かと思ってたよ、、」

 良かった、こいつも馬鹿で。



 

 細くて暗い洞窟道を抜けると、大型ライブハウス程の広さがある空洞になっていた。

 天井の岩と岩の間から隙間があり、そこから日光が差して、視界は明るくなった。


 なんか至る所に骸があるぞ。嫌な予感、、

 

 その空洞に足を一歩踏み入れると、

 ゴォォォォという地響き。

 何かが来そうな予感がする。

 姫は、ロロベルト同様挙措を失った。

    

 すると、どっから出てきたのだろうか、、

 上から降ってきたのは、先ほどの赤オークの、、軽く見積もって10倍程のデカさをした、全身が漆黒に染まったオークだった。

 手には持ってるのは金棒、、じゃない、、

 なんか斬れ味が凄そうな太刀とでも言おうか、、紫と赤のオーラを纏っている。

 先の赤オークとは比べ物にならない圧を感じる。

 絶対強いやん、、こんなの、

 

 「よし、任せたラナプリンさん!」

 ロロベルトは、姫の後ろにササッと隠れやがった。

 男とは思えないほどの頼りなさ。

 

 仕方なく姫は、ガトリングを構え直す。

 そうだ、さっきの剛圧弾を使ってみよう。

 ゲートから大量の剛圧弾を取り出す。

 、、、えっと、、これはどこにセットすればいいのやら?


 黒オークは、太刀を構え出した。

 侍の居合い切りのような構えをしている。

 これってやばいスピードで、いきなり迫ってくるやつじゃね、、

 やばいやばい、どこだどこだ、、

 あ、銃口に直接入れてみよう!

 よし、スッポリ入った。

 黒オークの頭部を狙って、トリガーを押す、、

 ポトン、、

 弾丸の飛距離10センチ。

 単に重力の関係で飛び出ただけ。

 そりゃそうだろ、、何やってんだよクソが、、

 待って、姫ピンチの時毎回奇行に走ってない?

 ハァッハァッーー おもろ、、


 ってそんな暇ねぇ、

 「おい、ロロベルト、この弾丸どこに装着すればいいんだ?」

 「え、そこから? んーー、えっと、、あっ!銃口に直接入れてみれば」

 あかん、、聞いた奴が間違いだった。

 

 パキッ、、

 地割れの反応すると、黒オークは姫の1メートル先まで迫っている。

 速っ、、今の一瞬でここまで?

 でも何でだろう、意外と冷静に考えれている。

 ポォん

 〈ability適応神経を習得しました。〉

 咄嗟に後ろで縮こまっているロロベルトの頭を掴み、地面に抑えた。

 と同時に、姫も体を伏せる。

 

 ブゥゥゥーン

 刀身が姫達の頭上を空振る。

 空を斬り裂く鈍い音がした。

 すると同時に姫達の周りを深紅の炎が囲み、そこから紫色の煙を放ち始めた。

 地面に突っ伏しているロロベルトを担ぎ、急いでその場から離れる。


 あぶねぇー、当たったら終わりだったぁー

 

 ロロベルトは?、、、咳き込んでいるが一応無事か、、

 こいつがいないと、モンスターの素材を集められないからな。

 この貸しはいつかちゃんと返してもらおう。


 それにしても、よく躱せたなぁ

 なんかギリギリで習得した能力のお陰か。

 躱すのに必死でよく見れなかったが、

 えっとー、ability適応神経、、

 おう、いいじゃん

 ステータスのバフ的な?

 ん?ablity?能力とか才能って意味だよな、、

 skillとどう違うんだ?

 それに雰囲気で飲み込んだけど、よく考えたら適応神経って何だ?


 つーか、なんかもっと説明は無いのかよ、

 なんだよability適応神経って

 ザックリ過ぎるわ。

 まぁいい、とりあえず弾丸を仕込む弾倉のような物を探すぞ、、

 これか?違う、、えーっとー、、

 ポォん

 あーまたきた、次は何だよ、


 〈skill共有を習得しました。〉

 〈ability耐毒を習得しました。〉

 〈ability耐熱を習得しました。〉

 

 もう、鬱陶しいないきなり、、

 この数秒間で、姫の身に何が起こったんだよ。

 でもまぁ、今回の能力は何となく意味が分かるぞ、、

 1つ目の〈共有〉ってやつを除いてはな。

 

 〈封器skill自動装填が使えます。〉

 封器?武器の事をそう呼ぶんだな、、


 自動装填、、勝手に弾丸をセットしてくれるskillなら便利だぞ!

 それに封器skill、、普通のskillと違って習得しなくても最初から武器に備わっているのか、、


 とにかく今使えるなら丁度いいな!

 「使う!」

 〈封器skill自動装填を実行します。〉

 〈どの弾丸を使用しますか?

  ノーマル ←

  赤・剛圧弾         〉


 「赤・剛圧弾〈あかのごうあつだん〉!」

 

 すると、ベルト状になった弾丸の束が給弾口へとどんどんセットされていく。

 いいねー、便利便利!


 〈赤・剛圧弾の装填が完了しました。〉


 よし、剛圧弾ってのがノーマルとどう違うのか知らねーが、一丁撃ってみるか!

 


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