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暗殺者vs殺鬼

「何だーあの2人、ヤベーオーラバンバンだな。」

 ジャックは高層建物の屋上から、北面から侵攻してくるトリビアのハンターを望遠鏡で眺めていた。横にはアイルソンがいる。

 警戒しているのは北東と北西で孤立している2人のハンター。

 

 「よし、アイルソン行くぞ!」

 ジャックはアイルソンを手で軽々と持ち、その場を去った。

 トリビア王国へ行く為に、、


  

○○デラマルスの戦○○


プラリオ・デラマルス、〈紫将の団〉の副団長を務めている。

デラマルスが使う短剣はV王冠のブラックエルパンサーから採取した猛毒剣。


 その毒の性質は全くもって地味である。

人間の血液に触れると、とりわけ派手な見た目の変化は起こらない。

 それは音もなく刹那に効く。


 人間に備わっている数多の神経の動きを一時的に止めることができるのだ。


 

 ウラディンが向かった方向から交戦音が聞こえてくるな、

 早速始まったか、、


 王都内を走り、〈紫将の団〉の拠点へと向かう。

 

 おいおいなんだよこれ、

 拠点に着くと、衝撃の光景を目の当たりにする。

 頑丈な作りの要塞は半壊しており、あちこちでは倒れている仲間達。


 「おいトージ、何があった?」

 まだ息がある仲間に事情を聞く。

 

 「あいつは、、やば、い、、です、逃げて、下さ、い、」

 虫の息であるトージは全身に異様な切り傷があり、片腕が無くなっている。

 

 

 「逃げるわけないだろ、それにどうしたその腕。」

 

 「奴、、の、使う、武器は、デッ、カイ、ハサ、、ミです、」


 「ハサミ、、とりあえず医者を呼んでくる、それまで耐えろ!」


 「無駄、、です、、

 俺は、、もう、、助かり、、ません

 それ、、より、副団長、俺、、たちの仇、頼みます。」

  

 そう言って最後の力を振り絞り、トージは息絶えた。


 トージ、、

 「任せろ」

 腕元に縋り付くように力の抜けた部下。

 

 クソ野郎、、ぶち殺してやる!

 

 すると、ドォォォーンと半壊した要塞が土台を無くし更に次々と瓦解していく。

 全壊した〈紫将の団〉の要塞から出てきたのは、20人ぐらいの男達。

 全員がバンダナを額に巻いている。

 トリビアの1ギルドだろう。

 

 手に構えているのはギザギザの刃先を設えた太刀。

 ただ1人だけ小さなハサミを持っている奴が真ん中にいる。

 ハサミ、、デッカくはないから恐らくトージを殺った奴の仲間だろう。


 「おっとー、お前はなんかこいつらと違う雰囲気出してんな、、」

 そう言ってハサミを持っているリーダー的存在の奴は、微笑みながらこちらに刃先を向ける。


 「よくも仲間を殺ってくれたな、」

 

 「仕方ないだろ、律儀に殺されにきてくれたんだから、、」

 周りの仲間もクスクスと笑っている。

 それにしてもこのハサミ野郎、おっかない表情してるな。

 まるで殺人を楽しんでいるように、、


 「お前達のところの国王は何故オルデンナイトを標的にしたんだ?ラナプリンが関係してるのか?」


 「何でだろうな?教えねーよぉ。ブラックオークの侵入を許したポンコツ国民たちにはよ。」


 目の奥からビシビシと伝わる狂気の性。

 外道だな。

  

 「そうそう、そこで倒れているハンサム男。

 そいつも俺が殺ったんだよなー。

 いやー弱かった弱かった。

 ハッハッーー」


 ぷちん、怒りで頭の血管が切れた気がした。

 

 「そうか、トージはお前が殺ったのか、、」

 怒りに任せて戦うことにメリットはない。

 本能で戦うウラディンのような野生人には分からない感覚だろう。


 呼吸を整え、冷静さを呼び戻す。

 服に仕込んだ2つの短剣を取り出し臨戦態勢をとる。


 「行けお前ら。」

 ハサミの男は準備運動をしている部下達に指示をする。

 命を受けた数十人は次々とこちらに迫ってくる。

 キィーン

 くそっ押されてるな、

 数が多いとはいえ、1人1人が強い。

 ただの烏合ってわけではないようだな。

 ギザギザの刃先、これがなんとも鬱陶しい。

 窪みに挟まって探検を振り切ることができない為、動きを制限される。

 ただ、対処出来ない事もない。

 俺たち〈紫将の団〉がこの程度の奴らに負ける筈が無い。


 「神速しんそく!」

 〈skill神速を実行します。〉


 素早いモンスターに対処する為に習得した神速。

 超速とは異なり、スピードから生まれるパワーエネルギーが軽減されるものの、その分素早さに特化した能力。

 

 速さに対応できない相手はデラマルスの短剣を見失い守りが遅れる。

 今の刹那で5人の体に刃が通った。

 傷口から毒が侵入した5人はその場で地に臥せた。

 

 

 ふぅーー、息が上がっている。

 我ながら人間の出すスピードではないな。

 あと15人程。

 多いな、、


 手合わせした感じ、こいつらの武器はⅡ王冠からⅢ王冠モンスターの武器ってとこだな、

 

 炎や毒など特殊な能力が出るわけでもない。

 研ぎ澄まされた鋒、〈力〉属性の武器だろうな。


 「存外、大分暴れて温まっている割には、動きが鈍く感じるのだが、、」

 低脳には引っ掛かる簡易な煽りをしてみる。

 逆上してくれたら楽になるんだがな、


 「暴れて?

 何か勘違いしてるな、俺たちはお前が今日初めての狩りだ。」

 

 何を言ってる、、


 「お前らの仲間を全部殺ったのは俺らの首領ドンだ。」


 後ろでハサミの男は不気味な笑みを浮かべる。


 この人数を1人でやったというのか。

 あのチンケなハサミでか、、


 「そうか、ならお前には用済みだ。」


 〈紫将の団〉の要塞は森林に囲まれている。

 その木陰に隠れている吹き矢隊に合図をだす。

 

 デラマルスはその場に伏せると、背後から吹き矢が飛んできて15人ほどに襲いかかる。

 もちろん猛毒仕込みの矢だ。


 15人はそれぞれ太刀でガードするが、中にはあまりの不意攻撃に遅れた奴もいて、頭部や肩、腕に命中した。

 これで何人か削れた。

 用済みは早く終わらせる。


 〈skill神速を実行します。〉


 吹き矢隊との連携でハサミ男以外の部下どもは全員倒れた。


 「あとはお前だけだ。サイコ野郎!!」


 ハサミ男に向かって宣誓布告をする。


 「やっぱりやりよるな、

 良いだろう、俺が相手してやる。

 殺鬼の怒り《フルスロット》!」

 〈skill 殺鬼の怒り《フルスロット》を実行します。〉


 すると手のひらサイズのハサミは、身長程の巨大なハサミへと変化していった。

 これがトージの言っていたでっかいハサミか、


 首領だけあるな、

 急に醸し出す圧が重くなった。


 よし、先手必勝。

 〈skill超速を実行します。〉


 デラマルスは一気に間合いを詰め、ハサミ男の首を狙う。

 ハサミ男は器用に巨大バサミを使いこなし首への攻撃を弾くが、デラマルスが持っていたのはただの木屑。

 囮である。


 逆立ちのような態勢になり手で体のバランスを取る。

 足の指で挟んだ2本の短剣をうなじに向かって突き刺す。


 〈武器skill毒豹剣を実行します。〉


 だが、見た目と反して思ったより皮膚が硬く刃が通らない。

 こいつもフィジカルお化けの〈力〉属性、普段の体が鋼鉄のように頑丈にできている、ゼムライと同じようなタイプの体質。


 デラマルスに続いて吹き矢隊の矢が襲いかかるが、巨大バサミで受け止めると、〈超速〉で吹き矢隊に接近し、隠れていた木ごと伐採するように切り刻む。


 ジャックとデラマルスを除く〈紫将の団〉のメンバーはこれにて半分以下に散ってしまった。


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