次の狩りへ
運が良いのか悪いのか。
異常マップのお陰でお金は沢山ある。
ロロベルトの〈収集家〉のお陰でもある。
アイルソンにツケを返し、とりあえずは窃盗犯を免れた。
パトリックにもブラックサンドワーム分の報酬金を払えたので今の所債務は無い。
ゼムライからは「我の報酬金が無いぞ!」と、案の定詰められた。
だがその苦情は論理で固めて破壊した。
〈紫将の団〉の拠点にあるベッドの寝心地は意外と悪くない。
今までゲットしたskillや弾丸でも見とくか。
ふむふむ、結構凄いのゲットしたな。
skill以心伝心、対象と本心で通じ合える。
これでロキの過去を知ることができたのか。
プライバシー的に他人には使わない方が良さそうだな。
それよりも気になるのは弾丸だな。
ロキのお陰でこれ全部の弾丸が使えるってことだろ?
剛圧弾、、パワー系か。
それに炎、毒、氷、砂。
もうほぼコンプじゃん。
でもまだ他にもたくさんモンスターはいるだろうし、こうなったら全属性集めるまで狩りを辞めるわけにはいかないな。
まぁでもこれもロロベルトのお陰でもあるしな。
〈定め屋〉を出た後にロロベルトに対して放った言葉、少し言い過ぎたかな。
「ふぁぁぁーー、」
ガラス窓から朝の日光がさす。
熟睡してたな。
拉致された日に熟睡できるとか、姫ながら恐ろしい精神力だな。
「おーう、起きたか!」
うわっ、びっくりしたー。
ベッドの横にはジャックがいた。
え?いつから、、
怖っ。
「何でここにいるんだ?」
「何でって、ここは俺たちの拠点だ。
俺がいるのは当たり前だろ?」
「違う、何で姫のベッドにいるんだって話だ。」
少し語気を荒くして言う。
「それは、すまん、」
すんなり謝った。
やっぱり何かしたのか?
「それより、俺からお前にある試練を与える。」
話逸らしやがって。
「V王冠のモンスターを倒して見せろ。」
何だそんなことか。
無理難題押し付けてくるのかと思ったら、
Ⅴ王冠のブラックコールドドラゴンも実質1人で倒したようなもんだしな。
「良いぞ余裕だ。」
「ちなみに、お前が倒したドラゴンは謎の弱体化が入っていたらしい。
転送先の武具職人が言っていた。
だから、あれはⅤ王冠なんかじゃないぞ。」
マジかい、喜んで損した。
「Ⅳ王冠の強いところって感じだとよ。
今日行ってもらうのは正真正銘Ⅴ王冠のクエスト。
かなり手強いぞ。」
「思ったんだが、その試練に合格したらどうなるんだ?」
「俺の女になれる。それ以外に何がある?」
「、、、、」
はー?
何でお前の女にならなきゃいけないんだよ。
でもまぁ、顔は良い。
けど、なんか受け付けないんだよなー。
「そうか、それは無理な話だな。」
こう言うのはさっさと断るのがBestだ。
ジャックは唖然としている。
いや、フリーズしている。
あれ?動かんぞ。
ツンツン、
あー危ない危ない、後頭部から倒れる所だった。
そんなにショックだったのか?
すると、扉からデラマルスが入ってきた。
「ほら言ったじゃないですか。
いきなりは厳しいですって、」
呆れた表情をしながらデラマルスはジャックを宥める。
ジャックはまだ動かない。
「デラマルス、どう言う意味だこれ?」
「どうもこうも、ボスはラナプリンに惚れてたんだよ。
でもボスは女の扱いが園児並みに下手だから、ずっと相談されててな、」
確かに下手だったな、強引すぎるし、
「昨日も夜な夜な相談。
無愛想のままでいい?とか逆にデレデレがいい?とか、、
こっちも色々案出したら、もう1人でやるからいい帰れ!
って怒鳴られてさ。」
精神も幼稚なんかい。
「で、心配でこっそり聞いてたら、いきなりラナプリンのベッドに入り込むからさ。考えた挙句どんなとこに行き着いてんだよ。」
「入り込んでた?もしかして、謎の異常な温もりはこいつだったのか?」
「多分そうだ。」
最悪だ。添い寝かよ。
ふざけんなよ。何なんだこいつ。
ジャックは未だフリーズ中。
「ボス、振られたら半日はフリーズするから、何言っても無駄だよ。
まぁ日頃の鬱憤を言いまくれるって言うメリットはあるけどね。
ほら、バーカバーカ、アホー、ガキ、脳内ガキー!」
ワードセンスだけで言ったらデラマルスもなかなかのガキだが。
「で、女になるかは置いといて、Ⅴ王冠のクエストに行くのは本当なのか?」
「あぁ本当だ。
普通なら50人以上で行くんだけどな、今日はお前達新参者含め、6人で行く。」
「それ大丈夫なのか?」
「それはお前達次第。いざって時は加勢するが俺とボスはただ見るだけだ。」
「でも、頑張ったところで、姫はこいつの女になるんだろ?」
「まぁ、半分はお前達の力量を測る事が目的だ。
あとは、しらねぇー、好きにしてくれ。」
ずいぶん他人事だな。
ツンツン、半日フリーズってのは本当みたいだな。
びくともせんわ。
「紫将の団だ。ブラックグリフォンの討伐に行きたい。」
ジャックは解凍された。
受付嬢はこの人数で行くのか?みたいな驚いた表情をしているが、ジャックが睨みをきかし強引にゲートを開かせた。
今この場には姫、ウラディン、ゼムライ、ロロベルト、ジャック、デラマルスがいる。
「そういえばこの人数だと、また攫われる可能性とかあるんじゃないですか?」
ロロベルトが覚束ない声で言う。
「パトリックの時は大丈夫だったんだろ?
じゃあ心配ない。」
さっきのフリーズジャックはどこに行ったのやら。
何事もなかったかのように、飄々としている。
何の根拠があってそんな事言えるのだろうか?
すると、
「大丈夫だって、ラナプリン。
だって、ボスはオルデンナイト王国で1番強いからな。
他国も簡単に手なんか出せやしないさ。」
と、デラマルスが誇らしげに威張る。
国内1のハンター。
こいつがか。それはそれは興味深いな。




