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変化の王ロキ

 誰だ、変化の王ロキ、、

 ドラゴンは姫とロロベルトに視線を往来させる。


 このスキルは何か都合がいいのか?

 とにかく今のままじゃ勝てない。

 「する!」


 ボォン


 気がつくと姫がいたのは、深淵の底みたいに暗い空間。

 ここはどこだ?

 

 〈1万年前、神と悪魔の拮抗、、〉


 目前には文字と共にナレーションが流れる。


 〈12人の神は、自分たちの力不足を悟り、やむを得ずある1人を神に選んだ。

 それが〈変化の王ロキ〉である。

 ただ、ロキには自身を象徴するような特別な能力を持っていなかった。

 単に名が知れているというだけの為に戦争の神に選ばれたのだ。

 いざ戦が始まるとロキは、勿論だが持ち前のイタズラ精神を全く活かせず、悪魔の群れから逃げ惑うばかり。

 しかし、悪魔から逃げ続け、他の神の戦を眺めている内に、ロキは自身の才能に気付いてしまった。

 他の神の能力を模倣できる才能だ。

 最初は、まぐれであると思った。

 たまたま最初に真似をした神の能力が、自分に合っているだけだと思った。

 でも違った。

 2人、3人、4人と続き、結局は12人目の能力さえも全て完璧に自分のものに出来たのだ。

 ロキは戦で自分を偽り、他の神に化け、他の神の能力を使い、神の威厳戦争を全うした。〉


 歴史を振り返っているのか、、

 この話が本当なら、、

 もしガトリングにロキが宿っているなら、他の弾丸も使えそうなのにな、、

 興味深くも半信半疑になりながら続きを進める。


 〈しかし、ロキを褒め称える者は誰1人としていなかった。

 化けて戦っていた事も、普段の悪戯な性格が邪魔をし、誰も信じなかった。

 変化の王がゆえに、自身の存在証明をする事が出来なかった。

 他の神、神の使いはロキを〈臆病者〉として扱った。

 ロキはその後戦争に参加させて貰えず、以来自身の能力を2度と使わぬよう誓った。〉


 ここでナレーションが終わった。

 現実ではちゃんとこの時間が流れてない事になっているんだろうな?

 まぁもし流れていたらとっくに死んでいるか、、


 それよりもロキ、、不憫なやつだ。

 せっかくの才能が、、

 この深淵はロキの心情を表しているのだろうか?


 「何でも模倣ができる、、

  何でもこなせる姫と似ているな!

  ロキ!姫は勇敢なお前を認めるぞ!」

 

 虚無の深淵に向かって叫ぶ。

 すると、暗闇の中から一縷の光が現れた。

 

 ボォン、

 気がつくと現実に戻っていた。

 姫の背後には死を悟ったロロベルトと遭難3人衆。

 ゴォォォーーーー

 ドラゴンの氷の息吹。

 やばい、逃げたらロロベルト達に直撃だ。

 すると、

 「お前達、我が抑えている間に逃げろ!」

 満身創痍のゼムライが、〈武器skill武風烈〉で、攻撃を跳ね返す。


 逃げろと言われても無理な話だ。

 

 それに何だったんだ、さっきの暗闇の世界は?

 不思議に思っていると、

 ポォン、次はウィンドウが開く。

 次は何だよ、

 こんな時に自分のプロフィールを確認したいわけないだろ。

 「閉じろ!」


 ウィンドウを手で閉じようと瞬間、視界に入った文字がいつもより少し多いことに気づいた。

 

 手を広げ閉じそうになっていたウィンドウを再び開いた。



 〈封器〉変化の王ロキのガトリング


 やっぱり、このガトリングに居たのか。

 姫の「認める」発言で力を貸してくれたんだな。

 よし、それじゃあこっちも認めてもらえるように頑張るか!

 「封器解放!」

 冷たく質素なガトリングは、体温のぬくもりを彷彿させる程の温かさになり、ウラディンやパトリックの武器同様、魂が宿っているような生きた武器へと変わった。


 「しろの紫竜弾しりゅうだん〈炎〉《フレイ》、自動装填オートセット!!」


 〈封器skill 白・紫竜弾〈炎〉の自動装填を実行します。〉


 赤色に染まった弾丸を束ねるベルトが給弾口へと装填されていく。

 

 キタキター!

 

 「ゼムライ、伏せろ!」

 迎撃をしているゼムライに鬼気迫る声で叫ぶ。

 

 「2人とも、耐えてくれてありがとな!

 後は任せてくれ!」


 何だかんだ、ありがとうと感謝を述べたのは人生で初めてかもな、、

 前世では得られない刺激を与えてくれる。

 上辺じゃない、本心からの言葉。

 

 「ぶっぱねろ!!」

 ドドドドォォォォォォ


 炎を纏った弾丸が、ドラゴンへと向かっていく。

 頭部、胴部、羽、尾を満遍なく百発百中で狙っていく。

 

 キエェェェェェャャヤ

 ドラゴンは雄叫びをあげた。

 相当効いているぞ。

 絶えることなく、ひたすらトリガー押し続ける。

 〈封器skill 自動交換オートリロードを習得しました。弾倉の弾丸が空になると自動で装填します。〉


 なんか、新しいskillの説明をしてくれるようになったな、、これもロキのお陰か?


 〈いいえ、それは前回ラナプリン様に大変なお皮肉を頂きましたので、反省をして説明させて頂いてます。〉


 そんな事言ったっけ?忘れたわ。

 でもまぁ圧倒的に便利になったな。



 ドラゴンは、体中にヒットした炎の弾丸によって、深い傷を負った。

 炎はなかなか消えず、傷跡に追い打ちするかのようにメラメラと赤い蒸気が侵食していく。

 

 「イケイケイケイケイケイケイケイケイケ!!」


 ドドドドォォォォォォ


 何発撃っただろうか、

 ドラゴンは炎の傷で再生もできず、地響きをたてながら倒れた。


 ふぅーーー、やっとか、、


 「やっぱりウラの勘は当たってた。

 1人でⅤ王冠を倒すなんて、、」

 「ウラディンちゃん、とんだ化け物をスカウトしたなぁ、ハッハッ、」

 ウラディンもゼムライも驚愕している。

 

 ガクン、、

 おっと、、適応神経の使いすぎか、

 足の感覚がほとんどない。

 「ラナプリンさん、NICE!

 流石だよ。」

 倒れそうだったが、ロロベルトの肩に助けられた。

 

 「こんな化け物を1人で倒すなんて、、」

 「そんな人僕たちの国でもいないですよ、、」

 遭難3人衆は、ドラゴンの死体を見て感心している。


 〈ブラックコールドドラゴンの部位から、

  黒・氷翼弾を生成しました。〉


 〈skill黒・氷翼弾の無限コピーを実行します。〉


 「救助はまだか?」

 ゲートは未だに不具合らしい。


 「早く来てくれよ、もう1匹来たらどうすんだよ、、」

 ゼムライが不満をこぼす。

 

 「ロロっち、ドラゴンの所まで担いでくれ。

 氷血転換でウラ以外なら回復出来る。


 「分かりました!」


 「それと、一応3人の警戒は怠らずに」

 

 ロロベルトはウラディンを担いで、ドラゴンの所まで再び向かう。


 もう警戒はいいだろ、、殺意も感じないし、

 足が動かないとはいえ、多分今の姫なら勝てる。


 すると、ビリビリビリビリビリビリ

 ゲートに異変が起こった。

 そして、パリンとガラスの割れたような音と共にゲートから姿を現したのは、ぱっと見100人以上のハンター達だった。

 皆が軍服のようなまとまった服装をしている。


 「どうも、私革命ギルドのリーダー、アンブロシオ・メージスと申します。

 援護の遅れ、申し訳ありません。」


 律儀な人だ。最近ウラディンやらゼムライやらで野蛮なやつしか見てなかったからなんか少し新鮮だ。


 ただ、目前で燃えながら倒れているドラゴンを目にすると、表情を一変させた。

 「誰があのドラゴンを狩ったのでしょうか?」

 「ここにいる皆んなで力を合わせてな、、」

 ここは謙虚に皆んなで倒したことにした。

 

 「7人で、、ですか?」

 「あぁそうだ!」


 「Ⅴ王冠をたった7人で、、

 おい、クルード!」

 ギルド長のメージスは部下っぽい人を呼んだ。


 「はい、なんでしょうか?」


 「返事が遅い、このヘタレ野郎が、」

 なるほど、部下にバカ厳しいタイプか、

 どいつもこいつも野蛮じゃねーか。

 それに全然返事遅くなかったぞ。


 「あのドラゴン、俺たちだけで倒せると思うか?」

 「いいえ、不可能です。」

 「返事が遅い!!」

 「すいません!」

 どこが遅いのやら、


 「だよな、、とりあえずここのあなた含めた7名を保護します。

 今回のこのゲートの異常、明らかに人間の手が加わっています。

 本国で事情を聞かせてもらえませんか?」


 「私に聞かれても困ります!」

 クルードという部下が返事をする。


 「貴様に言ってない、」

 「はい、すいませんでした!」

 なぜクルードは自分に言われたと思ったのか?

 このギルド長が怒る理由も分かるな。


 「分かりました。」


 ドラゴンは魔法陣によって消えた。

 武具工房への転送だ。


 ウラディンのskill氷血転換で姫もゼムライもピンピンになった。

 ゼムライは軽々しくウラディンを背負い、ゲートへ向かう。


 

 「結構ハードだな、異世界ってのは、、」

 「そうだね、もう終わったと思ったよ。」

 ロロベルトと転生者同士身内の会話をする。


 「よし、姫達も帰るか、、あれ、遭難3人衆はどこ行った?」


 3人の姿が見えない。

 すると、背後からトントントンと早くなってくる足音。

 「ラナプリンさん、危ない!」


 グサッッ


 「グハァッ、、、」


 

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