重大な副作用
ブラックオーク討伐は無事終わった。
だが隣国への情報漏洩はおそらく免れてない。
ここ、オルデンナイト王国の南部は海に面してあり、北部は3つの国に囲まれている。
東から、八国、トリビア王国、バシューカッツ王国である。
これら4つの国は、歴史や他国との交易など様々な要素が絡み合い、それぞれがバチバチの冷戦状態である。
各国の未知な〈神の勇者〉という存在によって、戦争は起こっていないが、もしある国が他国の弱点を見抜き、今なら勝てると踏んだ場合、侵攻を防ぐ術は無い。
〜トリビア王国にて〜
「オルデンナイトがブラックオークの侵入を許したそうですね、」
「あぁ、とんだヘマをしたな。それにブラックオークなど所詮III王冠だ。
そんな雑魚を処理しきれないとは、、ハンターの人員不足が窺えるな。」
〜八国にて〜
「だが、そのブラックオークはすぐに討伐されたそうだな。」
「当たり前だろ、、そもそもブラックオークなんぞアイルリンのハンターなら侵入すら許さない。」
「何事も念入りにだ。でないと足元を掬われるぞ。」
〜バシューカッツ王国にて〜
「転生者ですかね?」
「多分な。チッ、ハヴレインの野郎、何か仕掛けを施してやがるな、、」
「まさか、この世界に順応できるとは、、」
「次の手を打つぞ、ヴァルとエヴェに伝えろ!」
舞台はオルデンナイト王国に戻る。
「なんでこんなところに牛が?」
「この種類はどこかの村で飼われてたやつだよね?」
オルデンナイト王国の王都にはペングラム村が飼育していた牛が3匹迷い込んでいた。
王都の人間は、その牛を不思議そうに見つめている。
「誰がこんな事を?」
すると、スゥんという効果音と共に、その3匹の牛は、ウラディン、ロロベルト、姫へと入れ替わった。
「便利だなこの能力は、」
「でしょぉー」
「なんか周りの人、俺たちの事凄い変な目で見てないですか?」
姫達が一瞬にして移動したのは、王都内の大広場。
そう、さっきいた場所に戻ってきたのだ。
「あの人ウラディンって人だよね?」
「あー見えて王族の人でしょ、、」
ちらほらと野次の声が聞こえてくる。
うわー、なんかすげぇ見られてんなー、
あの人なんか、目ガン開きじゃん、、
カシャッ
おい、今あいつカメラで撮ったよな姫達の事。
盗撮じゃねーか、まぁバレバレだから盗撮というか、もう撮影だけど。
「あー、そうだそうだ。一個言うのを忘れてた。
ウラのskill赤血対転もそこまで万能では無い。
短時間で2回使うと、副作用みたいなことが起こる。
その副作用とは、人間の本来の姿、、
そう、生まれたての姿になる事。
だからほら、ウラ達裸でしょ?」
え?
姫は視線を下にやる。
はあ?
続いてウラをみる。
意外と胸あるなーってそんなことはどうでもいい。
ロロベルトは?
あ、やべ見たく無いモノを見てしまった。
っておいおい、恥ずっぅーーーーー
最初の服屋で裸になったのとは次元が違うぞ。
慌てて大事なところを隠す。
「おいそんな事なら先に言え、歩いて帰ればよかっただろ、」
「えーだって面倒くさいじゃん。」
「面倒くさいとかいう話じゃ無いだろ。
こっちの方がよっぽど面倒くさいわ!」
ロロベルトは視線をこちらに向けないように、向こう側を向いてはなしかけてくる。
「とりあえず、服を着ましょう、服屋はどこですか?」
「うんー?服屋行かないから分かんない。肉食べてから考えようよ。」
「ふざけんな、誰が裸で飲食店に行くんだよ。まず服をどうにかしろよ、でないと肉の奢り無しだからな。」
「いやダァーーーーーーーーーーーーー、キャァーーーーー」
やばい、園児泣きし出した。
これ以上目立ってどうする。
「分かった分かった、肉は奢るから、まず服をなんとかしてくれ。」
「うん、宮殿に行けばウラの服があるから、それでいい?」
ウラディンは鼻を啜り、涙目を擦りながら提案をする。
「あぁ、よし早く行くぞ。」
〜宮殿内にて〜
急いで宮殿内へと走り込んだ。
途中、ウラディンはメイドが持っていたテーブルクロスをぶん取り、姫と一緒に身を包んだ。
勿論、ロロベルトは入れてやることが出来ない。なので裸のままだ。
すまん。
ウラディンに案内されたのは、先ほどの王都の雰囲気からは考えられないほどの田舎みたいな所だった。
こんな所、前世の日本でもあったぞ。
鳥の鳴き声、川のせせらぎ、葉が風に揺さぶられている音。
「よし着いたぞ、ここがウラのお城だ!」
その後しばらく歩くも景色は変わらず、お城だと案内されたのは、ど田舎のただの森。
もっと、なんかTHE王族の家みたいな豪華で絢爛とした場所をイメージしていたのだが、なんだこれは、、
「ここに住んでいるのか?」
「あぁそうだ!さっきの宮殿みたいにチャラチャラしてなくて落ち着くだろう?」
「確かに落ち着くと言えば落ち着くけどな。」
チュンチュン
スズメの鳴き声が響く。
すると突如、
「きゃーーーーー!!」
とロロベルトが悲鳴を上げる。
「うわっ、なに?びっくりするなー」
「虫虫虫虫虫虫ーー
とってーーーキモイキモイキモイ。」
よく見るとロロベルトの肩には、前世で見た事ない虫がとまっていた。
女子のように悲鳴をあげている。
「すまんな、お前のアレを見たく無いもので。
1人でなんとかしてくれ。」
「そんな、、ってキャーーーーまたきた、
うわっキィンモ、キモキモ。」
姫達の後方で永遠と叫んでいる。
そんな事よりまず服に焦点を当てたらどうだ?
「あれはデンシロ虫と言ってな、男の体に寄っていく習性を持っているから、、まぁ不憫だなハァッハァー」
ウラディンは意地悪そうな顔をして大笑いをしている。
こうなる事も多分わかっていたのだろう。
川辺に行くと、物干し竿があり服が何着か干してあった。
どれも動物の毛皮製って感じ。
中には誰がこんなの着るんだ?と思うぐらいのsizeをした服もあり、ウラディンのセンスが問われる。
歩いて帰ってればあのお姫様衣装が無くなることは無かったのにな、、
9000プリンプリンとやらも折角サービスしてくれたのに、、
って今気づいたけどアクセサリーも無いじゃねぇか、、
はぁーあ、、、
「よぉし!虫に悶えているロロっちは後にして、ラナプーはこっから服を選んでくれ!
ちなみにウラは服にお金をかけないたちでね、全部手作りだ!」
そんなことは一目で分かっていた。
だが、まぁ手作りにしてはなかなかの出来だ。
前世でもこう言う服を着ているギャルはいた。
んーー悩むな。どれも姫の好みではないが、、
よし決めた。
「これにする!」
選んだのはモコモコの下着に、神話に出てきそうな麒麟の模様をしたジャケットのセットアップ。
まぁ派手っちゃ派手。
一部の人からは愛されそうな服装。
でもこれしかマシなのが無かったからしょうがない。




