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第7話 追放

「即刻、出ていけ! 二度と戻るな!」


騎士団長ガストンの怒号が、王城の広間に響く。「100年、国境を偵察しろ! それが命令だ、アルヴィン!」


10歳のアルヴィン・ド・ヴァルモンは欠伸する。「面倒だな。ミーナ、着替えて城に行くよ。」


ミーナが小声で囁く。「アルヴィン、寝ちゃダメ! 起きて!」 だが、アルヴィンは眠そうな目でふらりと歩く。城に着くと、卒団の勲章授与式。師団長が近衛兵を従え、荘厳な壇上に立つ。


アルヴィンは思う。(腐敗の匂い……女の子の悲鳴がまだ響く。) 獣人女性、シャロン、エルフ、ミーナ。胸の違和感が、怒りに変わる。


※※※


師団長が声を張る。「アルヴィン・ド・ヴァルモン、ミーナ・ド・ロアン。飛び級卒業、勲章を授与する!」


アルヴィンは勲章を受け取り、呟く。「要らないものだな。この時間、意味ある?」 師団長は内心驚く。(10歳で12歳全員と師範を倒した男……実力は本物だ。)


「次に、配属を――」


アルヴィンが遮る。「師団長、今朝の女の子、食事もなくて弱ってるよ。」


師団長の顔が紅潮する。「何!? 貴様、ふざけるな! 国境警備に配属だ!」


そこへガストンが現れる。「アルヴィン、卒団か。立派だな。」 だが、アルヴィンは父の服から漂う女の匂いに気づく。――エルフ少女の悲鳴が蘇る。


「父様、エルフの娘、縛られたまま辛そうだったよ。」


ガストンの目が燃える。「貴様、父に何たる口を! 追放だ! 100年国境警備をしろ! 二度と戻るな!」


ミーナが震えるが、アルヴィンは笑う。「はいはい、行けばいいね。100年でも1000年でも。」 (図星だ。この国、腐ってる。)


「ミーナ、お前も同罪だ! 出ていけ!」 ガストンの声が石壁を震わせる。


アルヴィンは肩をすくめる。(罪? どっちが罪だよ。正しいものを見極める旅に出るんだ。) 扉が開き、二人は手ぶらで城壁の外へ追放される。


※※※


城が見えなくなるまで、アルヴィンとミーナは歩く。ミーナが呟く。「アルヴィン、これでいいの?」


「上出来。この国に居続ける必要がなくなった。世界を見て、正義と悪を見定める。」 アルヴィンは眠そうな目で続ける。「ミーナ、国に残ってもいい。勲章で要職につけるよ。」


ミーナの瞳が揺るがない。「アルヴィンと一緒なら、1000年でも国境警備をやる!」


「1000年もやらねえよ。この国を捨てる。獣人国に行く。来るか?」 アルヴィンは微笑む。「その前に、ミーナに見せるものがある。どんな事があっても、声を出さないでくれ。できる?」


ミーナが頷く。アルヴィンは不可視を唱え、二人を包む。「誰にも見えない。行くよ。」


――シュウ。


転移で聖職者の宮殿地下へ。そこは腐臭と悲鳴に満ちていた。10数名の少女たちが、鎖に繋がれ、聖職者に辱められている。10歳にも満たない子、近所のミリアの顔も。陰湿な笑みが石壁に反響する。


ミーナが声を飲み込む。アルヴィンの手が彼女を支える。「我慢して。」


再び転移。城から遠く離れた森へ。アルヴィンが言う。「声を出していい。」


ミーナが震える。「あんな……幼い子たちが! 聖職者が!」


「それがこの国の『正義』だ。学舎で教えられ、貴族が常習化してる。」 アルヴィンの声は静かだ。「獣人女性の悲鳴から始まり、4年間、書庫の10万冊を記憶した。だが、正しいか悪いかは書物にもない。俺はこの国を出て、世界でそれを見定める。」


ミーナの目が潤む。「私も見た。あの少女たち、貴族の入門時と同じ歳……。アルヴィン、私も行く。この目で正義を確かめたい。」


アルヴィンはミーナの手を取り、地図を思い出す。「獣人国へ行こう。」、容姿を大人にと念じ、美男美女にと…


――シュウ。


二人は転移で獣人国へ。森の匂い、遠くの獣の咆哮。アルヴィンの夢に、エルフの声が響く。「あなたを待ってる……。」


10歳の少年は知らなかった。この追放が、王国の腐敗を暴き、革命を起こす旅の始まりとなることを。ミーナと共に、真実を探す物語が、今、幕を開ける。






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追放と聖職者の闇! アルヴィンとミーナの革命の旅へ

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