企みましょう、企てましょう
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「ちょっと最近、忙しくてね。休みない、暇ない、構わない、けど忍びない。みたいな」
「忙しい……? あんたにしちゃあ、珍しいよな……? 基本的に……あんたは呼べば来ない奴だ、そうだな。スマホだって買ってないだろ? 現代人かホントに。しかも、同窓会に呼ばれないか呼ばれようと、あんたは知りたくないって風体の人なりをしている。また明日会える事、それ『自体』に苦しんで勝手に独りで傷付いてるような、魯鈍と言うか、中々に損なもんだよな」
「手厳しくない? スマホはないけどガラケーはあるよ? まあ、うん、大方はそうだけどね。僕は『普通』で、至って平和を謳歌してる人かな? 人の幸せってなんだと思う? 僕は起伏もなく、寝て食える生活だと思うんだ。新しい刺激は退屈を壊せるだろうけれど、同時にストレスにしかならない。変わらない日々、大して移り変わらない毎日、なんでもかんでも適度はあるだろうさ」
「でも、あんたはその退屈で億劫な毎日って奴に刺されてんだろ? つまらないって思い込んで、他の誰かに『これつまらないよな』って同調を求め出すなよ? ほらなんだ、こう――自分の感受性が乏しいんじゃないんです、あなた達もそうでしょう――なら『仲間』ですね、自分は間違えてない、あなたが『悪い』とかな……? 真剣に引く案件だ。スマホを持ってない現代人、よりも、こっちのがドン引きに値するぞ」
「僕にも名誉を訴える権利があるから普通に否定するし、そんなんじゃないけど――僕はさ、毎日に満足してたからね。異世界に憧れる、この事象は変化を求めている、になるんだろうけど。人って面白い生態をしてない? よく言うじゃん。退屈な日々に『飽き』て、とか。飽きんなよ、論理的に、理論的に矛盾してんじゃねえよ、とか突っ込みたい」
「生きる、は『死にたくない』じゃあないだろ? 幸せも別に『生きている』には集約しないだろ? 分からなくはねえけど、自分としちゃ異世界の憧れは手を伸ばした先に、なにか、そう、自分を打ち砕くような『なんか』がありそうだから懐くもんだろ? 別にそれは悪くもねえし、正しいとも言わねえが、人なら、手を伸ばしたくなるだろ」
「人生は、とかほざきたくはないんだけれどね――人生がつまらないのは当たり前だ――その人は合理的で確かな理性で『生きる事』に必要な要素を取捨選択したんだからさ。心底に『つまらない』筈だ。生命活動の維持、及び取り巻く外的要因と内的要因の安定化、そこに『刺激』を求めるのは土台、不可能な話なんだよ」
「品質、速度、値段の関係性と同じ理屈だろそれ。ファミリーレストランで『最高』な品質は求められやしねえだろうし、値段や速度のどちらかを犠牲にしなけりゃ品質は成り立たない――有り触れたジレンマの話だな」
「そうそれに近い、無理なんだよ『退屈じゃない幸せに満ちた毎日』なんざ。確実な論理、誠実な理論、狂わない理性が導き出した合理的結論――それは最高につまらない退屈で変化の少ない泰平に他ならない――これを打ち破るには感情が必要なんじゃない、ちょっとだけ狂気に染まれば良い、利害とか損得なしで、ね」
「で、あんたは狂わない、狂えない、狂いたくない、訳だ。そんなもんだよなぁ……ぶっちゃけ分かるし共感もするけど、自分はこの毎日を退屈って言葉で片付けたくはないな」
「ふうん、あそう――あ、そうだ。イカロスとか知ってる? 太陽に近付き過ぎたら、ロウで固めた羽は融けるって話」
「簡単に流すなよ、上々に良い話してただろうが。はあ……まあ――あんたこそ『テセウスの船』を知らないとは言わせないぞ。初めは間違いなく『それ』でも、時が経ち、欠けては補い続けるとすんだろ? 欠けた分と補った分の比率が完全に置き換わった『それ』は、間違いなく『それ』なのかって話な」
「船は……船だろ」
「言うと思ったよ、あんたはそんな奴だ」
「悪かったな、そんなやつで」
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「いやいや、撃ちましたよ。けど、後悔はないです。間違ってないから。だって魔王だったんですよ。撃ちますよ、勇者なんだし――それより、アイリスさんはどうだったんです? もう、なんか、すっごいバトルでしたよね? 最終的にどう倒したんですか? あの魔王死ぬんですか……? 人が滅びるまで滅びません系じゃないの……? じゃあ、アイリスさんはどう倒したんですか? 今日もにこにこしてますけど?」
「う……む、詳しくは分からぬが……勇者殿はシ・テアン・レイ様の塔を覚えておるな? そこへ魔王を叩き付けた、のを国民が見ておってな」
「シ・テアン・レイ様のご助力もあり、四度目も圧勝で御座います。当分、自己認識の乖離にて自己を確立出来ずエーテルを彷徨っているでしょう」
「……だから王都にまで被害出てるんですね、軽微ですけど。アイリスさん、もっと他になかったんですか、赤字ですよこれ。聖女不在、魔王被害は範囲が甚大、シルトは半壊、赤竜解体難航資金困窮ウェンユェ発狂……レイちゃんはご機嫌だったかな……? ちょっと頭痛くなって来たな……? 寝て良いですかね……? 質疑応答って名の尋問も終わったばかりですし」
「すみません、十二秒で決着させたのですが、私の未熟です」
「いや、責める気はないんです。ちょっと現実離れしてて、受け付けたくないだけなんで……」
「う、うむ。しかし……どう、国民に伝えたものか……このような……。黒き勇者の予言には記されぬものばかりでは……ううむ……」
「……、簡単ですよ『魔王は倒しました』以上です。それに、聖女様の後釜はカライト様がいるでしょう? あの子は……まあ、無害ではないですけど、割と人が出来ているのは保証しますから。結界維持任せても良いのでは? それより……アイリスさん、さっきから袖を引っ張るのやめて欲しいんだけど?」
「おや、無意識でした、失礼を。私、頑張りましたので……、……、……? あの……? 私も、頑張りましたので……?」
「……、……え、これ僕が悪いの? まあ、良いけどさ。ありがとう、とか、で良いですか? 僕もう、体力的にも限界なんですよ。あれから何日寝てないと――まあそれを言うのも癪なんですけど――寝たいんです、今直ぐにも」
「では、運びましょう。巷では背に担ぐ以外にも運び方があると――前側で抱き抱えるそうです、顔が抱える方の肩に乗るような姿勢だとか――耳にしております。今こそ、実践の時ではないでしょうか」
「……、手を広げても無駄だ、僕は遠慮出来る人だから。だから、だからさ、にじり……よらないでください。良いですね……? ステイ、ハウス、ですよ」
「承知しております」
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「おや君か、奇遇だね。ふむ。ふむふむ、そうだ。取り敢えず……殴っても良いかい?」
「死んでしまいますので、どうか手は花を結う為にお使いください。王太子殿下」
「私は寛大だからね、待ってあげよう――師はね、四度目も魔王を討ち果たした。これで、当分は平和にはなったと考えるのは早計かい?」
「……、それはどうでしょうね。生物学的な観点では『死亡』してますけど、死んではないんでしょうから。代償も甚大でした、街も大地も。他はなかった、とは思いますけど」
「代償――水銀として、世界を渡った英雄――私の師は……肉体が幾度傷付こうと、魂が潰えねば、傷ではないと断じるだろうね。それに……」
「どうして口籠るんですか、今更、僕に躊躇いがあるんですか?」
「いいや? 私にはね……『君のために死にたがっている』ように映る。君の『勇者』への献身という詩の中、自らを燃やし尽くしたい、と」
「だったらどうします? 殴り合いでもしますか? 僕は弱いですけどね――クルスさんに比べればかなり――それと。僕みたいなのに、そんな極端な盲信をするのを貴方こそが止めれば解決では?」
「ははッ。勇者殿、師は頑固だよ。君を『勇者』として認識している。嘗て師が身に負った傷は魔王に癒やされたと述べたのは覚えているかな? その魔王が『なにか』を植え付けたのではないか、と、疑ったことはないかい? あるはずだ、君なら――怖いだろ?」
「……、……やめてください、それは、あんまりにも悪質だ」
「師はね、君を守る事で、『勇者様を裏切らなかった』と言う、純粋な役割を獲得しようとしている――実に思う所しかないな、ないが、今は許そう――論理的な冷酷さも、彼女の狂信的な献身を前にしては……、無力だと刻むと良い。私は師に、『幸せ』を願っていた。君が、はからずとも壊したものだ」
「………、……僕に甘えるな。お前が逃げたんだろ、向き合うのを」
「……ああ、これは八つ当たりだ。男だからね、甘んじてくれ。さて――君が本物の聖女様を探す事、師にとっては二重の裏切りではないかな? 君はどう考える? 是非、聞かせてくれ――『依存』と『幸せ』――それでも、君は私をなじるのかな」
「……、僕は勇者様じゃないけどね。それは、変わらないよ」
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Sweet Lie...Nostalgia...
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「ゆーしゃーさまー、今日の王宮の庭園はとても綺麗ですよー? 新しく植えたルシアが咲いてます。ほら、いい香りがしませんか?」
「ふうん、そう。良かったね。ああ、ジェリコ爺さんとのやつだっけ……?」
「はい、そうです、存じてます。勇者様もどうぞ、近寄って嗅いでください」
「いや、いいよ。セルフちゃんが満足するまで、で。僕はもう満足したから」
「む……いつになく頑固ですね。なら、うーん、ちょっと討論しませんか?」
「へえ?」
「いま、楽しいですか?」
「第一に楽しい楽しくないは横に置くとして――こういうなんでもない時間だけが唯一僕が『現実味』を感じられる瞬間なのかもね。怠惰に微睡んで、億劫に連れられて、自己認識は否定と批判に頼るような感じ」
「ふふ。勇者様、そんなに難しい言葉で、『目の前のこと』を遠ざけようとしてますねっ!」
「遠ざけてる訳じゃあないけどね? まあ僕としてはこのまま、いつまで続くのかな、なんざ論理的に考えているだけかな。人は暇だと後ろばかり見て、悔いるもんだからさ」
「……勇者様が、誰よりも『平和』を望んでいることを知っていますよ。そして、そのために……まっさきに傷つく準備をしていることも」
「……、……」
「どうしたんですか、勇者様。そんなに驚いて。私の顔に、何かついていましたか?」
「……、……いや、なんでもない。君は僕の考えている事が分かるのかと思っただけだよ」
「ええ? 勿論、分かりますよ? だって私、勇者様のことが好きですから――嘘を吐くときの癖も、目を逸らすときの微かな失望も、全部知っています」
「それは……」
「でも、嘘でもいいから、私は勇者様に笑っていて欲しいです。この庭のルシアのように、綺麗で、無垢な笑顔で……ちょっと想像できませんけど……あ、怖いかも……」
「君ってやつは……本当に不敬極まるよね、僕をなんだと思ってんだ……? ああ、勇者か……。僕は笑えないんじゃない、笑わないだけだよ、一応念の為に指摘するけど」
「そー、ですか。それでも、ですからね? さあ、このお菓子も美味しいですよ。冷めないうちに召し上がってくださいね、勇者様?」
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「はあ? なんて? なんつったんだ?」
「春風太陽君、『最も短期間で世界に飽きた勇者』って言ったんだよ」
「あー、なら、てめえは『聖女殺しの勇者』だな。やることなすこと、ほんっとに陰湿だよな、マジで。その面が一番気に入らねーよ、僕は悪くないって雰囲気してるぜ?」
「暴力は『最も高価な資源』だと僕は考えてるよ。非合理的な結論だ。君の目的は『帰還』だし、異世界が嫌いな同志、なんざ考えてたんだけどね」
「うーん、今はそうでもないな。嫌い、じゃない。良い人もいるしな。まあ分かるぜ、大変だったろうな。でもよ、なんもせずに帰るのは後味が悪いじゃん? 『勇者らしく』しようとか、考えはしたんだけどな……。本当に、あんたは大丈夫か? 一番、一緒にいたろ……?」
「……、……『勇者』ね――うん、良い着眼点だ。僕の行動原理は、詰んで二進も三進も行かないから、だけだし。誰かの為、況してや『愛』とか『恋』は対極にあるかな。君の方が、よっぽど『勇者』に相応しいんじゃないかな?」
「勇者? 笑わせんな。俺はすごくなんかねえ。ただの兄貴だぜ? 妹を迎えに行くため、暴力と金を集めてる『守銭奴』の一人だ。てめえの、その『大丈夫、気にしてない』なんつー、面倒臭い理屈より、よっぽど単純で分かりやすいだろ?」
「そうかな――そうだな、そうだとしよう――君の単純さは、時に僕には眩しすぎるな。でも、僕の行動も、君の暴力と金の稼ぎ方も、目指している結論は同じだよ。誰も代わりはいないだけさ」
「へえ。じゃあ、商いの邪魔すんなよ。ウェンは怖いからな、マジで頼む」
「勿論、必要がなければ――でもさ、僕の計画に君の『暴力という資源』が必要になったら声を掛けたりはするかもね。その時は『妹の行く末』とか人質に取るかも知れないから、宜しく」
「いやいや、ハバラちゃん時みたいにか? いや、とんなよ、頼れよ普通に。めんどくせえ奴だな……」
「あぁ、知ってるさ」
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Logic...Madness...
「おやおや、ようこそセグナンスへ。誰かさんを煽って遊んでくれて、あては感謝しとるけど――あんさんとタイヨーは友達やったんやねえ? 見てておもろいわぁ」
「そうかい、そりゃどうも。ちょっとだけ君とも仲良くしたいんだよね、一応、セグナンスに席はあるし。金を暴力より尊ぶ利己的な君なら、僕の話に乗りたいと思うかも知れないからさ」
「ほおん、ほな、言うてみいや。なにがいんねん?」
「ボンネット、チョーカー、フィシュー、後、外せないのはドレスだ。ドロワーズも欲しい、コルセットもいるかな⋯⋯?」
「あー、せやな⋯⋯。うー⋯⋯ちょいまちぃな⋯⋯受け入れられへんかってん⋯⋯うー⋯⋯。おん。あての気の所為やないな⋯⋯? 正気、やんな? 魔王に頭弄られたんか?」
「いやさ、ユーフェ・フォン・デル・アベレイフォス・シュテルンリッター・ミーファ・クロイツェフ・アンジェゲルド・メシュフセラヴィーヒ・カレイド・ド・ドロップちゃんに頼んだら断られてね――宜しくない、と、セフゥムって――仕方ないし、貴族社会に詳しそうな君に、態々頼ってる」
「どやるな、ムカつくわあほんに……。まて、あんさん女性用が欲しいんか? それも使用済みの、かいな? いやいや、そもそも黒き勇者からかっぱらう気やったんか? イカれとんのかいな?」
「ふざけるな、僕は真面目にやってんだよ。金ならある、調達出来るのか、出来ないか、だ」
「……まあ、揃えたるわ。そもそもや、あんさんなら仕立て屋に頼めばええやろに、なんでまたあてやねん?」
「ちょっと気が変わったから、頼ろうかなって、それだけさ。採寸とかするよね? それとも、もう入手してる?」
「あんさんの周りの侍女はあんさんの事を絶対に喋らんよ、せやから採寸せなアカンな」
「へえ、そう。まあ、嫌われてるだろうからね」
「……、……そう考えたいなら好きにせえや」
「じゃあ、商談しようか。因みになんだけど、使用済みとかも手に入ったりするの? 下着とか」
「シバくぞおどれ。あてのセグナンスを二度とまたげんよーにしたろうか? ええ? なんか言うたらええんちゃいますか、勇者様?」
「待って、締め出すのは勘弁してくれ。冗談、単なる冗談さ。君を頼るのは、君を信頼して信用してるからだよ。嘘じゃない、いやほんと、マジマジ、トラストミー、トモダチ、トモダチ」
「あーもう、なんやねん阿呆がッ! 分かった、分かったからっ! せやから尻尾触んなやっ! もう口を閉じぃ! 喋るほどにすっからかんになっとるやないかっ!」
「トモダーチ、トモダーチ」
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End...
次章は暫くお待ちくださいまし。すみません、誤字によりクルスさんが某ゴリラになってました。




