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函と蓋の違い


 しゅぶる。しゅぶる。焼き付く。


 それは、個ではなく。


 しゅぶる、しゅぶる。焼け爛れるもの。


 それは、群ではなく。


 しゅぶる、しゅぶる。火が暮れる。


 それは、いない。


 ★


 


 男は、じっくりと燃え盛る。怪奇なる始まりだった。


 男の生涯は穏やかであった。朝から教会に通い詰め、真摯に女神へと祈る。妻に子供、裕福で幸せな家庭であった。


 だが、その男はある日、何時ものように教会で祈る最中に発火した。


 修道女に見られながら、水さえ掛ける暇もなく、皮膚は煮え立ち脂を滴らせて、ひび割れて、黒炭のように内から赤く火をチラつかせて、燃えて死んだ。


 男だけが、燃えたのだ。神の御前で、男は死んだ。


 最後にその眼で見るは、床に刻まれる文字。古き言葉。汝、神に祈るは罪としれ。

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