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運がないだけですので  作者: ヒコしろう
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新生活は運任せ

勇者候補の天野(あまの) (いさむ)の保温出来る弁当箱の餌食になり死んだ男 小山 隆史 さん 享年44 は、

怒りの炎に身を焦がしながら

神と勇者候補を相手に交渉をはじめる!!

彼は勝利を勝ち取れるのか?


本編をどうぞ。



キレておかしなテンションのまま


「加害者」こと 天野 君 に弁当を力一杯放り投げ、



「被害者」こと 小山 隆史 44歳 独身 に直撃し、


治療もむなしく他界したことを説教


「周りも確認せず物を投げ、人に迷惑をかけるとは何事か?」と


天野 君 青い顔してめっちゃ謝ってたよ。


しかし、問題は 天野 君が異世界の勇者候補になり、地球ではその存在自体がもう無いし、

異世界の神様がからんでるから地球の神様だけで解決できない事と成っているらしい。


要するに泣き寝入りするしかないようだ。


「加害者」…いや「殺人犯 天野 勇 容疑者」は天界でスキルや加護を受ける為の修行を行い、その後に剣と魔法のファンタジー的な異世界「ミスティル」に転移し勇者として邪神にワンパン入れに行かされるらしい


邪神と言ってるが、ミスティルでの他派閥の神様で、自分の陣地を増やしたい一心にかなり力任せな方法を使い戦争や略奪なんでもござれで、さあ大変


ミスティルの住人ではミスティルの神様をシバく事も出来ず神同士のケンカは主神が禁止しているから手が出せない。


そこで、勇者召喚らしい。


キッツい修行で、ボロボロになる毎日を送ったり、

精々苦労して大変な目に遭うとよろしい。

それが、罪滅ぼしになるから。


と、云うことで、ほんの少し気分が晴れたから今後の話をしようか!?


神様、いや婆さん!!


「アタシかい?」


「そりゃそうだろ!

婆さんの飼い猫が原因で起きた事故で人が死んでるよねぇ

わかる?

お嬢ちゃんを助けてオッサンを殺した青年は勇者にして、

殺されたオッサンには謝罪もなしなのかなぁ~?」


「申し訳ございませんでしたニャァ!」


「土下座猫お前は暫くだまってろ。」


「はいニャ!」


シュンとなる土下座猫をよそに俺は地球の神様、いや爺さんに問いかける


「神様、いや爺さん。」


「わざわざ口に出す必要あるかのぅ?

心の中でも一回思ったじゃろ。


なんじゃ?質問かの?」


「爺さん、俺は生き返らないんだな?」


爺さんは残念そうな顔になり


「もう、神力が足りないし、小山 君が死んだ事は地球で確定してしもうたので、今から覆すのは無理じゃのぅ


どれ、観てみるかの?」


スッと手をかざす爺さん

すると画面の様なものが現れた。


何処かのセレモニーホールにいる喪服姿の家族が映る。

お通夜の様とはこの事なのかな?

と、自分の事なのに実感が湧かない。


母が泣いているのか小刻みに震えている


堪りかねたのか姉が口を開く。


「弁当箱で死ぬって、恥っず!」


えっ?


ドッと、お通夜の家族が吹き出す。

母も笑っている。


あぁ、あれは笑うの我慢してたのか。


父が追い討ちをかける


「弁当見たか?ご飯ギュウギュウのおかずギッチギチ

いかにもデブの弁当だったぞ」


家族大爆笑。


「切ってくれ!画面をすぐさま消してくれ!!」


空中の映像を手で掻き消そうとする俺、

なかなか消えない映像にイライラする。


「おう、加害者さんよぉ。

君の食べ盛り弁当のせいで新たな心の傷が増えましたが、どうしてくれるんで!?」


加害者に文句の一つでも!

と、動こうとする俺に、


「まぁまぁ、家族の心ケアと君の保険はバッチリ出るよう地球の神様達でフォローするので、勘弁して欲しいのじゃ。」


と、神様がいさめるが、

怒りが納まらない俺は、


「おい、爺さん家族は良いんだよ。

俺への謝罪わい!?


頑張ってくれたのは聞いたが本当は退院してチョッと良い人生やったんやろがい?


なんで、ガッツリ死んでるの?


俺は地球でチョッと良い人生を送りたいんですけど!」


言いながら、またやり場の無い怒りが込み上げてくる。

爺さんや婆さんに当たったところで、

どうしようもないんだけど…


「地球で記憶を持ったまま転生は出来ないのじゃ、

産まれる前に魂をまっ更にする決まりじゃからのぅ。

前世の記憶の欠片を持っておる者は、まっ更にされて尚魂に刻み込まれた分だけだからお得感は少ないのぅ。


生まれ変わった魂に、

チョッと運気の上がる加護は与えれるが、

小山 君としての旨みはないのぅ。」


考え込む爺さん



「!! フクさんの世界はどうじゃ?」


「ミスティルにかい?」


なんか閃いた爺さんが婆さんと話している



暫くして、案が纏まったようだ。



プラン1

地球でプチラッキーな人生に輪廻転生

記憶なしの新たな旅立ち


プラン2

異世界に正規手続きで転生

記憶あり、爺さん神から運気向上の加護。

婆さん神からはスキルガチャをレアガチャに格上げ。

但し、ミスティルの規則でそれが貰えるのは三歳に成った時らしい。



さて、プラン2で決定なのだが、

これだけでは納得出来ない。勇者程とは言わないまでもスキルモリモリで行きたい。


だが、その案は却下される

肉体が無い俺は転移ではなく転生。

アッチのルールの範囲でしかサービスが受けれない、

何の使命もない者は一般扱いらしい。


「楽して暮らしたいぃ~」


とゴネたところで、加害者 天野君の援護射撃が炸裂


「僕が困った時に助けてくれる使命を受けてくれませんか?そうしたら少しサービス出来ませんかね?」


ナイスアシスト!


「うぅ~ん。」


婆さん神が困っているが、イケそう

むしろイケるからこそ俺にサービスしたくなくて困って居られる様子。


勝った。


でも、正直使命とか面倒だなぁ~

と考えていると


天野君が近くに来てコソッと


「小山さんには迷惑をかけないように自力で頑張ってみます。

困らなければ 小山さんは自由ですから異世界を満喫して下さい。

僕ができるせめてもの罪滅ぼしですので…」



えぇ子や。彼こそ勇者 天野君や。


横目で婆さんと猫を見る

婆さんは少し不機嫌で猫はショボくれている


なんか満足したからこれ以上ゴネるのは止めよう。


「はぁ~。


解ったよ、お前さんも納得したみたいだからアタシも意地を張るのを止めるのじゃよ。


お前さんにはこの後スキルを引いて貰う

それとは別に、鑑定のスキル と アイテムボックスのスキルをやるのじゃよ。


どちらも低レベルじゃが、食べれるかどうか位は判るし、手ぶらで買い物に行けるのじゃ


十分便利じゃろうて。」


「それは有難い」


素直に喜ぶ俺


優しい笑顔になる婆さん、いや商神 フク様


「では、スキルガチャタイムじゃ!」


高らかに宣言する商神


何やら駄菓子屋から箱を持ってくる黒猫


はこには手書きで レアガチャ と書かれている

嘘臭い


中には三角くじがギッシリと…


嘘臭いが今の俺には関係ない!

爺さん神の運気向上の加護が火を吹くぜ!!

凄いレアスキルで楽しい異世界ライフだ!!!


ガサゴソと、

奥の方から一枚の三角くじを引く俺


手にしたそのスキルは!?


黒猫がベルを鳴らしスキルを読み上げる


カランカラン♪

「技能神様からのスキル 濾過(ろか) です。

最高の喫茶店のマスターも夢ではない

レベル次第で毒でも真水になる激レアスキルです。」


嘘だ!俺の運気向上は?


油の切れた機械の様に、ギギギっと爺さん神を見る俺に、


爺さん神が申し訳なさそうに、


「あの~、小山君。

スキルも加護も異世界に行って三歳に成った時じゃ


今は素の 小山君の運しかないのぅ」


フッ。

終わった

全部終わったよ。

運がないんだよ。素の小山君は…



真っ白になる俺

周りの視線が痛い…


あたふたしながら黒猫が、


「安心するニャ。

ミスティルの初期スキルが微妙激レアスキルでも、剣を振っていれば剣術スキルも生えるのニャァ。


このスキルもレベル次第で、

なんとかなるかも知れないニャ?」


なぜ疑問形…


すると婆さんが、


「あぁ~もう

辛気臭いねぇ。ついでに丈夫な身体も着けてやるから、早く転生しちまな!!」


そう言って手をポンと叩くと福引きのガラガラが出て来た。


「産まれるランクを決めるよ!!」


えっ?えっ?


横を見ると黒猫がボードを持っている


金色 = 王族や上級貴族など


赤 = 貴族やお金持ちなど


緑 = 一般の上


黄色 = 一般の中


青 = 一般の下


白 = 残念賞



と、書いてある。


また、運か?!

絶対ダメじゃん

回したくないよぉ


婆さんがイライラしながら急がすので、

渋々回す。



ガラガラから玉が出て来る




白…

キレイな白だった。



次の瞬間足元に穴が空き下へと落ちて行く




うゎあぁぁぁ ババァ!残念賞ってなんだぁあぁぁぁ~



読んでいただき有り難うございます。


少しでも、「面白い。」と思って頂けた方や、

「仕方がないから応援してやろう。」と思われた方

宜しければブックマークをお願いたします。


評価や感想、

イイねを頂けたら、

すっごくすっごく、嬉しいです。


頑張るぞ!!って気持ちになりますので、

ヨロシクお願いします。


やっと異世界にいきます。


次回、 こんにちはパパさんママさん ですお楽しみに。



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