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運がないだけですので  作者: ヒコしろう
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駄菓子屋のババァと土下座猫

穏やかな日常の朝が一変する事故に遭う

女の子を、助けようとしたが、

意識をなくした男

何が起こったと云うのか!


本編をどうぞ。


誤字の報告ありがとうございました。



気がつけば白い世界


光が差す。と云うより全体的に明るい


その中にポツンと駄菓子屋?がある


見たことのないオモチャの様なものに駄菓子風の包み紙

カード類のくじ引きかな?

が置いてある古びた木造の駄菓子屋だ


店先に大きな木があり

その横に困り顔のお婆さん

お婆さんの隣には何故か、絶賛土下座中の黒猫が

そして

それを見せられている男がいる。


ただ、それだけの空間が其処にあった。


黒猫がスゥーっと息を吸い込み改めて床に額を擦り付け


「申し訳ございませんでしたニャァ!!」


それはそれは、キレイな土下座でした。


「あ、のー?」


質問をしようとしたところ、駄菓子屋のお婆さんがため息混じりで説明し始めた。


はぁー


「済まないねぇ。まぁ、スミマセンじゃ済まない事に成っているんだけど、お前さんは 死にました。」


!?


「まぁ、落ち着けっても無理だと思うが、出来る限り落ち着いて欲しいんじゃよ」


そう言ってお婆さんは胸の前で軽くポンと手をたたく


すると目の前に縁台とお茶のセットがパッと現れた。


「長くなるから座りなさいな」


促されるまま腰をおろす

お茶を注ぎながらお婆さんが、


「全く、御使いに出したあんたがヨソで問題起こしとるんじゃよ。」


凄むお婆さん、再び土下座する黒猫


「あのー」


と、何かを聞こうとするが、


「度々すまないんじゃよ。

そもそもはこのクロは私の眷属、まぁ御使い猫なんじゃが、お前さんのいた世界の神様に手紙を持って行く最中に、白猫に見とれて不用意に実体化してしまい、

急に現れた猫に驚いたトラックドライバーが急ハンドルを切り、制御を失ったトラックが幼い命を奪いそうになった所にお前さんが滑り込み身代わりに死んだ…


という事に成っておるんじゃよ」


キョトンとする男


「まぁ、死んでないと云えば死んでないが、ちゃんとトラックにはねられて死んどるんじゃよ


地球ではの。」


「…あの」


もう、なかば諦めて声をだすが、


無視して今度は黒猫が口を開く


「商神様、ここからは、オイラが説明してもよろしいですかニャァ?」


駄菓子屋のお婆さんは頷きお茶を飲み始めた。


「えーっと、

改めまして、こちらは地球とは別の世界ミスティルで商売や物流、経済を司る神様 フク様ですニャ、そして、オイラが

フク様の眷属 ケットシーのクロですニャァ

この度は、ミスティルの主神さまのお使いで、地球の神様にお願いの手紙を届ける途中に、オイラの不注意で大変な事に成ってしまい大変申し訳ありませんニャァ。」


何なんだこの土下座猫は?と思いつつも出されたお茶をすすり気持ちを落ち着けようと試みる。


「トラックが突っ込み轢かれそうな女の子を助ける為に 天野 勇さん あなたは身代わりにトラックに轢かれてしまったのニャァ」


お茶の効果か少し落ち着き心の余裕が出てきたのか


「あの女の子は?」


と、ここに来て初めての具体的な質問をなげかけた。


「女の子は無事ニャァ

ビックリして泣いちゃったくらいで元気一杯ニャ」


クロの言葉にほっとし、またお茶を一口飲む


「で、オイラの不注意なので、フク様と地球の神様に頼んで何とかして欲しいとお願いしたのニャァ

その結果、神力を一杯使ってもらい何とか事故の被害が無いようにしてもらったニャァ

まず、事故をしたトラックドライバーさんは怪我も無く、トラックも直ってるニャ。

次に女の子は音にビックリして尻餅ついて泣いちゃった事になったニャァ。

あとは、倒れた人が居たから救急車やパトカーが来たけど、いまは地球の神様が頑張って頂いているので、心配無用ニャ。」


ニコニコしていたクロだが、直ぐに申し訳なさそうな顔になり


「でも、死んだ天野さんは体ごとこの神界に来てもらいましたニャァ。」


泣き出しそうなクロ


みかねて飼い主の婆さんが、


「流石に壊れて魂が留まれなく成った体をすぐには治せないし、無理に治しても地球の理がそれを許しちゃくれんのじゃよ。」


と、説明した。

駄菓子屋のお婆さん改め、商神フク 様が煎餅をかじっていた手を止めて真剣な眼差しで、


「だから、天野 勇さん。

お前さんは、地球では最初から居なかった事になる。

馬鹿な黒猫のせいで死ぬ人間も殺す人間も産み出さない為…

と云えばむしのよい話しに成る。

だが、幼子を守ろうとするその魂を見込んで頼みがあるんじゃよ。」


今度は、神様が深々と頭を下げ


「どうか、勇者として世界をミスティルを救ってくれないかい?」



そう、これは、地球で不慮の事故に遭い死んだ

俺 天野 勇 が

勇者として異世界ミスティルを救う物語!






ではない!

断じてない!!


だって俺 天野 勇 ではないし


小山 隆史 だし!!

ババァ、早くコッチにも説明しろやぁあああ!!


読んでいただき有り難うございます。


少しでも、「面白い。」と思って頂けた方や、

「仕方がないから応援してやろう。」と思われた方

宜しければブックマークをお願いたします。


評価や感想、

イイねを頂けたら、

すっごくすっごく、嬉しいです。


頑張るぞ!!って気持ちになりますので、

ヨロシクお願いします。


次回、加害者と被害者 ですお楽しみに。



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