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プロローグ
静かな大地で清らかな風がどこまでも飛んでゆく。
この風は何処へ向かっているのか。
その行き先を知るものは居ない。
風が生まれ消えていくように、物語は無数に生み出されていく。
風が消えていくように、物語は皆結末を迎える。
ずっと飛んでいる風はないのだ。
森羅万象全てのものはいつかは消えてなくなってしまう。
だが、皆それに抗おうとする。
いつかは消えてなくなるにもかかわらず。
が皆がその因果を受け入れてしまったらこの世界は終焉を迎えるだろう。
この世界は抵抗によってできているのだ。
風は遠くへと飛んでいく。
誰にも止められることもなく飛んでいく。
どこまでも…どこまでも…
そして、いつは消えてしまうのだろう。