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第92話 新ミミックの強さ

馬鹿を倒せば付きまとわれない。

それならシンプルでいい。


すでに戦闘態勢になっている馬鹿に向き直り、同じように戦闘態勢を取った。

見ればみるほど、馬鹿の宝箱は奇抜だ。

真紫で染められた宝箱に白字で「夜露死苦」とペイントされてある。

宝箱の大きさは僕と同じか、やや大きいくらいだろう。


一体どんな闘い方をするのだろうか?

ここまで来れるくらいだから、ある程度は強いのだろう。


僕と馬鹿とのにらみ合いが続く。

しかし、ずっと睨んでいても仕方がない。

そういや、馬鹿の名前を知らないことに気が付いた。

まずは、名前を聞いて状況を変えてみよう。


(君の名前を教えてくれ)


予想外の質問だったのだろうか?

馬鹿の動きが一瞬止まった。


(あれー、兄貴、俺っち名前を言ってなかったっけ?

俺っちの名前はタケルだ。)


タケル。日本名だ。やはり彼もプレイヤーなのだ。

海外からのプレイヤーは見たことがない、このゲームは日本限定なのだろうか?

戦う相手のことが確認できたので、まずは僕から動いて見よう。


僕は彼に毒針を吹きかけ、同時に暗黒魔法【ブラックフォグ】を使用。

僕たちの周りに黒い霧が現れる。

同時に僕は気付かれないようにメタルブーメランを投げつけていた。

ブーメランを直接狙うのではなく、戻ってきた時に当たる角度に調節していた。


真っ暗な視界の中でも僕の毒針をわずかに動いてかわすタケル。

かわしたところに僕の投げたメタルブーメランが、後方から襲いかかった。


完全に意表をついた攻撃。

これはかわせまい。


しかし、タケルはブーメランすらわずかに動くだけでかわした。

どうやらタケルは防御が得意らしい。


これならどうだ。

僕は【岩石投げLv1】を使用。

僕の目の前に直径1mほどの岩石が現れる。


僕はタケルに向かって岩石を投げつけた。

余裕を持ってかわすタケル。


しかし、僕の狙いはただ岩石を投げるだけでは無かった。

僕は魔眼スキルのうちの一つ【爆発】でタケルの目の前で岩石を破壊する。

割れた岩石の破片を全て、【物理無視LV6】を使用しタケルを狙って方向転換させた。


運動保存の法則を無視し、動きを帰られた無数の岩石の破片がタケルに襲いかかる。

しかし、僕の狙いが分かっていたかの如く、タケルは余裕で全ての破片をかわしたのだ。


それならこれはどうだ。

僕は岩石をかわし続けているタケルに向かって、直接【タックル】で突進。

もちろんタックルが当たるとは思っていない。

僕の本命はかわされたところに、肉眼では見えないほど細いワイヤーで彼を巻きつけることだった。


しかし、ワイヤーすらもかわすタケル。

ブラックフォグで視界が悪くても、タケルには攻撃が全て見えているのだ。


逆にバランスを崩した僕に、今度はタケルが攻撃を仕掛けてきた。

タケルは舌を僕に向かって振り下ろす。

特に何のひねりもない、舌での攻撃だ。

僕はかわすと同時に、僕も舌攻撃をしようと攻撃態勢をとった。


バシッ


かわしたと思った舌が僕の箱に直撃。

えっ、なんで?

僕は困惑していた。

確実に攻撃をかわしたはずだった。なぜ当たったんだ?


動揺する僕にタケルは再度舌攻撃をしかけてきた。

僕は攻撃をかわそうと試みるも、ことごとく僕にヒットするのだ。

一体どうやっているのだろう。

タケルの攻撃自体は単純だ。

僕に向かって舌を振り回しているだけなのだ。

しかし、その単純な攻撃がなぜかかわせない。


ダメージ自体はほとんどない。

タケルの攻撃は僕にとっては軽すぎるのだ。


僕は【鉄壁LV7】でヒットしたタケルの舌をはじき返すと、態勢を崩したタケルに魔眼スキル【雷撃】で防御不能な攻撃を行った。

しかし、タケルもすぐさま【電撃】を返す。

お互いの魔眼スキルで、【雷撃】を相殺した。


どうやら普通の攻撃では当たらないらしい。

僕は【ブラックホールLv3】+【相互理解Lv3】+【暴食Lv3】を組み合わせた。

レアスキル3つの同時使用は、激しく僕のSPを奪い取る。


これが今の僕の最大の攻撃だ。

タケルのまわりにブラックホールが無数に現れる。

多方向から同時にタケルに向かって吸引をし始めた。


激しく振動するタケルの箱。

なんとか今は僕の攻撃を耐えてはいるが、そう長くは持たないだろう。

タケルはその場に留まって僕の攻撃を耐え続ける。


激しい吸引攻撃にさらされているタケルは、舌を大きく伸ばしたかと思うと自分の箱を舌で巻きつけた。

一体何をするつもりだ。

僕はタケルの動きを警戒した。


次の瞬間、タケルの体が消失した。

なんとタケルがその場からいなくなったのだ。


僕は辺りを見回してタケルを探したが、彼の気配は一切感じられない。

完全にその場からいなくなってしまったのだ。


僕がタケルを探してキョロキョロと周りを見回すと、急に僕の背中に刃物を突き当てられた感覚を感じた。

なんとタケルが僕の背中に剣を突き付けていた。


「朝起きるとミミックになっていた~捕食するためには戦略が必要なんです~」を読んでいただきありがとうございます!


どんな評価でも構いません。少しでも気になると思っていただければどんな評価でも結構ですので★にチェックをお願いします。


もちろん厳しいご意見も随時受け付けております!


皆さまの応援が力となりますので、ぜひとも応援をよろしくお願いします!

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