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第63話 誘導作戦

僕はテレポートを使用して、悪魔族たちの待機している場所の近くに移動した。

そこで見たものは、背筋が凍るような場面だった。

待機しているのは何百を超える使い魔たち。

50匹くらいずつまとめられた隊列が、幾重にも穴の周りに集められていたのだ。

しかもガーゴイルやインプたちに混ざって、別の悪魔族が少数ながら存在している。

インプ達よりも更に禍々しい雰囲気を持っており、おそらくやつらの上位種だろう。


周囲を見回すと、別の穴を掘り続けている集団がいる。

あらたな進入路を作るつもりだ。

もしも開通すれば今まで以上の使い魔たちがなだれ込み、あっという間に窮地に追い込まれる。


しかし、これほど統制された集団が自らの意思で動くとは考えられない。

必ず軍団を指揮しているやつがいるはずだ。


僕は注意深く周囲を見渡し、軍団の指揮官を探した。

すると、列の最後尾から大声で指示を出している悪魔族がいた。

どうやら他の悪魔族とは違う、強者が持つオーラのようなものを感じる。


僕は【鑑定LV8】で指揮官のことを調べてみた。



【レッサーデーモン】

Lv 30

HP(体力):85000

MP(魔力):70000

SPスキルポイント:58000

筋力:47000

耐久:70000

知力:95000

器用:44000

俊敏:25000

運:10000


スキル

暗黒魔法Lv5、格闘Lv8、魔眼Lv2、※※※、※※※※


どうやらレッサーデーモンという悪魔族らしい。

今まで戦った敵の中では、ハルクを覗いてダントツの強さを持っている。


レッサーデーモンは頭に2本の角を持ち、4本の腕と2本の脚を持つ。

牛とヤギを合わしたようなやや長めの顔で、ぎょろっと光る赤い目が特徴だ。

ガーゴイルたちのような羽は持っておらず、二足歩行で移動する。

こげ茶色の体は、全身が筋肉に覆われている。


悪魔族の侵攻を止めるには、レッサーデーモンを倒さなければならないだろう。

ただ、陣形の一番深い所にいるため、正面からいくと何百といる悪魔族を相手にしなければならないだろう。

それは完全に悪手だ。

いくら頑張ってもやつには届かないだろう。

しかしこのまま様子を見ているだけでは、事態はさらに悪化する。

早急に対応する必要があるのだ。

他の悪魔族には気付かれずにレッサーデーモンだけ倒す。

今僕に求められているのは、そんな難しいミッションなのだ。


レッサーデーモンは自分が狙われることを考えてか、常に4匹の屈強な悪魔たちが彼を守っている。

サイクロプスだ。


サイクロプスは頭に大きな角のある3mほどの体を持つ1つ目の巨人。

二足歩行をする人型の悪魔で、下半身は野牛のような毛に覆われた、たくましい脚を持っている。

3本指の手には、大きなこん棒が握られている。

レッサーデーモンよりもパワー特化型の悪魔だろう。


レッサーデーモンが動くたびにサイクロプスも同じように移動するが、他の使い魔たちは何の行動も起こさないようだ。

おそらく他の使い魔たちは、拠点を占拠し宝箱を奪うこと以外には命令されていないのだろう。


レッサーデーモンを倒すには、まずはサイクロプスたちから倒す方が良さそうだ。

ある程度作戦が決まった。


僕は魔眼スキルで現在地より100mほど離れたエリアで、爆発を引き起こした。

咄嗟に振り返るサイクロプスたちやレッサーデーモン。

サイクロプスたちの陣形が、ざわめき始めた。


レッサーデーモンの指示を受け、2匹で現場に向かうサイクロプス達。

僕は気付かれないように、そっとサイクロプスたちの後を追った。


サイクロプスたちは意外と用心深い。

頻繁に後ろを振り返り周囲を確認しながら、僕が起こした爆発地点へと向かう。

道中に怪しいものを発見すると、こん棒で叩き割ってから中身を調べるようだ。

実はサイクロプスたちの足元に何度か落とし穴を仕掛けたが、ことごとく見破られてきたのだ。


爆発実施地点に到達。

サイクロプスたちは怪しいところは無いか、ひとつひとつ鍾乳石の裏を確認したり、爆発地点を掘り返してみたりと入念にチェックしていた。


探している今が、チャンス。

僕は再度、サイクロプスの頭上の天井に魔眼スキル【爆破】を行い、天井の一部を破壊した。

根本から折れた、いくつもの鍾乳石がサイクロプスたちに落下した。


突然振ってきた鍾乳石に、サイクロプスたちは頭を抱えて防ぐしか無かった。

僕はサイクロプスの脚に舌を巻きつけ強く手前に引き、サイクロプスを地面を仰向けにひっくり返した。

倒れたサイクロプスに無数の鍾乳石が降り注ぐ。

胸や脚を貫かれ、サイクロプスの一匹はそのまま動かなくなった。


サイクロプスを倒すため姿を見せた僕に、もう一匹のサイクロプスがこん棒を振りかぶり襲いかかる。

サイクロプスがこん棒を振るたびに、鋭い風切り音が聞こえてきた。

まともに当たれば、大きなダメージを受けるに違いない。

まともに当たればだが。


僕はサイクロプスの攻撃をかわすと同時に、腹部に向かって思い切り体当たりを行った。

【体当たりLv9】は僕の箱【メタルボックス】との相性は抜群。

サイクロプスに当たった瞬間、「グシャッ」という音がダンジョン内に響く。

大量の吐血をしながらサイクロプスは数メートル飛ばされた後、地面に激突。

そのままサイクロプスは動かなくなった。


僕は倒れているサイクロプスに近づき、大きな口を開ける。


ここは確実に倒しておく方がいい。

意識を失っているサイクロプスを、僕は一口で平らげた。


鍾乳石が突き刺さったサイクロプスは、意識はまだあるようだ。

失血死してもおかしくないぐらいの血を流しながら、鍾乳石を引き抜こうとしていた。

しかし、やつが鍾乳石を引き抜くよりも早く、僕はサイクロプスに近寄った。

サイクロプスも今から何をされるかを、理解していたのだろう。

食べられる直前まで大きな一つ目で、しっかりと僕を見据えていた。


「朝起きるとミミックになっていた~捕食するためには戦略が必要なんです~」を読んでいただきありがとうございます!


どんな評価でも構いません。少しでも気になると思っていただければどんな評価でも結構ですので★にチェックをお願いします。


もちろん厳しいご意見も随時受け付けております!


皆さまの応援が力となりますので、ぜひとも応援をよろしくお願いします!

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