表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/121

第15話 移動スキル

早速手に入れたスキル【這う】を鑑定Lv4で調べてみた。


【這う】

恒常スキルの1つ。ゆっくりと這いながら進むことが出来る。


やっぱり、ずっと待ち続けていた移動スキルだ!これでSPを気にせず自由に動き回れることが出来る。

ダンジョンの最下層に行くための大きな一歩となるスキルを手に入れたのだ。


さっそく「這うLv1」を使ってみる。


ズズズッ、ズズッ


カタツムリが進むようなゆっくりとしたスピードだが、確実に前に進むことが出来る。

使っているうちにスキルLvが上がりスピードが出るだろう。

通常移動時にはこのスキルを使用するようにしよう。


これでようやくこの場所を離れられる。

僕は今までいた場所を離れ、2階層を目指して進み始めた。


・・・


一体どのくらい進んだのだろう?


行けども行けども同じような風景が続き、2階層へ行くための手がかりすら見つからない。

それに今僕がどこにいるのかさえ分からない。

やはりダンジョンを攻略するにはマップが必要だ。

途中で何度も敵に襲われたが、ことごとく撃退してきた。

いつの間にか【這う】がLv3に、【視覚】【聴覚】ともLv4となっていた。

その他のスキルも全体的にLvが上がっていた。


「〇‰※≫」

どこからか、女の子の悲鳴のような声が聞こえる。

目を凝らして見てみると、100mほど先で武器を持った小鬼風のモンスターに襲われている女の子?がいるようだ。


何かを叫んでいるようだが、僕には彼女が何を言っているのか理解することは出来なかった。

ゆっくりと近づいていくと、3匹の人型のモンスターに壁際まで追い詰められた女の子の姿。

頭に猫の耳のようなものが生えている。


(おおっ、獣耳!)

以前チュートリアルに、この世界のことを教えてもらった時に出てきた獣人族だろう。

傷つきところどころ穴の空いた軽そうな鎧をまとっており、肩から血が流れている。

彼女の周りには同じ獣人族の男女が倒れているようだ。


彼女を襲っているモンスターについて鑑定スキルで調べてみた。



【ゴブリン】

小鬼族の一種。人間の子供並の知能を持ち、群れを組んで自分より弱いものを狙い襲いかかる。小鬼族の中では最弱。



Lv 5

HP(体力):100

MP(魔力):20

SPスキルポイント:60

筋力:50

耐久:20

知力:200

器用:500

俊敏:600

運:50


スキル:振り下ろすLv2 ねらい打つLv1 逃げ足


他のゴブリンもレベルに差はあるも能力自体はあまり変わらない。


このまま先を進んでもいいのだが、見てほっておくのは後味も良くない。

助けよう。


女の子に襲いかかろうとするゴブリンに、「とらばさみLv2」を使用。


ギェェ!

足元に突然現れた罠が、ゴブリンの足を強く挟みこむ。

罠を外そうと、必死になるゴブリン。

僕に気づいた他のゴブリン2匹が僕に襲い掛かってきた。


「体当たりLv4」


一匹のゴブリンに強烈な体当たりが腹部に炸裂!


ギゲェェッ・・・!


口から緑色の液体を吐きながら、ゴブリンは壁に激しく打ち付けられそのまま動かなくなった。


早くスキルを獲得したい。早く奴らを食べたい。

僕は彼女を助けるという目的を完全に忘れてしまっていた。

すでにゴブリンは餌にしか見えない。

僕は完全に自分自身を見失っていた。


戦意を失ったのであろうか、僕に恐れをなしたのだろうか。


もう一匹のゴブリンは僕に襲いかかろうとせずそのまま立ち去ってしまった。


僕はとらばさみを外そうと必死の形相で暴れるもう一匹のゴブリンの傍に寄り、後頭部に「毒針Lv4」を使用した。


苦しみながら倒れるゴブリン。そのまま動きを完全に停止した。


戦いに集中してしまい、当初の目的を忘れてしまった僕はその場でゴブリンを捕食。

(あっ、うまい)

ゴブリンは今まで食べたどのモンスターよりも、美味しかった。

あっさりとしてしつこくなく、モンスター特有の臭さもなかった。

久しぶりの美味しい食事に、僕は夢中でゴブリンを食べた。

ゴブリンを満喫してた僕だったが、とっさに彼女の存在を思い出した。


そうだ、僕は女の子を助けに来たんだ。

女の子の方を振り返ると、怯えきった表情をしている。

そりゃそうだ。目の前で自分を襲っていたゴブリンが食べられたのだ。


自分も食べられると感じたに違いない。

青ざめた表情の彼女は、僕の姿を確認しながらじりじりを後ずさりをしていた。

そして彼女は倒れている仲間を置いて、その場を急いで逃げ出してしまったのだ。


あっ、逃げてしまったのね。

僕は目で彼女を追いながらも食事を継続。


「スキル【逃げるLv1】を獲得しました」


ゴブリンを捕食後、新たなスキルを覚えた。これも使えそうなスキルだ。

さらに僕は、ゴブリンが持っていた弓も箱の中に取り込んだ。


「限定スキル【弓Lv1】を獲得しました」


鑑定Lv4 で調べてみると、箱から弓矢を飛ばすことが出来るようになるとのこと。

段々とバージョンアップされていく僕の箱。

一体どこまでいくのだろう。


続いて体当たりをした方のゴブリンも捕食。


「スキル【狙い撃つLv1】を獲得しました」


ここでも新たなスキルを獲得。さらに、頭の中の声は休むことなく続けます。


「100匹食べることに成功しました。【モンスターイーター】の称号を獲得しました」


えっ、称号?


「モンスターイーターの称号の獲得により、食べるがLv4→Lv8に上がりました」

「モンスターイーターの称号の獲得により、スキル【早食いLv1】を獲得しました」

「モンスターイーターの称号の獲得により、毒耐性Lv3→Lv6に上がりました」

「モンスターイーターの称号の獲得により、アイテム牙を獲得しました。箱に装備されます」


通算で100匹を食べた僕は、称号を与えられるまでになってしまった。

どうやら称号を獲得するたびに、その称号に応じたステータスアップ、スキルの獲得、アイテム等が得られるようだ。


「あなたのレベルが上がりました」



【ステータス】

名前:光

種族:ミミック

クラス:見習い

称号:モンスターイーター

Lv:5→6

HP(体力):250→400

MP(魔力):400→600

SPスキルポイント:500→750

筋力:50→100

耐久:100→200

知力:150→300

器用:60→100

俊敏:20→50

運:4000→8000


【スキル】

食べるLv8、早食いLv1、舌Lv3、溶解Lv4、方向転換Lv4、視覚Lv4、聴覚Lv4、味覚Lv2、毒針Lv4 、鑑定Lv4、毒耐性Lv6、溶解耐性Lv2、擬態Lv3 体当たりLv4、狙い打つLv1、逃げるLv1、這うLv3



限定スキル

とらばさみLv2、弓Lv1


アバターポイント:2540P


いつの間にかアバターポイントが随分と増えている。

確かゴブリンと戦う前は500Pほどだった。


そういやチュートリアルで、「ドレッシーな敵を倒せばアバターポイントが加算される」って言ってたっけ。

人型で装備もしていたゴブリンだったから、アバターポイントが加算されたのかもしれない。


ゴブリンでこれほど能力やアバターポイントが得られたのだから、もっとドレッシーな相手を倒せばどうなるんだろう?


例えば人間とか…。


危険な考えが僕の頭の中で浮かんだ。

今瀕死の状態で倒れている獣人族がいたっけ?


「朝起きるとミミックになっていた~捕食するためには戦略が必要なんです~」を読んでいただきありがとうございます!


どんな評価でも構いません。少しでも気になると思っていただければどんな評価でも結構ですので★にチェックをお願いします。


もちろん厳しいご意見も随時受け付けております!


皆さまの応援が力となりますので、ぜひとも応援をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ