褒美を授かる二十一日目
剣が光輝いた。
「!」
思わずオダケンは目を瞑ってしまう。
剣はみるみる内に姿を変えた。通常の錆びた剣より一回り大きな剣。
純白に輝く刃先。刃は羽のようになっている。
白い羽の特別な鳥から落ちた一枚の羽のような剣だ。
束には燕の絵が装飾されている。
惜しいことにオダケンは目を瞑っているので剣が見えていない。
剣から放たれた真っ白な光の筋。光の筋は虚空を走る。
ズッバァアン!
氷結のペガサスを貫いた。ペガサスは次の瞬間、真っ二つに裂けた。
頭から足にかけて切れた。
ペガサスの身体は氷そのものであり割れた断面さえも
氷をカッターで切ったような雰囲気であった。
ペガサスは氷の破片となって崩れ去ってゆく。
吹雪はゆっくり止んでゆき空は静かに晴れてゆく。
錆びた剣は錆びた剣に戻ってしまった。
「!」
彼は目を開けた。エネミーの撃破を確認する。
「やったぁああ!!とうとう初心者様のための一番最初のボスを攻略したぞ!!っしゃぁあああ!」
初心者様の為のというのは
誤報である。彼はLV1000のペガサスを倒した。
これは偉業である。
「ごっ褒美!ごっ褒美!」
嬉しそうに手を叩く。
ペガサスが崩れ去った空からキラリと光る何かがでてきた。
「お。」
その光は輝きを発しながら彼の元へと落ちてくる。
「おおお!」
その光を彼は両手を目一杯開いて受け取った。
「うわぁっこれは。」
ごくんと唾を飲み混む。
光が静かに止むとアイテムが姿を現した。
「やったぁ服だー!!」
オダケンよ。これは服ではない。正確に説明する。
アイテム詳細名を『金色空の守護鎧』
鎧の全体色は金色だ。
空色の模様が芸術的に入っている。
胸のあたりに空色の燕の姿の装飾も見える。
ちなみにどうやら下着もセットのようだ。
スキルは…ない!
「ああ!パンツッ
シャツッ!ありがとうー!」
スキルなど問題なく彼は服が着れたことに喜んでいた。
ちなみにマントも拾いものなので
魔法力やなんやらかんやらがまったく付与されていない。普通のマントである。
早速着替えたオダケン。
マントと鎧。錆びた剣は
相変わらずだ。
ただ本人は満足感に溢れている。
「らしい格好になったぞ!」




