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剣は唸る十九日目

しかもその地面は氷でツルツルしていて急勾配である。

「あっ!」

彼は氷を滑り落ちた。

滑り台と同じで落ちる速度が自然に速くなった。よりにもよってスピードがついた頃に氷の急勾配が途切れた。

「ひゃぁ!」

滑り落ちた先は空。

彼は勢いで空中に投げ出されてしまったのだ。


「手綱のないバンジージャンプだな!エキサイティング!」

空を舞う彼。

なぜだが少し微笑ましい。

すると見つけた。自分が見える真下のものを、

「あれは」

飛ばされた先はちょうどペガサスの背中の真上だった。彼は空中で剣を構える。

「こ、これは運が良いぞ!いくぞ。『風の剣』」

剣を真横に振り切る。

スパァン風の刃が命中したのはペガサスの左翼。

「当たったぁ!」


翼のはえている根本から羽先にかけて切れた。翼の一本を切られたのでそれと同時にペガサスは重心を崩した。

「ヒィィイ!」

ペガサスの悲鳴。

氷が砕ける音がした。翼が折れたのだ。

ペガサスは氷の地面に落ちる。



「うわっうわわっ」

彼は空中だったのでそのまま下へと真っ逆さまに落ちた。

「負けるもんかっ『跳躍の剣』」

技を使った。空中で砕けた氷の欠片が落ちてゆく。それを彼は器用に飛んでゆく。


そんな中、ペガサスがすっくと起き上がり顔をこちらに向けた。

それは口を開けた。

口元で何かが光る。青い光だ。勢い良く彼をめがけて飛んできた。

「!」

青白い閃光。

鋭く冷たい光線のように辺りを引き裂く。周囲にある

全ての氷を壊してゆく。

彼もまた砕けた氷と共に落ちた。


辺りは衝撃で上がった雪の粉がゆらりと舞う。

オダケンのいた場所は

大きな地面が崖崩れしたようになっていた。


「いててっゲームなのに痛みがある…すげぇな…」


彼は起き上がろうとした。


その瞬間に

ペガサスは翼を折った小さな相手に対して前足を上げる。天へと向けて

地へと落とす。



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