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翼の馬と十七日目
彼は荒れる雪の空に見覚えのある影を見た。
「…!」
大きな透明感のある翼と
ガラスのように美しい身体。
一番最初に彼を凍りづけにした。
「凍らせるペガサス。よし、来るならこい!再戦しよう!」
と、彼は吹雪で少しバランスを崩しつつも剣を前方に構える。
地面にいる錆びた剣を持った彼など、氷のペガサスの目には映っていないだろう。
そいつは羽をひとつはためかせた。すると一直線に何処かへと飛んで行ってしまう。
「んなっ!待てよ!!おいっまってぇ!!」
彼はペガサスを追いかける。
「!」
ペガサスが行ってしまう方向、目の前に隔たるのは
凍りついた岩。彼が自力では登れそうにない大きさだ。
「なんのこれしき!」
彼は剣を降った。
すると…