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雪振る砂浜十三日目
流れ着いたその場所は…
「ここは!」
彼は氷から降りたった。振り向くと先は海。ここは地面があるようだ。
彼は思わず両手を空に挙げた。声をあげる。
「初めての陸だー!!」
喜びに溢れている。
ここは海と地上の境目だ。
海には大小、様々な氷が浮いている。
遠くに山が見えるがそこも雪が白く覆い尽くしている。
降りたった場所、ここはおそらく浜だろう。
ただ、白い雪が津々と空から降っていて砂浜も白一色だ。
「足元も真っ白だ…新雪かな?」
歩くごとに自分の足跡が残る。じわりと雪の冷たさを感じる。
「冷たいけど…さっぶいけど俺が初めて足跡を作ったぞー!!新天地を見つけたぞー!」
彼にとっては誰かが先に足を踏み入れていたとしても新天地なのだろう。
すると、