錆色の涙
掲載日:2019/09/25
錆びた涙が白い車体を染めていく。
憧れは後悔の街のなか。
憧れに近づくために、嘘をついてまでしがみついた。
白かった身体。
腐蝕した骨格を諦めるため、生まれたての住宅地に埋めていく。
踏み締める大地も、黙認された廃棄場。
白く輝く体。
伝い落ちる錆色の雨が、目に見えぬ傷をさらけ出す。
隠しきれない裂け目の奥に、背伸びした頃の思い出が見える。
ぬかるんだ道で押して引き揚げ、剥げ落ちたプラスチック片を拾い集めたら、見殺しにした思春期の夜を組み立て直す。
憧れを追いかけて。
光を伸ばすような白い体。
今は焦げ落ちた熱狂の後。
乾きひび割れた地に、誰にも言えない傷を見た。




