青い火は混ざる
目を覚ますと、目の前に女の人が立っていた。
僕が目を覚ましたことに気づいて、顔を近づけてきた。
「起きた?名前聞いてもいい?」
「え、あ、ああ…僕は青柳蓮です。それよりここがどこだか聞いてもいいですか?」
目を見開いて納得したように
「そうだったスマンスマン。ここはダンジョンの中に私が立てた家だね。王様が嫌いでね、でも執着強いからここで逃げてたわけ。
それにしてもアオヤギなんて名前初めて聞いたよ。変わってるね、この辺じゃないでしょ。」
「え、ええ。というより蓮が名前です。地球というとこから連れてこられました。」
「連れてこられたってことは、召喚…やりやがったのか。はあー、で君は?どうしてここに?」
あの時のことを思い出す。
殺意が体から吹き出るようだ。
すると、体から青白い炎が出てきた。
「ちょ、ちょっと待って!君!危ないからしまって!」
「え、あーすいません。」
なんとか抑えることはできた。扱うのは難しそうだ。
そしてあの時のこと、しいてはここに、この世界に来る前のことを話した。
「そうだね、その友達に関しては気にしなくてもいいよ。」
その言葉に殺意が湧いた。炎が凄い勢いで立ち込める。
「あ、あーちょっと言い方が悪かった。ごめん。
えーっとね、その友達だけどね名前わかる?」
名前……あれ?待ってよ、唯一の僕の友達のはずだ…思い出せないわけが…。
「わからないよね。王の悪趣味でさ、1人事前に召喚する人から選んで何かしらの絶望を与える。
幻覚やらを使ってね。一人くらい、たくさん召喚すれば使えなくなっても困らないからね。
その様子を見て楽しむのが王の趣味さ。」
僕は胸に潜む青い炎と初めてわかり合った気がした。
これは憤怒の炎だ。