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この炎は魔王へと続く  作者: 有機だし
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青い火が灯る

これから連載して行きたいと思ってるので、よかったら読んでください。拙い文章ですので、ご指摘、ご意見、ご感想ありましたらぜひ頂けるとうれしいです。

僕は普通の高校生だ。

何の変哲も無い。いたって普通の高校生。

入学したては少し高揚していた。けど、僕の生活が変わることはなく、普通の並の僕のままだ。


高校での初めての友達と同じ部に入った。彼と入ったのは写真部だ。単に楽そうな部活という理由で入った。彼とは同じクラスで大体いつも話していた。


スクールカースト、それでいうところの三軍。陰キャラと呼ばれる存在で、からかわれるという僕から見ればいじめのようなものに怯えながら過ごしていた。



彼は自殺した。



全く気づかなかった。僕は、唯一の友達の事すらも自分のことでわかっていなかったみたいだ。


その事に、自分にひどく嫌気がさした。


彼の死を知った日の翌週の学校。少し、重かった空気が緩和され始めた頃、いや一軍と呼ばれる意識ない殺人者達が彼を忘れ始めた頃、その光はやってきた。




「よく来た、異界の者よ。いや、勇者様方。我々、ルニア王国をお救いください。」


僕も、その時だけは彼を忘れてしまった。いやその時からだろう…忘れたのは。


周りが騒がしい。それはそうだろう。急に見ず知らずの場所だ。ざわつくのも無理はない。けど、ぼくは少しわくわくしていた。

僕は陰キャラというだけでなく、オタクでもあったため、そういう展開には憧れを抱いていた。

こういった世界で、チート能力を持って…みたいなのだ。



けど、今まで普通だった者がそんな展開に巻き込まれるわけはない。


勇者は一軍であった光邦みつくにかけるだった。これは顔もよくクラスでもモテていた。いや学年問わず、学校でモテていた。


勇者になりそうなやつで、勇者で、ため息がでた。


『ステータス』、僕がゲームで知っているような者がそこにもあるらしく、僕のステータスはこうだった。


アオヤギ レン lv.1


HP 50/50

MP 60/60

ATK 11

DEF 10

MAT 10

MDE 9

AGI 10


【SKILL】

火炎 lv.1


こんな感じだ。見るからに弱い。

勇者の、光邦のを見せてもらったとき、同じレベルでも明らかな差がある。



ミツクニ カケル lv.1


HP 90/90

MP 80/80

ATK 45

DEF 40

MAT 50

MDE 40

AGI 50


【SKILL】

光の矢 lv.1

魔法壁 lv.1

光属性強化 lv.1

翔段 lv.1


明らかにステータスとスキルの数が違う。僕は他の人よりも低く、なおかつ脳力の低い人は大体がサポート系統だったため、弱い上に戦闘でしか使えないという役立たずの僕は周りでもどうするか議論のタネになった。


最初は皆、嫌がる様子を見せたが、光邦が声をかけたことと、ルニア王国の王様という人が必死だったということ、また帰る方法がわからないという理由から彼らも渋々ではあったが、勇者の一行として活動を始めた。



初めてのダンジョンに行くことととなった。

ぼくは弱いが、『火炎』は灯くらいには使えるだろうとダンジョンに行くこととなった。


少なからずワクワクしていたのはいうまでもなく、油断をしていたというのも本当だ。


運が悪かった。


明らかに自分たちに合わないモンスターが現れた。


ほぼ壊滅。残ったのは使えないからと最後尾にいた僕と勇者の光邦。


光邦も勇者だが学生である。怖かったのだろう。泣きそうだった。


最悪のタイミングで彼を思い出した。


殺してやりたい。見捨ててやろう。見殺しだ。


そんな思いが頭をめぐる。しかし、できなかった。

彼が止めるような気がした。だから手を伸ばした。


「一緒に逃げよう。」


光邦は驚いたような顔を少し見せ、何か思いついたように手を掴んで来た。


「ああ、俺は逃げる。」


掴まれた手によって光邦によって、化け物の方へ投げられた。

自分をここまでバカだと思ったことはなかった。


黒い憎悪が湧く。

なんでこうなる。

僕が悪いのか。

いや、違うだろう。アイツだ。

壊してやる。殺してやる。燃やしてやる。


「グオオオオオオオオォォォオ」


化け物が暗闇からやっと姿を見せた。

ミノタウルスのようだが、その時の暗さと恐怖と光邦への憎悪から奴が悪魔に見えた。


体に衝撃が走る。

バキバキと骨が折れ、ブチブチと肉の裂ける音が聞こえた。


朦朧とする意識の中、悪魔の姿を目に焼き付け最期の力を振り絞る。



その時、赤い炎が青く見えた。



意識はここで終わる。

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