時間少女
気がつくと無くなっていたものがそこにあった。
だけど、なぜ無くなったのかは覚えていない。
使ったはずのものが戻ってきていた。
だけど、使った覚えは一切ないのだ。
私の時は動いていない。
私は、永遠を繰り返す。
130円の自動販売機
最近、増税されたおかげで自動販売機の飲み物が高くなっていた。
前までのお手頃感はまるでなく、今やスーパーに買いに行くほどであった。
それでも数を増やし続ける自動販売機の生命力はすごいと思う。
高校三年生の私には、部活動最後の大会が迫っていた。
当然部活動は前よりずっとハードになり、学校側でもらえる飲料水だけでは体はもたなかった。
外には自動販売機が一台あるだけで、他に飲み物を売ってくれる場所はなかった。
私は外に出て、仕方なく残り少ないお小遣いをがま口から取り出す。
「えーと、120円っと。」
なにがいいたいのかといいますと、増税で高くなったはずの値段が元通りの値段になった。
少女の時間が戻っているってことです。
たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。