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変態さんはヤンデレがお好き。

俺が変態で有名なのは自覚している。

はっきり言って、わかりやすいんだよな。

まわりから冷たい視線を送られて・・・w

結局のところ、

人間は皆、変態なんだから、別に問題ないんだが。

俺はどうやら特別、変態なようだ。

街を少し歩くだけで、数十人の人が冷たい視線を送ってくる。

・・・・俺は人間じゃないんですか?


『ふわぁ・・・、眠。』

「よっ、変態咲人くんっ!!」

『ちげぇしっ!!』

「いや、実際変態だろ。」

挨拶をしてきたコイツは、桜丘さくらおか ゆう

こんなこと言ってるけど、俺より変態だと思う。

笑わせ屋と男子高校生。

二つの仕事を持った俺。

優はたまに笑わせ屋の手伝いをしてくれるが、

はっきり言うと、使えない。

「大体なぁー、はじめましての人に、笑ってよ。なんて言ったら

 普通に考えて変態だろ!!」

『いや、そうは思わねぇ。』

「は?意味分かんねぇ。」

『笑って欲しいから、笑って欲しいって言って、何が悪いんだ?』

「いやっ、別に悪くないけど・・・」

笑わせ屋は俺だけでいいんじゃないか。

最近はそう思っている。

手伝ってくれるのは嬉しいが、邪魔になることが多い。

誰か一人が不幸になって、2人以上の人が幸せになるなら、

俺はそれでいいんじゃないかと思う。

誰かが幸せでいてくれればそれでいいと・・・

「お人好しもいいところだな。w」

『うっせっ。誰がお人好しだっ!!』

「おまえ。」

・・・・・。

優に急に指差されたものだから、

俺は少しだけビクッとした。

「お前がやってることはお人好しすぎるんだよ。

 俺が思うに、それが激しすぎるから、みんなに変態だって言われんだよ。」

『・・・。』

優の言ったことばに唖然とする。

確かにそうだ。

度が過ぎるから馬鹿にされる。

昔からそうだ。

そうやって・・・・、何もかもを失ってきた。


『おかぁさんっ!!みてみて!!おかあさんかいたのっ』

「あらっ?さきとー、上手にかけたねー。」

『おかあさんにあげるぅっ!!』

「ありがとぉ。」

そんな、日々が幸せだった。

ただ・・・、だた、そばにいて笑ってて欲しかった。

何日も何日も絵を書いてあげたり、花を摘んであげたり。

母にはたくさん笑って欲しかったんだ。

小さな頃の話だからそこまで覚えていなかったのだが・・・

ある日を境に、俺に対する母の態度は急激に変わった。

『おかあさん?』

いつも通り、母に花を摘んであげようと、

小さなスミレをつんで、家に帰ったんだ。

けれど・・・・・、

「うるさいわね。なんなのよっ!!私は花なんて好きじゃない!!

 突き放してはちかづいてきて!!鬱陶しいのよ!!」

『おかっ・・・あさん・・・。』

目の前で踏みねじられたスミレの花と俺の心。

ただ・・・、ただ笑ってて欲しかった。

ニコッと笑う、母の笑顔が大好きだった・・・。


「咲人?」

『ん?あぁ、すまねぇ、昔のこと思い出してた。』

「母親のことか?」

『あぁ・・・、』

「・・・あんま無理すんなよ。顔色悪いぜ。

 嫌なことは思い出さなくていいんだよ。馬鹿だなw」

『あぁ、ありがとな。優。』

そう言ってフッと笑った。

・・・優の笑顔は好きだ。

普段はイケてる顔なのに、笑うと可愛い顔になる。

そんなところにキュンとする。

だが、恋愛感情はない。

「今日の昼飯、どうすっかぁー。」

『あ、俺、学食だ♫』

「えっ、まじかー!!俺も!!俺もー!!」

『言っとくけど、奢らねぇからな?』

「チッ」

小さな舌打ちが聞こえた。

ギャーギャーとやたら騒がしい食堂。

今日のおすすめはB定食か・・・。

『おばちゃん、Bて「B定食!!ちょうだいっ!!」』

「あいよー。で。変態咲人くんは何を頼むの?」

ブチッ。

って言うか・・・。

俺、頼んでる途中だったんですけどー!?

誰だよ!!後ろからのフライングっ!!

ぐるりと振り返った瞬間、目の前にいたのは、

昨日の無表情少女だった。

『おぃ・・・。順番守れよ!!』

「えぇぇえええ!?変態さん、なんでここにいるんですか!?

 ただのニートじゃないんですか!?」

『だから、その変態ってあだ名やめろっ!!』

「まぁまぁ、で。何にするんだい?」

『B定食!!』

食堂のおばちゃんに、聞かれたことははっきり答えたが・・・、

こいつ・・・・、

俺より頼んだのが早いってことは、

食べられるのも、俺より早いってことだよな?

って言うか・・・、

昨日のふたりがいないな・・・。

『お前。昨日のふたりは?』

「やめました。」

『は?』

答えになってないんですけど。

いやいや、俺は、2人はどうしたんだってきいてるだけで、

えっ?えっ!?えええええええ!?

「あの二人とは、全然違っているんです。」

『あぁ、まぁな。』

「だから、友達をやめたんです。」

『ふぅーん。それで今、一人ってことか・・・。』

「べっ、別に寂しくないですから。」

心の中で寂しいんだろ?って突っ込みながらも苦笑。

いや・・・。今更、ツンデレとか、意味わかんないんですけど。

何かのゲームですか?

ごめんなさい。

ヤンデレが大好きです。///

「さーきとっ!!」

『おぉ、優!!』

「って、あれ!?。花森はなもり 夕蘭ゆらじゃん。」

花森・・・夕蘭?

あぁ、コイツの名前か。

「はいよー、B定食だよ!!」

「あっ、ありがとー。」

うわっ・・・、やっぱり俺より先にいただきますっ!?

意味分かんねーこの流れ・・・。

後ろからフライングとかありなわけ?

そんなこと言ったら毎日しますけど!?

「咲人くんもほら。」

『あぁ、サンキューな。おばちゃん。』

「なぁーに言ってんのー。おねぇさんでしょ!!」

・・・うっせぇ、くそばばぁ。

席に着き、優と2人だけで花森について話した。

それはとても悲しいお話・・・?でもなかった。

話はずごく簡単。

飽きっぽいから友達ができない。

そんな話。

あぁ、わかるかも。

アイツ、飽きっぽいもんなー。

優の一言だけで、花森がどんな性格なのか、

すぐにわかった・・・。

そして心に誓ったんだ。

ぜってぇ、笑わせてやるって。


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