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対決!跳猫拳!!!

自分で書いた奴読み直してどっかで似たような設定見たなって思った。

何かって言うと


→後書き

 女たちに手当を受けた俺は三日ほど経つと、傷もだいぶ癒え歩けるようになったので、隙を見て館を飛び出し、中世ヨーロッパのような街並みをトコトコと歩いていた。



 「あれから四日…ブラックタイガーめどこに消えたのだ?」


 そうやって黒虎一味を求め、街中を探す俺の姿はさすがに目立つのか。

 俺を見て『ネコちゃんだ―』と叫びながら子供たちが寄ってくると、頭を撫でては気持ちよさそうに笑って行ったりする。


 どうやら異世界でも俺の姿を見て人は笑ってくれるらしい。


 人を癒すために存在すると言っても過言ではないイエネコ冥利に尽きるひと時だ。


 俺もつい嬉しくてゴロゴロと無意識的に喉を鳴らしてやると、エサの催促とでも思ったのか、少女が家から干し肉を持って来て、その場で裂いて俺に食べさせてくれた。



 地球のキャットフードとは違う無味乾燥な味わいだが、指先に水仕事のあかぎれをもつ少女の姿を見る限り、それでも大切な食糧ではないのだろうか。そう思うと、ありがたさが骨身にしみる。


 俺の食べる姿を嬉しそうに見つめて『ネコちゃんまたね』といって途中だった水汲みに去って行った少女。


 その姿をほほえましく眺めていた俺だが、ふと気づくと、少女が出てきた家に黒い服を着た見慣れた影が多数侵入していくのが見えた。



 まさかと思い、少女の家の窓(木の戸板をつっかえ棒で開け閉めするタイプ)によじ登る俺。果たして中では、ブラックタイガーの戦闘猫が台所の食材を持ってきた袋に詰め込むところだった!!



 あのような少女があかぎれを作るほど働かなければいけないほどの赤貧の家庭だというのに、そこの家から盗みをするとは許せん!!!!



 「変身!獅子拳ジャー!!」


 ―フェリス・チェンジ!mode…カトゥース!!!―


 俺の叫びと共に、辺りに緑色の光が満ちる。

 そして光が引いた後、窓の上には全身を白い洗練されたアメショ模様の衝撃アーマーに包まれた覆面ヒーロー猫が立っていた。




  ♪♪♪♪♪♪

  説明しよう!

  『小床木バン』は正義の変身ネコヒーロー!

  猫野目博士の開発した戦闘AI『マリーヌ』と共に

  人に仇なすブラックタイガーを倒すべく現れた正義の戦士!

  バンの正義の怒りが頂点に達した時!

  マリーヌはその怒りエネルギーを衝撃アーマーに変えて

  バンを覆面ヒーローにするとこができるのだ!!!

  ♪♪♪♪♪

 



 「とうっ!!!」


 窓から家の中に飛び降りた俺は、行きがけの駄賃に近くの黒服戦闘猫にとび蹴りをかましながら地上に降り立った。


 「ニャー!ニャー!ニャー!」


 俺の姿を発見し、警戒音を発する黒服戦闘猫たち。


 数は8匹と言ったところか。


 「貴様らの悪事しかと見た!人の好意を猫跨ぎにするその行為、断じて許さんぞ!」


 叫びながら、近くに居た戦闘猫をネコパンチで入口まで吹っ飛ばす俺。そのまま家の外に戦闘猫を引き連れて野外戦に持ち込む。


 「とうっ!たあっ!」

 「ニャー!ニャー!」


 そのまま俺を取り囲む戦闘猫達だったが、マクシミリアン先生直伝の獅子山拳を極めた俺の敵ではなかった。打撃を腹に貰って蹲る者、顔面に食らって吹っ飛ぶ者。そして腹を見せて降伏を示す者など、2分もしない内に残りは2匹にまで減っていた。



 「残りは貴様らのみだ!!覚悟しろ!」


 『はああっ』と【獅子山拳渦巻の構え】を取る俺。


 その俺の姿に気勢を削がれる戦闘猫達。


 これは戦わずしてもよいかもしれんと俺が思った時、


 立っている俺に太陽の光が急に当たらなくなった。


 ―バン!上です!!―


 俺はマリーヌの声よりも早く反応していた。


  バグォン!!


 横っ飛びにとんだ俺が先ほどまで居た場所に突き刺さるしなやかな脚。


 そして黒い耳に筋肉質の体。


 「お前はエスマイル!!」

 「いかにも!我は6将軍が一、『跳梁将軍エスマイル』である!!」


 エスマイルは特徴的な黒く尖った耳を風になびかせながら、俺を睨みつける。


 「久しいな、『小床木バン』!!前回は『マクシミリアン』にしてやられたが、今回はそうはいかんぞ!」


 「まて!お前は確かに死んだはず!なぜ生きているのだ!?」


 「知れたこと!武人として貴様との決着を付けるために地獄から舞い戻って来たのよ!『変身ッ!C.カラカル!!』」


 エスマイルの叫びと共に、茶色の光がエスマイルを包むと、エスマイルは両後ろ足にとがった黄金のかぎ爪が付き、背にはマントのような薄絹を纏った姿に変身した。


 「再びわが跳猫拳で、お前を借りてきた猫のように動けなくしてやるわ!」


 『バッ』っという音と共に空高く飛び上がるエスマイル。


 そのまま太陽の光の中に姿が隠れ、俺からはその位置が掴めなくなる。


 ―来ます!逃げてくださいバン!―


 マリーヌの指示を受け、とっさに、横に避ける俺。


 しかし、避けそびれたのか、エスマイルの着地の瞬間、『ガリッ』っと左わき腹あたりの衝撃アーマーがエスマイルのカギ爪で削り取られる。


 それにかまわず、とっさに反転し、エスマイルを捕まえようとしたが、近寄る前にエスマイルは再び空高く飛び上がってしまった。


 くそっ。

 奴の跳猫拳の恐ろしさは、極端に軽量化された装備で一撃離脱を繰り返すそのスタイルにある。通常、変身能力を持つ俺達は、その力と不釣り合いなほどの体の脆弱さをカバーする為に衝撃アーマーを全身に着ようとするのが一般的だ。


 しかし、エスマイルはその流れに逆らい、あえて装備を足のカギ爪という攻撃ポイントと空中で着地地点を変更するための背中のエアマントだけに絞っているというレアスタイルなのだ。


 かつて、俺がエスマイルと戦った時、俺は奴の跳猫拳に手も足も出ず、近くの犬小屋の中に逃げ込み身動き一つ出来なかった。そこにやってきたマクシミリアン先生が俺に手本を示すように【獅子山拳・山降ろしの構え】で奴の左前足を負傷させ、弱った奴を吉宗と共に倒したのである。


 そして先生は『跳猫拳の恐ろしさは太陽が天高くある時である』と言っていた。もし奴と夕方でなく、昼に戦っていたら、先生でさえ太陽に隠れるやつを止められるかは運しだいになるとも言っていた…


 もう、マクシミリアン先生はいない…

 そして、あの時、俺と共に戦っていた吉宗もブラックタイガーに殺されてしまった。



 「ははは、どうした『小床木バン』!マクシミリアンがおらぬと惨めなものだなぁぁ!」


 そう言いながら、跳ねては俺のアーマーを削り取り続けるエスマイル。


 「また2匹でまとまって犬小屋に逃げ込んだらどうだ?…あァ、そう言えばあの片目はもう死んだのかぁ!!」


 俺を罵倒しながら、嬉しそうに声を弾ませるエスマイル。

 『あの片目も弱かったなあ』

 『ブラックタイガー様からお前を守って死ぬとは無駄死にだったなぁ』

 などと、吉宗まで罵倒し始めた。


 「無駄死にだと…ふざけるな!」

 怒りに震える俺の動きが鈍る。

 次の瞬間。


  ズガッ…


 「…相変わらず、単純な漢よ…」

 エスマイルは動きが止まった俺の背中にカギ爪を直撃させ、倒れ伏す俺を地面に押し付けるように踏みつけていた。


 「このような弱小ではブラックタイガー様に傷一つつけられんわ…」


 呟くと同時に俺から離れ、地面に降り立ち、再び空高く飛び上がるエスマイル。


 「次の一撃で友に会わせてやろう…」


 奴は天空から天啓を授けるかのように俺に語りかける。


 「吉宗には会うさ…だが黒虎を道連れにしてからだ!」


 俺はボロボロでもう役に立たない衝撃アーマーを解除すると、生身で立ち上がる。


 そして両前足を空高く上げると両後ろ足を前後に開き、【獅子山拳・山降ろしの構え】を取る。


 もし、これが失敗すれば、俺は奴のカギ爪に引き裂かれ、死ぬだろう。


 だが、奴の姿は太陽に隠れて良く見えない。

 マリーヌのセンサーに頼ったとしても、反応が遅れてやられてしまうだろう。


 そう思いながらも、ボロボロの体で構えを取る俺。

 タイミングを読ませないためか、いつもより滞空時間が長いエスマイル。




 ふと、太陽の中から鈍い光が反射しているの気づいた。



 その光が見えた瞬間、俺は両前足を強く握りしめた。

 そして前足に係る確かな感触。

 そのままつかんだモノごと地面に叩きつけるように両前足を振りぬくと、

 茶色い黒耳のネコは頭から勢いよく地面に衝突し、植木鉢が割れるような音をたてて地面に張り付いた。


 「『上手の猫が爪を隠す』と言うが…貴様は謙虚になれなかったようだな!」


 奴の輝くように派手な黄金のカギ爪。

 それが反射する光が太陽の中に隠れた奴の落下を俺に知らせたのだ!





――――――――




 「見事だ…小床木バン…」


 瀕死になったエスマイルは満足したような表情で俺を見ていた。


 「我の跳猫拳を破るとは…貴様こそ真の武人…わが跳猫拳を託すにふさわしい…」


 「エスマイル…お前まさか俺に…」


 「言うな…我はブラックタイガー6将軍…仲間を逃がすためなら死など厭わんよ…」


 そう言われて周りを見渡してみると、倒れていた黒服戦闘猫達はとっくに逃げ去っていた。


 「よいかバン…真の良将とは戦争に勝てる将ではない…兵の犠牲を最も少なくでき、目的を達成することができる者…それが良将なのだ…」


 「エスマイル…」


 彼の言葉に偽りはなかった。

 それは、たとえ捨て駒にされるのが分かっていたとしても、たった一匹で部下を逃がすために先生と俺、吉宗の三匹を相手に戦ったあの時の奴の行動が、最も雄弁に語っていた。



 エスマイルは弱弱しく前足を俺の方に差し出す。


 迷いなくその前足を握る俺。


 その瞬間、エスマイルは息を引き取り、奴の魂は再び俺の中に戻ってきたのであった。



ティウンティウンティウン…





   名前 小床木バン(おとこぎばん)

  【基本職】F.CATUSイエネコ【サブ職業】変身ヒーロー



   腕力  イエネコ 

   体力  イエネコ

   器用さ イエネコ 

   敏捷  イエネコ  

   知力  人並み

   精神  師範代

   愛情  ネコ程度

   魅力  薄めの虎柄・白アメショ

   生命  馬ぐらい

   運   ヒーロー


   スキル

   【獅子山拳・師範】Lv.17

   【魂の伝承者】Lv.2 ↑

     (C. caracal)

   【正義の心】 Lv.10

   【人語】Lv.11


   

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