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上士幌の牧場に来ました


「少し待っていてくれ、部下を呼んでくる。」


水鏡を潜った先は、上士幌の拠点の2階にある一室であった。北欧風の大きな家で、この部屋もいくつかの家具と、ベットが一つある普通の部屋だった。


龍二は机に置かれていたノートパソコンを立ち上げ、坂本から預かったSDカードを挿し込む。


「ふむ。良い仕事ですね。」


そこには、龍二が指定した10カ国の農地とその地方の気象データ。現在動ける50名の名簿と個人情報がまとめられていた。


「現地視察が必要ですか。そうですね、ソルは姿を見えなくする手段はありますか?」


『日中であれば太陽の光を使えるわ。夜は無理ね』


「手を繋いでいれば、私達の隠蔽魔法でなんとかなるんじゃない?」


「そうですね。取り敢えず、水鏡で移動出来るように準備しましょう。」


そこで坂本の部下達が集まったと連絡があり、一階の食堂でミーティングをする事となった。


集まったのは30名程だが、その全員が元ホテルシリウスのメンバーである。

皆、龍二とさくらの無事を喜び、中には涙する者までいた。

そして、二人が結婚したと知らされると大歓声が起こる。

龍二も、慣れない賛辞に戸惑いながらも嬉しそうだ。さくらに至っては、もうデレデレで、顔を真っ赤にしている。


「そして、こちらのレディーがソルちゃんだ。」


ソルは、ちゃん付けされた事に坂本をチラッと睨んだが、取り敢えずこの場は保留にしたようだ。


『ソルです。宜しくお願いします。』


「さて、皆さん。私はこの鏡面界をトカゲから解放したい。どうか力を貸して下さい。」


龍二は皆に向かって深々と頭を下げた。


「宮川、頭を上げてくれ。俺達はずっとトカゲと戦って来た。その思いは皆んな同じさ。なあ、そうだろ!?」


坂本の問い掛けに、皆口々に賛成する。


「皆さん…ありがとう。」


「へへっ、シリウスの再結成だな!」


こうして、龍二達の世界的な自然農法普及プロジェクトが始まったのだった。


−−−−−−−−−−−−−−−


初日の会議はその日の夜遅くまで続き、そのまま宴会へと移っていく。


笑う者も泣く者も、昔を語る者も未来を語る者も、それぞれの心をさらけ出して飲んだ。


そして最後に残ったのは、ベロベロに酔っ払った坂本と、意外と酒に強いソルであった。


「ふぅ~、ソルちゃんは底なしだな!だが飲み比べは勝負じゃねえ、最後まで付き合ってもらうぜ!」


『フフフッ。そんな事言って、もう限界なんじゃない?私はまだまだ飲むわよ?』


「ハハハッ!そうこなくっちゃ!流石俺が惚れた女だぜ!!」


『貴方、ホントに女性の口説き方下手ね。そんなんだからもてないのよ?』


「ハハハッ!違いねぇな!!」


『もう!何にも分かってないのね!飲みなさい!』


ソルは坂本の口にウイスキーのボトルを突っ込んで流し込んだ。


「……ッぷは〜!ソル!愛してるぜ!」


そう言って、そのまま大の字に後ろへ倒れて行った。


ソルは意識を失った坂本の頭をペシペシ叩くと、


『……知ってるわよ。バカね。』


そう呟くと、そのまま坂本に覆いかぶさるようにして眠ってしまうのだった。


次回『坂本さんの鍛錬が始まりました』

お楽しみに!

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