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坂本さんは瞬殺されました

投稿予約が溜まってしまったので、第10話まで毎日更新します!


『…プロポーズかしら?女性を口説くのに決闘なんて、変わった習慣ね。フフッ、でも、嬉しいわよ?』


ソルは坂本に優しく笑い掛け、ゆっくりと近づくと、トンと彼の額を弾いた。


「が!!」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−


数メートル吹っ飛び意識を飛ばしていた坂本を、龍二が叩き起こした。


「気が付きましたか。瞬殺でしたね。綺麗なデコピンでした。」


「うっ!痛てー。」


坂本は真っ赤になった額を押さえて起き上がる。


「気絶させられたのか…そうか、負けたのか」


余りにも自然でゆっくりとしたソルの仕草に、坂本は反射すら出来なかった。


「気が済みましたか?私達からすると、貴方が弱過ぎです。」


「ハハハッ!そうか!負けたのか!良し!」


坂本は立ち上がると、呆れ顔のソルに向き合う。


「ソル、完敗だ。だが、俺は諦めないぜ!」


『はぁ……』


ソルは心底どうでもいい様に、さくらに眼をやる。


「坂本さん!流石だわ!頑張って!!」


キラキラとした眼をして坂本を応援するさくらは、どうやらソルの味方では無いようだ。


「さて、では移動しましょうか。」


龍二はもうこの話には関わりたく無いのだろう。


「今の拠点は何処を使っていますか?」


「上士幌の牧場を使っている。あそこは監視が付きにくいからな。」


「分かりました。」


龍二はスッと手をかざし、上士幌の拠点に繋がる水鏡を出した。


「おいおい、あっさりとやってくれるじゃないか。」


何でも無いように魔法を使う龍二に、坂本は眼を丸くして驚いた。


「坂本さんも鍛錬すれば出来ますよ?」


「おいおい…さくらも出来るのか?」


「フフフッ。少し見せましょうか?」


さくらはそう言うと、フッとその場から掻き消える。


「なに!?」


「坂本さん!ここよ!」


その声は、遥か上空から聞こえてくる。そこには空を自在に飛び回るさくらが居た。


「…………」


坂本はポカーンと口を開けたまま、鳥のように飛び回るさくらを眺めている。


「まぁ、少し落ち着いたら鍛錬しましょう。坂本ならすぐ出来ます。」


「………そうか……」


「さくら、行きますよ!」


「は~い」


『フフフッ、あなた面白いわね。手を出して。』


ソルは少し強引に、呆けている坂本の手を取る。


するとオレンジ色の光がソルから坂本へと流れて行った。


「な!?これは…何だこれは!?」


『フフフッ。おまじないよ。よく見えるでしょう?』


坂本には、ソルから溢れる様にオレンジ色の光が見える。そのまま龍二を見ると、薄く紫色の膜に覆われているように見えた。空から降りてきたさくらは、波打つような青い光を纏っている。


「これは…シロさんがくれた繋がりの様なものが見えてるのか!?」


『これで鍛錬がしやすくなるわ。ほら、』


ソルは分かり易く手の平に光を集めて、そこに炎の蝶々を創り出して見せた。


「なんてこった…」


「もう!置いていくわよ!」


見ると、龍二とさくらは水鏡を潜って行くところだ。


『行いましょう?』


「あ、ああ…」


坂本は自分の強さには自信があった。人生を掛けて鍛錬して来たと自負している。

ソル達が強いとは思っていたが、これ程とは思っていなかった。それは坂本が計り切れない程に実力差があるという事だ。


「なんてこった。…俺もまだまだ強くなれるって事じゃねえか!」


その野獣の様な笑顔は、まるで恵みの大地のユーパロ村の男達を思わせる。

坂本は皆を追いかけて、水鏡に飛び込んで行くのだった。


次回『上士幌の牧場に来ました』

第10話まで毎日更新します!お楽しみに!

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