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プロローグ

「限りなく人間に近い僕達」の外伝です。鏡面界へと戻って来たさくらちゃんのお話しになります。


北海道の山奥。見渡す限りの原生林が広がっている。

真夏の北海道は特に日差しが強く、澄んだ空気のせいなのか、高い標高のせいなのか、太陽も手が届きそうな程に近くに感じられた。

その山の麓に、熊の巣のような横穴が口を開いている。そんな所に、まるで遭難者の様なボロボロの服を纏った三人組が、疲れ果てた様子で座り込んでいた。


「やっと戻って来たわね。この回廊を抜けるのに、こんなにも掛かるなんて聞いていなかったわよ?」


宮川さくらは、夫の龍二にもたれ掛かりながらため息混じりにこぼす。


さくら達が恵みの大地を立ってから、既に数カ月が過ぎていた。


「お館様が我々の為に造られたのだから、不満など口にするものでは無いよ。」


『私は結構楽しめたわ。それに、ここは私にとっては異世界ですもの。體を慣らすのにはちょうど良かったわ。』


彼女は宮川夫婦と共にこの世界に渡ってきたソルだ。


彼女は異世界で長い長い間封印されていた所を助けられた。

かなり弱体化して今は見る影も無く見すぼらしいが、何と太陽の力を持った女神である。


「この世界でも、恵みの神様の繋がりは感じられるわね。」


さくらは右の手のひらを上に向けると、そこに小さな水の玉を作り出した。


『さくらも霊性が少し下がってしまったわね。10分の1位かしらね。』


「トカゲ相手にそれだけあれば十分ですよ。」


龍二もふわっと宙に浮いている。


「飛行魔法も使える様ですしね。」


「そうね。いよいよだわ。」


「この先に山小屋があるんです。そこ迄もう一息頑張りましょう。」


人と自然が調和した『恵みの大地』から結びの回廊を通って、この鏡面界へと戻って来たさくらと龍二。そして、トカゲから世界を救いたい元女神。


今ここから、三人の冒険は始まるのだった。



毎週土曜日に更新して行きますので、宜しくお願いします!

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