黒歴史、今再び
一人暮らしも大変だ。
全部自分でやらなくてはならない。
ゴミを出す日は決まっているし料理も自分で作らなくてはならない。
その為自炊したこと無い僕にとっては一人暮らしは中々のハードプレイで最初の内は三食カップ麺がざらだったがそんなことをしていたら当然栄養失調、倒れて病院に一週間軟禁生活にあい、そこから親に土下座して料理を教えて貰ったのは良い思いでだ。
まぁ、なんで急に一人暮らしを初めたかといえば中学三年生も終わり世はまさに受験シーズン。
簡潔にいえば集中出来る空間が欲しかったからだ。
何かとアニメを教えてくる父。
何かと新作ゲームを進めてくる母。
正直いって誘惑が激しい。
気付いたら1日が終わってて何にも勉強が手につかないのだ。
本当に僕の両親はすぐに甘やかすからあんなことをしでかす子供が出来てしまうんだ…
まぁそれは置いといて、そんなこんなで志望校に受かったのは良いが、何せ最低限のものしか置いてなかったので家から色々持って来ないといけない。
高校から割りと本気で一人暮らしを始めるため、最低限の物では生活出来ないだろうから少しずつ色々買わないといけないんだけど、それは一旦置いと置くとして。
本題は持っていく物を整理しないといけないということだ。
ようするに引っ越しの作業をする。
それだけだ。
これはいらない…これもいらない…これはいる!ーーとかれこれ一時間、棚の奥に手を伸ばしたら厳重に保管された怪しげが箱を見つけた。
「なんだこれ?とりあえず中身みて判断しよ……いっ!…なんだろう?急に頭が…」
開けようとすると頭に頭痛が走り思わず矢羽は座り込んでしまった
それはまるでそれ以上進むなという脳の警報のようなものであったが、矢羽は実は相当なバカだった。
「まぁいいか、とりあえず開けよう」
それがパンドラの箱であると気付かずにドンドン開けられていく箱。
しかし、その箱のセキュリティには執念のような物を感じるほど頑丈で何重にもある南京錠やテープでグルグル巻きにされた舗装。その他数々の罠を張り巡らせたそれは他の人が外そう物なら下手すれば重症になりかねないレベルのセキュリティを誇ってはいたが、製作者の前ではそのセキュリティも意味無しといったぐわいに着実に開けられていき、遂に鍵を差し込む所まで来た
(因みに矢羽がパンドラの箱を忘れているのは受験シーズンの膨大な勉強時間に脳を破壊された+忘れるように【おまじない】をしたからである)
カチャと開いた箱。
「おっ、開いた」
もはや止める者は何処にもいない。
これには過去の矢羽も親指を噛みながらこの後に続く惨状を見届けるしかないだろう
「えっと何々?題名…【鬲疲ウ戊ゥ?蜚ア繝弱?繝】……あれこれ何処かで見覚えが…」
突如矢羽に流れ込む黒歴史の数々。
曇りが晴れ光すら差したその記憶に矢羽は気を失ったのであった。