プロローグ
中二病、それは中学2年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動」を自虐する語。転じて、思春期にありがちな自己愛に満ちた空想や嗜好などを揶揄したネットスラング(ウィキペデア参照)
大体の人は過去になると悶絶確定の黒歴史となるだろう。
しかし、世の中には小さな頃からオタク気味の両親に英才教育を仕込まれ幼稚園に通う年頃から中二病を患ってしまった人がいた。
名前は御宅矢羽 れっきとした被害者である。
矢羽は怒涛のアニメブームの時期に成熟してしまい、アニメブームに飲み込まれ、無事に影響を受けまくってしまった。
どのくらい受けたかというと、貯めたお小遣いでお菓子ではなくオタクグッズを買っていたくらいには。
なんなら現実とアニメ、ゲーム等の区別分からなくなり、魔法詠唱ノート(後の黒歴史)
を制作するなどの痕跡を残した。
両親に暖かい目で見られていた事の意味を知るよしもなく黒歴史を作り続け、周りの視線等も気にすることなくそのまま成長した結果、
「誰か僕を殺せぇぇぇぇ!!!」
黒歴史となった時自殺を考えるほど矢羽は苦しめられていた。
片や暴走列車状態であった矢羽。
中二になって少し仲間も増えた事により更に勢いを増していて矢羽を止めたのは意中の人が出来たからであった。
学校全体のアイドル、姫川一花、非公式のファンクラブが出来るほどの眉目秀麗を備えた『眠りの美女』の異名を持つゲロ吐きそうなほどの美女
まぁ、多分関係無いから面の良い女って事で
最初に矢羽はそこまで興味は無かった。 なんなら名前すら知らんかった。
そこは伊達に親からの洗脳紛いの教育を受けていた訳ではなく、超能力や魔法に夢中だった矢羽は特にスルーしていた。
しかし、ある日を境に矢羽は一花に興味を持ったのであった。
その話はまた別の機会に。
失恋した今ではただの憧れだったと年中中二病の患者は申し出ているがそれを気に、自分の行動を恥ずかしいと思うようになり無事中二病を脱退、黒歴史となった。
中二病仲間に脱退の事を伝え、暖かい目で送られそして高校に上がり、矢羽は一人暮らしを初めた。
そう、そして矢羽は自分の荷物を整理して見つけた黒歴史ノート。
その一ページを開いた時には物語の歯車は動き出した。
黒歴史もとい、魔法詠唱ノート。
矢羽は気付かなかったのだ。なぜ自分が今の今まで中二病ーー痛い人であったのかを
それは実際にアニメみたいな魔法を現実で使えたからだっということを。
それが奇跡的に誰にもバレなかった結果、そういう扱いを受けていたということを。
その時矢羽は実感するだろう。
「…あれ、これって妄想じゃなかった…?」
と。