哀しみの雨
いよいよ夏到来。
以前投稿時通り、エアコンが手放せません。
扇風機…買ったのにダンボールに入れたまま…。
扇風機が活用できる夏になりますように。
時は過ぎて、樵のファームは40代という若さで病に臥せます。
呼吸をするのもやっとで、樵としての仕事は手につかなくなりました。
一方、黒猫のシルエットは働くことができないファームの代わりに小さな細い薪木を街へ行き売るのでした。
それを物珍しく思う街の人々が居たことと、薪を以前から売って捌いていたファームの街の人の認知度があったから良かったものの、やはり小枝に過ぎない薪では以前ほどお金にはなりませんでした。
シルエットは賢明でした。
来る日も来る日も、主人であるファームの世話と街への出稼ぎを欠かさずしました。
然し、奇しくもファームの命が絶たれます。
静かな雨の日でした。
シルエットが街の出稼ぎから帰ってきた時、ファームは手をコトンコトンと戸を叩くように床を小突いていました。
その音を聴いた瞬間、シルエットは察しました。「自分の主人はもう後がないのだ」と。
直ぐに駆け寄り、何度も「にゃー!にゃー!」と話し掛けるように鳴きました。
ファームは目もろくに開かず、ただひたすらに何かを探すように手を仰ぎます。
そして、シルエットの頭に手を置き優しく撫でると
「お前には申し訳ないなあ、、、最期はお前の綺麗な目を見たかった」
そう言って静かに手を床に着けたのでした。
雨音がサラサラと屋根を鳴らしながら降っていました。
お疲れ様です。
この頃どうも青天の霹靂が多いですね。
いやあ、折り畳み傘が必須ですね。
皆さん、雨に打たれて濡れぬ人生を送ってください。