それから
梅雨が明けようとしていますね。
暑い暑い日差しの中、私は耐えきれなくて日陰を探しまくるでしょう。
この間は遂に「水蒸気になりたい…」などと言うようになってしまいました。
皆様お身体にはくれぐれも気をつけてくださいね。
クーラーは正義。
それからというもの、樵のファームと黒い仔猫のシルエットは同じ屋根の下で暮らしていきました。
少しの年月が過ぎて、シルエットは大きく成長し、ファームは歳をとりました。
ある日、ファームはシルエットを見てぽつりと言いました。
「お前をいつも見ていると、自分の影を見ているようだよ」
その言葉にシルエットはキョトンとした表情でファームをじーっと見つめていました。
それもそのはず、黒猫なのでまるで黒い影のようだからです。
シルエットは自身を改めて見てみました。
(わぁ、なんて私は真っ黒なんでしょう。昔から黒かったけれど、白いところがひとつもない。そりゃあ飼い主さまに『シルエット』と名付けられるわけだ。)
シルエットは人間のようには話せないので、心の中でしみじみそう思うのでした。
「しかし、お前を拾ったのも何の縁なんだろうか…。この山奥にお前のような黒猫は見たことがない。それでもって街でもだ。お前のように首も手足も長く耳が大きい猫はいただろうかなあ。」
ファームは少し伸びた髭を弄りながら、考え込むように話しました。
シルエットも自分の出身地など知る由もない。仔猫の頃の記憶はファームから拾ってもらった時からしか覚えてないのだから。
「まあ、いずれ何か分かる日が来るだろうさ。」
そうファームが笑って話を締めると、またいつもの日常に戻り仕事に取り掛かるのでした。
お疲れ様でした。
是非とも美味しいアイスを教えていただきたいです。
いえ、疲れた時にはアイス食べるといいんですよね。
食べてくださいね。