6.第二次コロナショックとスタグフレーション
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インフレが止まらない。
2022年1月の米国CPIは7.5%。
80年ぶりの急激な物価上昇だ。
FRBは3月から利上げを行うそうだが、それっぽっちでは到底足りないだろう。
仮に0.25%ずつ6ヶ月間上げ続けたとして、1.5%。
7.5%を超えようとしているインフレを止めるには、明らかに小さすぎる。
もっともっと金利を上げて、債務の返済を誘導。
さらに8兆ドルまで膨らんだFRBのバランスシートを縮小して、市場に流した金を回収。
そこまでやれば、インフレの原動力である需要を削れるかもしれない。
だが、それは無理。
なぜなら、株価が大暴落して『大恐慌』を引き起こしてしまうからだ。
高金利で融資を妨害した上にバラまいた金を回収すれば、確かに資金の総量は減るだろう。
しかし、商品市場から選択的に資金を抜くことはできない。
①金融市場にお金が多い→資産のバブル
②商品市場にお金が多い→商品のインフレ
インフレを止めたければ原油などの商品の需要を減らさなければいけないが、独裁国家でもなければ強制することは不可能。
社会主義に傾いた大統領でも、自由主義国家である米国で「ガソリンを買うな!」と命令することはできないだろう。
順当に資金の回収を勧めれば、まず金融市場からお金が逃げていく。
特にリスク資産から優先的に資金が抜けるので、新興株や不動産、仮想通貨がヤバいことになる。
国債金利が株式配当を上回れば株を持っている旨味がなくなるので、ナスダックなどのハイテク株が暴落していくと思われる。
まだ利上げが実施されていない織り込み段階でも10%以上下落しているのだから、本震がどれほどの衝撃になるか想像もつかない。
QE3の時は、2.5%が限界だった。
0.25bpずつ段階的に利上げし、2.5%に達した時点で世界同時株安が発生。
4兆ドルを超えたバランスシートをわずかに縮小しただけで、コロナショックが発生。
事態に仰天したFRBは慌てて緊急利下げを行い、ゼロ金利に戻してしまった。
金融緩和はバブルを作るので、引き締めには必ずバブル崩壊が伴う。
何度も出口戦略に向かってはリセッションを招き、再び緩和のやり直し。
これだけ同じ失敗を繰り返すとは、リフレ派には学習能力がないのだろうか?
基軸国の地位に甘んじているうちに、米国市場が耐えられる金利水準も下がっている。
既に前回の2.5%は耐えられない。
おそらく政策金利が2.0%に到達する前に、バブルは弾けてしまうだろう。
リーマンショック級の経済危機が来て、世界中に失業者が溢れる。
それならペースを緩めるなり途中で止めればいいと考えるだろうが、そうは問屋が卸さない。
QE3の時はそれほどインフレが進んでいなかったので、緊急停止しても問題はなかった。
だが、7%を超えて上昇する中で利上げを停止すると、今度はインフレが止まらなくなってしまう。
①バブルが弾けても引き締めを断行→株価暴落で金融市場が死ぬ
②途中で利上げ停止→インフレ制御が不能になる
まさに前門の虎、後門の狼。
株主にお亡くなりになってもらうか。
ハイパーインフレに向かうか。
どっちに進んでも地獄。
政府としてはどちらも許容できないので、おそらく中途半端な結果になるだろう。
行けるところまで利上げをして、バブルが崩壊したらストップ。
奇跡的に上手く行けば、物価と株価が釣り合う均衡点が見つかるかもしれない。
とはいえ、確実に金融市場は冷え込むし、インフレも高止まりする。
1970年代のオイルショック時のように、スタグフレーションに陥るだろう。
米ドルは切り下げられ、貯金や実質賃金を減らすことで国民はバブルの代償を支払うことになる。
金融政策で作った好景気は、将来の前借り。
借りたものは、いつか利子を付けて返すことになる。
借金で作った雇用は、将来の失業によって返済される。
次の金融危機で生まれる失業者には悪いが、その前にたんまり給付金をもらったのだから我慢してもらおう。
因果応報。
フリーランチはない。
いつになったら、人々はこの真理を理解してくれるのだろうか?
次回で最終回。
ドル崩壊後の世界はどうなるか。




