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5.インフレは破滅の引き金を引いた

バブルを崩壊させるのは、中央銀行の金融引き締め。

だが、中銀も好きで出口に向かっているわけではない。

自分の手で金融危機の引き金を引くなんて、まともな神経の人なら死んでもゴメンだろう。


しかし、どんなに願ったところでインフレの到来は避けられない。

大統領がコロナ対策としてバラまいた膨大な失業給付金が需要を増やし、勤労意欲の喪失によって供給を減らした。

パンデミックから経済が再開するにつれて影響は顕著になり、ロシア問題に伴う原油価格の上昇を機に物価は跳ね上がってしまった。


国民を落ち着かせるために議長は「インフレは一時的!」と言い続けたが、それが嘘であることは誰もが知っていた

生活必需品の高騰は、全く止まらない。

議長の再選まで緩和を引き延ばした結果、米国のインフレ率は7.1%まで上がってしまった。


一度火が付いたダイナマイトを鎮火させるのは容易ではない。

金融緩和・財政出動で大量の金をバラまいた以上、この結果は予想できたはずだ。

「インフレは2%~4%でコントロールできる」

と断言していたリフレ学者達は、どうやって責任取る気なのだろう?


インフレを止める方法は、


①生産性を上げて供給を増やす

②金融引き締めや増税で需要を減らす


の二つがあるが、生産を増やすのは簡単ではない。

原油高で潤う産油国が増産してくれるわけがないし、大統領が脱炭素政策の過ちを認めて撤回してくれるわけもない。

コロナでバラまいた給付金を増税で回収すればバランスは取れるだろうが、間違いなく支持率は暴落する。


残る手段は金融引き締め。

政策金利を引き上げ、FRBの保有資産を売却してバランスシートを縮小するしかない。


FRBが重い腰を上げてテーパリングを宣言した時、マーケットは戦慄した。

「ついに、バブル崩壊の時が来た!」

QEの歴史を知る市場参加者は我先にリスク資産の売却に走り、株価は大きく値を下げた。

まだ一切の利上げが行われていないというのに、金利上昇に弱いナスダックやジャンク債はこれでもかと叩き売られていた。


日本市場はアベノミクスの官製相場と蔑まれているが、米国も似たようなものだろう。

FRBの緩和マネーが来れば一気に値を上げ、テーパリングでマネーが戻る気配があれば、一気に波が引いてしまう。

現代の投資家は、しょせん中央銀行の手のひらで踊らされる猿に過ぎない。


では、FRBがテーパリング・利上げを続ければ、インフレ率が低下してこの危機は収まるだろうか?

残念ながら、そう上手くは行かないだろう。

むしろ状況はさらに悪化していくかもしれない。


次回は金融引き締めの副作用と、米国が辿る悲惨な結末について説明する。

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