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3.アベノミクスバブルと日本経済の終焉

バブルはいつ終わるのか?

それは『借金が返済される時』だ。


世の中に出回るお金の正体は、銀行の融資で生まれた借金。

最大の債務者である政府が国債を償還すればお金は消えるから、借金によって膨らんだバブルも消滅することになる。


1991年のバブル崩壊を招いた犯人は、日銀だ。

日銀が金融緩和を行い、公定歩合を2.5%に引き下げたことでバブル景気が開始。

低金利を背景に借入(信用創造)が盛んに行われ、株価や不動産価格が暴騰。


加熱するバブルを恐れた日銀は、インフレを抑えるために金融引き締めを実施。

総量規制を導入し、公定歩合を6%に引き上げたことで、バブルは崩壊した。

結局のところ、日本人は日銀の手のひらで踊らされたわけだ。


借金で資産価格を上げることはできるが、投入した資金が回収されれば価格は元に戻ってしまう。

どんな企業もいずれ借金を返済する以上、バブルの崩壊は避けられないのだ。


過去と同様にアベノミクスバブルも借金の返済で崩壊することになるが、一つ大きな違いがある。

それは民間の債務だけでなく、『公的債務』が利用されていることだ。


①民製バブル:個人や企業の借入によって、資産価格を吊り上げる

②官製バブル:政府や地方自治体の借入によって、資産価格を吊り上げる


民間の借金に限界があるなら、借り換えで実質的に返済不要な国債を燃料にすればいい。

財政出動で持続的に借金を増やし続ければ、永遠に続く景気拡大(物価上昇)を実現できる。


この緩やかな景気拡大が、リフレ派の目標とする『インフレ率2%』の正体だ。

バブル景気を作ってデフレ不況を招いたから、今度は緩やかで持続的なバブルを作って好景気を演出しようとしている。

つくづく悪知恵の回る連中である。


確かに政府が国債発行を続ける限り、景気拡大(に見せかけたバブル)は継続するだろう。

だが、お金を増やしたからといって、高齢化・人口減少に悩む日本経済が成長するわけではない。


日本国債は1000兆円を超え、日銀は量的緩和で500兆円を買い入れた。

その結果市場にはジャブジャブ金が溢れ、株や不動産は高騰した。

やがて金融市場から商品市場へ資金が流入すれば、物価を押し上げることでデフレ脱却も叶っただろう。


だが、それは悪質なバブルの結果にすぎない。


実体経済は全く改善しないまま価格だけが上がり、実効為替レートは過去50年で最悪水準の円安になってしまった。

要は円安で恩恵を受ける輸出企業や資産家が潤い、庶民は『インフレ税』を押し付けられた。

「アベノミクスで格差が拡大した」と言われるのは、当然のことだろう。


悪夢は、格差拡大だけでは終わらない。

バブルには、より悲劇的な結末が待っている。


政府がバラまいた金が金融から商品市場に回るのには時間がかかるが、10年~20年のうちには行きわたってインフレが顕在化する。

インフレが2%を超えれば、中央銀行は金融引き締めを行わなければならない。

公定歩合を引き上げ、バランスシートを縮小すれば、いよいよバブルの崩壊が始まる。


借金の返済は、お金の消滅。

2倍に膨らんだ株価が半減すれば投資家は皆破産し、高値でETFを買い続けた日銀は債務超過に陥る。

日本中の不動産は暴落し、リーマンショックを遥かに凌ぐ不景気が日本国民を襲うだろう。

日銀の対応によっては日本国債も暴落し、国家破綻にも繋がりかねない。


日銀総裁は、物価目標が達成されないことを心配しているのではない。

物価目標が達成達成されて、自分の手で『バブル崩壊』の引き金を引くことを、心から恐れているのだ。


1000兆円超えの借金をどうやって返すのか懸念している人は多いが、バブルの後始末を心配している人は誰もいない。

デフレ脱却の旗印の元でバラマキをやった結果が過去最大の危機を招こうとしているのに、誰も責任を取ろうとしないのだ。

なんとも呑気な国ではないか。

次はFRBの話。

実は日本より先にこちらが破滅する。

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