表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水滸幸伝~王倫・梁山泊にて予知夢を見る~  作者: シャア・乙ナブル
27/167

第二十七回 露見

林冲(りんちゅう)楊志(ようし)が向かう道すがら、梁山泊(りょうざんぱく)へと向かう伝令とすれ違う。呼び止めて話を聞くと、王倫(おうりん)危惧(きぐ)した通り白勝(はくしょう)の家に官憲(かんけん)が踏み込んだとの事だった。


白勝と妻は捕えられ、既に拷問(ごうもん)にかけられているらしい。どうやら白勝が酒樽さかだるかついで出かけた所を目撃していた者もいたようだ。


「酒売りの男がそいつか!」


楊志は屈辱(くつじょく)を思い出す。だが自分の怒りより目的を達成する事を優先する。


「必ず生辰網(せいしんこう)義兄(あにき)に渡す! 奴の仲間の情報をつかむのは俺達だ!」


林冲と楊志それと手下達はすぐに二人が(とら)われている場所には向かわず、夜を待って襲撃しゅうげきする計画を立てた。だが……


「何!? もう仲間の情報をいたのか!?」


監視かんししている手下によると白勝は激しい拷問に耐えきれず、あっけなく仲間の情報をしゃべったらしい。それにより拷問は一旦中止されているが白勝と妻は動く事が出来ず、拷問を受けた場所で縛られたままのようだ。


我等(われら)兄弟のきずなを見習えとまでは言わないがこうも簡単に喋るとは。……まぁ目の前で妻が拷問されたというのもそれがねらいだったのだろう」

「起きてしまった事は仕方ない。だが逆に考えればこれで二人の監視は(ゆる)くなるな義兄」

「うむ。情報を引き出す目的は果たされた訳だから油断ゆだんしている可能性はある」


二人はすぐさま白勝と妻を梁山泊へ連れて行く計画に修正しゅうせいを加える。同時に判明した情報を急いで王倫へと伝えさせた。



東渓村(とうけいそん)名主(なぬし)(長)、晁蓋(ちょうがい)? その男が生辰網強奪の首謀者しゅぼうしゃなのか」


梁山泊では早速対応が協議(きょうぎ)される。東渓村は梁山泊からもそう遠くない。


「晁蓋とはどのような人物だ? 名主ならばそこまで金に困るような生活ではないと思うが」


それには朱貴(しゅき)が答えた。


「私が放浪していた時に噂を聞いた事があります。なんでも武術を好み義に厚い好人物で、困っている者には必ず手を差し伸べ、貧しい者に施し、天下の好漢たちと交わり、頼ってくる者は屋敷(やしき)に泊め路銀を出してやるなど世間に広く名が知れた人物だと」

「……なんだそれは。完璧かんぺきすぎて逆に胡散臭(うさんくさ)く思えるぞ」

「ええ。私もそう思い梁山泊を選んだのです」

「それは……別の意味で失望させたろう」

「!? いえ! そういうつもりで言った訳ではありません! 今ではむしろ誇りですから!」


話が一時脱線してしまったが、さらにその一味として挙げられた名前に王倫が最近聞いた名前があり驚く。


阮小二(げんしょうじ)阮小五(げんしょうご)阮小七(げんしょうしち)だと? それは石碣村(せっかそん)の阮三兄弟か?」


王倫が違和感いわかんを抱いたその三人はやはり生辰網強奪に(から)んでいたのだった。


「東渓村、石碣村に黄泥岡(こうでいこう)近くの村か」

「なるほど。どれもそう離れていませんね」

「よし、阮兄弟の動きをそのまま見張れ。東渓村にも監視の手下を向かわせるのだ。林冲と楊志が白勝とやらを連れて戻ったらこちらも次の手を打つ事にする」


王倫はそう指示を出し、晁蓋達の動きを予想し始める。ちょうどその頃、(くだん)の晁蓋のもとへ一人の男が急いで向かっているのを王倫達はまだ知らない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ