修行② ─暴走─
ちょっと無理があるかな?
次の日、昨日と同じようにラルクと草原に修行に来ていた。昨日と違うところは父さんが一緒にいることだ。
「で、なんで父さんついてきたの?」
竜王は仕事がたくさんあって、なかなか休めないとラルクに聞いていた。
「そりゃぁ、私の自慢の息子の実力を見に来たんだよ。どれだけすごいのか見せてくれ」
「私は止めたんだがな...」
ラルクが「はぁ...」と、ため息をついた。
(苦労してるな...)
ラルクの大変さが分かった気がした。
「とりあえず今日も始めるぞ。今日は...竜人化の修行だ。」
「竜人化?」
「竜人化は人の姿のまま竜の力を使えるようになる方法だ。竜の時より力は劣るが、身軽に動けて剣などの武器も使えるという利点がある」
「なるほど...」
「これはかなり難しいものなのだが、リュートの魔力なら出来るかもしれないからな。竜の修行の前にやってみようということだ。」
「まっ、物は試しだ。やってみろ。」
「分かった。やってみる。」
俺がそういうと父さんの顔が少し険しく...なった気がした。
「竜人化は竜になる時と同じようにするんだ。
少し違うのは力を全て出さないことだ。半分ぐらいの力を解放するんだ。」
(半分くらい...このくらいかな?)
竜輝の体が光に包まれた。
「え?う、うわぁー!」
光の中で俺の意識が薄れていった。
《リュート!!》
2人が呼んだ気がしたが意識が薄れて分からなかった。そして────
光がおさまっていき、竜輝は姿を現した。
「リュート!!大丈夫か!」
ファイズはリュートに近づいた。しかし、そこにはリュートとは似ても似つかない者が立っていた。
その姿は髪や目などはリュートと変わらないが、その体は人間の姿ではなかった。背中には竜の翼が生え、身体中が銀色の鱗で被われていた。手と足の爪は伸びており、頭には角が生えていた。まさに竜人と呼べる姿になっていた。
「り、リュート?」
ファイズはリュートに声をかけたが返事は帰って来なかった。
リュートはその場にたたずんでいた。
「竜王様...これは...!」
「あぁ...まずい!」
「グルァァァァーーー!!!!」
リュートは雄叫びをあげた。
「くっ、暴走してしまったか!」
「やはり無茶だったんですよ!」
「仕方ない!私が止める!」
リュートは正気を失い、暴れだした。
竜輝さんの竜人化!しかもまさかの暴走!この後どうなるのでしょうか?
??「グルルル...」
へ?
竜輝「グルァァァァァァ!!」
なんでここにいるのぉぉぉぉー!!?