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元、チート魔王が頼りない件。  作者: 雪見だいふく
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危険な予感

……!

 バァン!


 激しい爆発音と共に上から何かが降ってくる。

 おいおいおい……!! もう一人、勇者が出てくるなんて言ったら逃げれるわけないだろ! 胡桃も助けなきゃだし……!


 砂埃が舞い終わり、その姿が見えてくる。


「あ! 好都合じゃん!」

「ふぅ……。魔法をお前が使っているのが分かったから、何事かと思って来たら……勇者じゃねぇか!」

「あぁ。そうだぜ。そいつをボコボコにしないとな」


 俺もノリに乗って、言葉を合わせる。

 よしっ……! 魔王様も来て、あっという間に形勢が逆転したんだから、負けねぇぞ!


「ボコボコ……? 僕がしてやるんだよー。『死ね』」

「ん? 何だよ、勇者。調子に乗りやがって」

「魔王……。お前さえいなければ、計画は進むんだよ。消えちまえ!」


 そう言いながら、また急接近してくる。

 横目で魔王様はこちらを見ると、「幼馴染を守ってやれ」と、一言話す。

 俺はその言葉を信じ、後ろを振り返り胡桃の元へ向かった。



 ――――――

 ――――

 ――



「……何だ? 魔王が人助けとかすんのかー?」

「うるせえ……」


 相手の打撃が俺の体に傷を付ける。とりあえず、あいつが幼馴染とやらを避難させるまでは守るしかねぇな。

 腕でバツを作り、俺は敵の攻撃を防ぐ。


 こいつ……。勇者の中では強いかもしれねぇが……。俺なら勝てる!


 俺が後ろを確認すると、壮一の姿はなくなっていた。


 よし……。これからは守るなんてことを気にせず、ぶっ倒せるぞ。

 俺はバツにしていた手を前に広げ、相手の手を掴み、そのまま持ち上げ、地面に叩きつけた。


「いってーなっ!」

「所詮、勇者なんて雑魚なんだよ」

「……なんて、言うと思ったか? いひひひひ。じゃあな」

「舐めてんじゃねぇぞ!!」


 勇者に向かって、魔法を放ったが、それは壁に当たり爆発した。


 しばらくすると、警報が聞こえてくる。


 ヤバい……。ここは人間界だったな。俺は姿を消し、家に帰った。


 ――――――

 ――――

 ――


 ふぅ。胡桃を家に返して……と。家に帰るか。


「ただいま」

「おうっ! おかえり」

「今日のあれって……どういう事なんだ? しかも、外でめちゃくちゃ騒いでたぞ……。俺も警察に事情を聞かれたしな……」

「そうか。勇者が何かを企んでるってことだよな……。あと、幼馴染はどうした?」

「目を覚ましたから、家に返したよ。その代わり、勇者のことなんて無かったかのように振る舞われた。どういう事なんだろう……」

「わっかんねぇなぁ。俺も何か言われたけど、サッパリだぜ……。ここが最後の山場だと思うんだけどな。勇者も本気を出し始めたってことか」

「そうなのかな……。まずは、明日。もう一度、街に行ってみるか」

「だな」



 ――――――

 ――――

 ――



『やぁ。こんばんは!』


 ……また、これか。夢の世界なのに意識が明確なんて気持ち悪いな。


『何ですか……?』


 だが、いつもと違い、静かな空間だった。とても、対戦というようなムードではない。


『いやぁー。二連勝した君に褒美をあげようと思ってね』

『褒美……?』

『はい。これ。いざとなった時、必要になるはずさ』


 そう言われると、手に何かを握っている感覚がくる。


『ありがとうございます……?』


 プルルルルルルルル


 目覚ましの大音量で起こされる。

 俺は目を覚まそうと、腕を思いっきり伸ばす。すると……。

 ん? 手に何かを持っていたのか、ポロッと床に落ち、金属音が鳴り響く。


 ベッドの下に落ちたな……。取るのは面倒だが、気になるので、ほうきの柄を使い、光り輝く何かを自分の方に飛ばす。


 これは……。鍵?



 何か良くわからない鍵を机の上に置き、学校へ行く支度を済ませる。

 そして、いつも通り学校へ向かった。


「おっはよー」

「お、おはよう」


 こいつ、昨日の記憶を綺麗に忘れているのか……? あんなことが起きたのに平然としている。記憶を消されたとしか思えない。

 状況に反して、呑気な会話を続けた俺達は学校へ到着する。

 校内でも、昨日の出来事の話で持ち切りだった。


「ニュース見たか? やべぇよな」

「あぁ。だな」


 チャイムが鳴り、授業が始まる。

 色々と騒ぎになってきてるよなぁ……。


 そんな事をずっと考えていた。


「一! 壮一! 聞いてるのか?」

「あ、すみません」

「ここの答えは?」

「危険察知です」

「正解」


 何とか、国語の答えを出すことができた。

 この事件。の答えも早く出したい……。

早く終われ……!

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