07.赤銅との決着
現実世界に戻った俺は、あるスキルを習得し、現状を把握した。
今の俺は死体が沢山捨てられている場所にいた。
多分俺も、死んだんだと思われたんだろう。ここは、領主の屋敷とはあまり距離感が離れていないところだった。俺は領主の屋敷まで行き、先ほどと同じように侵入しどこに行けばいいのか、わからないからとりあえず地下の1番奥の部屋まで行き、扉を開けた。
そこには、俺を待ち構えるように立っている赤銅の姿が。
「来ると思っていたよ、青銅。さぁ、最終決戦といこうじゃないか。」
俺は、こうなると思っていたから、あらかじめ、スキル【神の時間】を10分ほどチャージしていた。これなら、勝機もある。
「OK、最終決戦だ、1分だ、1分で片付けてやる。」まぁ、1分で倒さなければ、俺負けるんだけどな。
俺と赤銅は戦闘を開始しようと、構えていたら、横から、「どうして来たの?痛い目にあったばかりじゃない。応えてよ、ユヅル。」震えた声で話しかけてきた。
「ティアの母さんから頼まれたし、俺はこれからもずっとティアと一緒に居たいんだ。だから来た。詳しい事はこの戦闘が終わった後だ。
この戦闘は俺に対して油断していなければ、多分勝てない。赤銅を油断させなければ、俺はある作戦を考えてある。
「よし、行くぞ。赤銅、【神の時間】」
俺は、スキルを使った後、真っ先に突っ込んだ。剣を構え待っていた、赤銅に剣を斬り上げからの斬り下げ、俺の安い剣は弾かれ、赤銅の武器が俺に迫ってきた。
俺はそれを剣で受け止め、俺に当たらないように反らす。この時、俺の剣が折れるように強く剣を使った。無事に俺の剣は折れ、赤銅はこれがチャンスだと、思ったのか、突っ込んできた。
甘い、甘すぎる。俺はこれを待っていたんだ。人はチャンスだと思っているとき、油断する事を知っていた。俺は赤銅が懐に来たとき、スキルを発動した。先ほど、習得したスキル【創造】だ。
このスキルを使い、剣を創り赤銅の体に刺した。
赤銅の体からは、血が流れていた。
でも、致命傷にはならなかったのか、まだ生きていた。赤銅は俺に「なぜ、こんなに強い、先ほどとは強さが違う。何をした。」
「ユスティーナさんが、俺に力を与えてくれただけだ。」
「ユスティーナだと、何処で出会った。」
「夢の中。」
「バカにしてんのか。」
「本当のことだよ、バーカ。」
「もういい、この勝負お前の勝ちだ。それとこの領主の屋敷をくれてやる。この街の領主は俺の息子だからな。」
マジかよ。太っ腹だな。
俺は、ティアの所に行き、赤銅やこの街の領主や冒険者達はこの部屋から出て行った。
「待たせたな、ティア。さぁ、冒険者ギルドに行こう。ルーラさんが心配してたから。」そういって、歩き出そうとした俺はぶっ倒れ、そういえば、神の時間を使えば、疲労が襲うんだった、その事を忘れてた。そう思いながら、俺は安心して意識を手放した。