04.悪魔の数字666
「あぁ、これからどうしよう。ティアから逃げたのはいいけど、この世界に転移されてから俺はティアとルーラさんとしか話してないから行くあてもないしお金も全くないしなぁ。もう、真夜中になってしまったし、仕方ない。この近くにあるベンチで寝るか。ホームレスってこんな感じなのかな?」
明日は朝早く起きて、クエストこなして、宿代と食費集めなきゃな。こんなこと思いながら、眠りに落ちた。
朝起きて、俺は冒険者ギルドに赴きクエストを受注して、フィールドに行った。
「昨日、ティアと待ち合わせ時間とか言っとけばよかったなぁ。今日は1人だから、クエスト成功できるかな。」今日、ギルドで受注してきたクエストは 【ゴブリン、10体討伐】だ。
1番楽そうなやつでそこそこお金になるクエストだったけど、1人ではちとキツイ。
そう、思ってたらスキル敵感知で早速敵を見つけた。ゴブリンだ。俺からゴブリンまではかなりの距離がある。ゴブリンの頭を弓矢で攻撃出来れば、ワンチャンあるかもしれない。
よし、俺は弓を構えて狙撃スキルを発動。
「狙撃!!」
見事ゴブリンの頭を撃ちぬき動かなくなった。
1匹ずつなら大丈夫だと知った俺は敵感知で群れを作っていない、1匹だけのゴブリンを狙い続け、1時間が経ちやっとゴブリン10体討伐完了した。
それで、冒険者ギルドに報告し報酬を受け取り、宿を見つけ、ご飯も食べて、シャワーも浴びた俺は、ベッドで横になっていた。
「明日はティアに会えるかな。会えたら謝らないとな。逃げてしまったこと。」そんな事考えていたら、眠ってしまった。
それからというもの、俺はティアと全く会わなくなった。「もしかして、俺はいらなくなったんじゃ。」そんな事思いながら、今日もクエストを受け、成功し報酬を受け取り、宿に泊まる。その繰り返しが1週間ぐらいたったころのこと。
俺はいつもと同じように冒険者ギルドに行ってクエストの貼り紙を見ていたら、入り口の方から大きな音がした。入り口のドアが蹴破られた音だった。そこにはティアと見知らぬ男が立っていた。
その男はこんな事を言っていた。「こいつと一緒に冒険していた者がいると話を聞いたんだが、それは本当か。今そいつがいるなら出てこい。」と
「やっベーこれ絶対関わったらダメなやつだろ。ティアには悪いが黙っとこ。」と小さく独り言言ってたら、荒くれ者の冒険者が俺の方を指差してた。どうしよう、これ。マジでヤバい、逃げよう。俺は下を向きながらギルドから出て行こうとしたら、肩を掴まれた。「おい、お前か、こいつと一緒に冒険してたのは。」俺は肩を掴んできた男とその隣にいるティアをみた。ティアは涙を眼に溜めていた。多分ティアはこう言いたいんだろう。「私のことは放っておいて。」とか、そんなことを。俺はティアには笑っていてほしい。ずっと俺と一緒に冒険してほしい。その一心で、俺は
「我が名は青銅 ゆづる。いずれ、日本人と魔王を屠る者。よく覚えとけ。それとそいつは俺の冒険仲間だ。俺の仲間に手を出した罪、お前には償ってもらわなくてはな。」と、中二病の血が騒いでしまった。
それで、男の方は「青銅か。お前も日本人か、だがお前はチート級の武器を持っていないな。その武器をを持っていないということは、お前は勇者としてこの世界に転移させられたということだ。何度も何度も勇者が転移してきたが、そいつら全員魔王に辿り着けずに死んだ。まぁ、俺が殺したんだけどな。」俺はそんなことでは怖気ついたりしない。ティアの涙を見てしまったから。それに、誰かは知らないけど、この世界を救ってと言われたから。
だから俺は、「他の勇者と同じと思うなよ。後お前の名前も教えろよ。」
「俺の名は、赤銅 悠人だ。お前にいいこと教えてやるよ。こいつはエルフと悪魔のハーフだ。こいつ1人で世界を滅ぼせる。俺たち日本人と魔王はこいつを使って世界を滅ぼそうとしてる。こいつを取り返したかったら、この街の領主の屋敷の地下にこい。まぁ、これたらだがな。明日だ。明日、来なければこいつは、ただの殺戮兵器になる。それじゃあな、青銅。行くぞナンバー666《トリプルシックス》。」
俺はギルドに残り、1人でスキルを習得していた。絶対に真っ向勝負では勝てない。でも負ける訳にはいかない。俺は、隠密、宝感知、マナドレイン、マナチャージを新たに習得した。
マナドレインとは相手の魔力を奪うスキルで、マナチャージは、自分の魔力を高めることが出来るスキル。
それからの俺は、陰魔法が使える人のところにいって、ある一つの魔法を教えてもらった。
よし、これで準備万端。これで、勝てなかったらどうにでもなれだ。
赤銅ぜってーお前を許さねえ。