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アメリカンイーグル

 さて大規模輸送の為に鉄道を作るのは決定としても、今の私に出来ることは何も無いわね。パパンにこうしたら? 的な提案は出来るけどそれをすると会社がパパンの物になってしまうわ、最終的に私の所に来るかもしれしれないけどお見合いとかで歳上を紹介されるリスクも増えそうなのよね、優秀な部下に会社を任せる為に……それはゴメンだわ。


 「どうしまちゅか、まだまだかんがえものです」


 私がうんうん考えているとケイン君がやって来た。


 「お嬢さま、少しお散歩なされますか?」


 どうやらお勉強が終わり暇をしてると思われた様だ。まあ確かに鉄道開発は今の所進める事も出来ないし、お散歩もいいわね、それじゃあ


 「あい!」


 私は元気よく返事をする、これをするとみんな顔を綻ばせるのよね。


 「はい、それでは行きましょうか」


 こうして1日の終わりにお散歩に出掛ける、この世界は魔物なんて怖い生き物が闊歩してるらしいけどポーツマ付近は完全に駆除したらしい、らしいと言うのは駆除してから10年以上経っており、そろそろポーツマ付近に魔物がやって来てもおかしくなく、現在のポーツマの状況では領軍を魔物の駆除に行かせられないらしいのよね。

 全く蛮族の討伐やらなんやらで領軍を使ってるらしいけど、そんな無駄な事するより自治区なんかを認めて統治した方が無駄な出費をしなくて良いのにバカね!


 「お嬢さま、この辺りでオヤツに致しましょうか?」


 「あい!」


 あら? 結構歩いて来たのね。ポーツマはアスタリ大陸の中でかなりの都会らしいけど、それでも少し郊外に出ればすぐに森が現れるのよね。ケインくんも森の手前の草原にはよく連れてってくれるけど森には絶対入らないわ、まあ当たり前だけど

 さてと今日のおやつは何かしら?


 「お嬢さま、今日はドーナツですよ」


 「わーい! ドーナツちゅき!」


 うーん、少しわざとらしいかしら、幼子ってこんな感じだと思うけど、まぁ五歳児なんてこんな感じで良いわよね。


 レイラはしっかりした子より愛されキャラを目指していた。前世であまりにも神童然とした子供時代を過ごし、頼られる事はあっても可愛がられる事はなかった事がちょっとトラウマである。


 「ふふ、お嬢さまは本当に元気が良いですね」


 ふふふ、やはりこのスタイルが良いみたいね、ケインくん始めその他の家の者もメロメロだわ。

 さてドーナツを食べて今日は終わりかしらね、そろそろ学校に行かせようなんて話が出てたけど、学校なんて言ってもなぁー、つまらないのよね、なんで女子校なんてあるのかしら


 レイラは鉄道と言う明確な目標を今日掲げたので学校と言う所に行く事に面倒くささを感じていた。これが共学なら喜んで行くのだが(元気な少年がうじゃうじゃいるから)エードルセン家程のお嬢さまが行くのは淑女を育てる女子校と決まっている。御機嫌ようを本当に言うような学校らしく、レイラにとって旨味のない場所であった。


 でも鉄道会社を作るにしても資本金がな、出資者を募るにしてもこの歳じゃね。


 レイラは鉄道会社を既に株で作り出すことを想定していた、もちろん大規模な公共事業になる事も想定して国に金を払わせる算段も考えているのだが


 パパンに提案しても私の手柄にはなり得ない、でも私の力だけでは難しい、むむむ難しいわね。


 「お嬢さま、お茶のお代わりは?」


 「ください!」


 「はいお嬢さま」


 お茶が美味しいわ、何故かヨール大陸では上手く育たないのよね、それなのに需要はハンパないから売れる売れる、パパンもその利益は凄まじいって喜んでたわね。

 だからこそ危ないかしら、エリザ帝国がイギリスみたいに無茶を言って来たら……うーんやはり鉄道で儲けるのが無難ね、お茶などは危険だわ。


 レイラはアスタリ大陸とエリザ帝国の関係をイギリスとアメリカに完全に置き換え考えている、その為に主要産業である茶葉などに、いつ高い税を取ろうとするか気が気でなかった。もしそうなると危ないのは


 ポーツマは危険よね、せめて成人するまでは勘弁して欲しいわ。


 「ぴー!」


 「なに?」


 何かしら、鳥の声?


 「お嬢さまお気をつけ下さい、これは」


 ケインくんが銃を構える、あら、私を守ってくれるのね、うふふ


 「あい!」


 と返事をしたけど、この鳴き声は危険は無いわね、多分怪我した鳥かなんかだと


 レイラは辺りを見回すようにキョロキョロすると、羽に傷を負った一匹の白頭鷲が


 「魔物か!」


 ケインくんが銃を構えるが


 「待って!」


 私の声に振り返るケインくん


 「その子は怪我をしてるだけよ、大丈夫危なく無いわ」


 そう言って私は白頭鷲に近づく


 「お嬢さま危ない」


 心配するケインくんに私は


 「大丈夫よ、任せて」


 私は白頭鷲のそばに行き


 「うふふ鳥さんこんにちわ」


 「びー!」


 これがアステリアの象徴となる銃と白頭鷲、その中で最強とも呼ばれた白頭鷲とデビット・エードルセンとの出会いだった。

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