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レイラはすくすく成長中

 皆様こんにちは、レイラ一歳です。


 「まんま!」


 「まぁレイラちゃんはおしゃべり上手ね」


 「本当だなレイラは天才だ」


 両親は私に激甘で少し喋っただけで甘やかしてくるわ、魔法を使ったらどうなるのかしら?


 レイラはメリスから沢山の魔法を習い、また自らが研鑽を積んだおかげで既に世界一と言っていいほどの腕前になっていた。まあチートと言えばチートなのだが現在のアストランデで魔法を使えるだけでは強者となりえない、何故なら機械産業はまだまだ発展していないが魔導科学はなかなかに進んでおり、特に魔導兵器はそれを使わない者と使う者とでは隔絶した差を産む。

 そしてその魔導兵器が最も発展しているのがエリザ帝国であり、そしてその力で海を挟んだ土地でも支配を行える理由でもある。エリザ帝国は人材、武器、そしてそれを運用できる体制が整っており、それを覆す事は不可能に近かった。


 魔法って凄いわ、これを極めたら核融合爆発も不可能では無いわね。ふふふ、まあ使う必要なんてないものだろうけど


 レイラなら出来そうだが、まあそれはそれとして


 「きゃっ! きゃっ!」


 「レイラちゃんは本当によく笑うわね、本当に幸せそうに」


 「ああ、この地に派遣されると聞いた時はどうなることかと思ったが、私も前線に向かうこともないだろうしな」


 おや? なんだか両親の顔色が優れないわね、うーん父親の仕事関係かしらね、聞く限り左遷された地で良くない事が起きる事を危惧してるみたいだけど


 「レイラが幸せな暮らしを出来るように蛮族どもを殲滅せねばならぬ」


 「やはり蛮族どもが暴れてるのですね」


 「ああ、流石にポーツマまで攻めてこれるとは思わぬが今回前線に送ってるのは傭兵どもらしいからな」


 「なるほど、いざとなればポーツマの領軍も?」


 「それは無いだろう、いくら傭兵でもポーツマ領軍を動かすほどに能力が低いと思えんし」


 おやおや? なんだか深刻な話をし始めましたよ、蛮族どもって多分元々この地に住んでたアステリア人なのかしら? 話を聞けば聞くほど独立前のアメリカっぽい、なら本国が無茶を言うようになって来たらパパンも独立しようとか言い出さないかしら? 流石にそこまでアメリカさんをなぞらないか、あはは


 レイラは近づく戦争の足音が聞こえてくる事に少々の不安を感じるのだが、流石に今すぐでは無いと呑気にも構えていた。それほどにポーツマの街は平和そのものだった。

 レイラが必要にアメリカとの歴史の類似点を気にしているが、アメリカとアステリアの歴史は全然似ていない、レイラが現在のアステリアをアメリカに当てはまるのが一番しっくりくると感じての考えで、レイラがアメリカの歴史を参考にアステリアを見れば間違いなく手痛いしっぺ返しを受ける事になる。

 

 まあ気にしても赤子の私には何も出来ないし、今は元気よく歩く練習するか!


 「あぅー」


 「レイラちゃんがたっちしたわよあなた!」


 「お、おお、なんと」


 こうしてレイラの平和な5年はあっという間に過ぎて行く、その間レイラは一度もポーツマ以外の地を見る事なく、アステリアの現状を知る事なく、彼女の目の前に苦しむ民衆の姿を見る事なく、五歳になる。


 あはは、神童と呼ばれるのも悪く無いわね、パパンとママンもいい子にしてれば可愛がってくれるし、丁稚の子も可愛いし、言う事ないわね、これぞ幸せなのかしらね。


 「お嬢さま危ないですよ」


 「ケインこっち、こっち」


 ケイン君が慌てて追いかけてくる、私を、あはは、本当にいいわね。


 「あ! おっとと」


 あら気を抜いたらこけてしまったわ、子供の体ってこけやすいわね。


 「お嬢さま!」


 慌てて私の元にケイン君が、ああ、そんな可愛い顔で見つめないで

 私が赤い顔でケイン君の顔を見つめていると


 「だから言ったでしょお嬢さま、あまり危ない事をしないで下さいね」


 「うん、ごめんねケイン」


 私はあざとく笑顔でケインに謝る、もちろんケインに一番可愛く見える角度でだ。


 「はぁお嬢さまは、仕方ありませんね」


 「うふふ、ケインは優しいのね」


 ケイン君にもだけど、幼女って凄いのはみんな強く怒らないし、それどころか甘やかしてくれる、本当に今だけだけど満喫しなければ


 「でもお嬢さま、今からお勉強のお時間ですから遊びはここまでですよ」


 あら、もうそんな時間なのね、はぁめんどくさいわね、知ってる事を教わるのは苦痛ね、これでもハーバー◯大学行ってたのよ、それが今更足し算引き算なんてね。


 「わかったわ」


 それでも私は大人しく授業に向かう、前世で思ったが男は大人しい女の子がなんだかんだで好きらしい、前世の学生時代は男どもをぶっ飛ばして生きて来たからな、今思えばみんな可愛い男の子だったのに勿体無いことしたわ。


 「それではお嬢さま行きましょう」


 「はい」


 こうしてレイラの激動の五歳時代が始まる。

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