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アステリア建国記〜私が大統領になった訳〜  作者: にんにん
第二章 決闘する幼女!
19/28

レイラ、6歳

 さてと彼らにちゃんと現状を説明しないと


 「で、続きを話すよ君達」


 「あ、はい」


 盗賊達の熱狂が収まった頃にレイラは話を戻す。


 「さてエリザ帝国の兵力を説明させて貰ったから、次は装備を語ろうか」


 エリザ帝国の主力武器は小銃のブラウ・ヘスで75口径になる。それが四百万丁あると思われる。

 続いて最新式の兵器としてガトリングガンがある。これは確認されている者で十台、しかしこれからも増加する事は間違い無い

 この兵器の存在を資料から発見した時流石のレイラも震えたがセリオンと呼ばれる戦車の存在が判明している。これは本土防衛の為の兵器である為独立戦争の際に使用される可能性は低いが、レイラの予定では数年後に仕掛ける為にそれまでにアスタリ大陸に運ばれる可能性を否定できなかった。

 それと、恐らく独立戦争の時に最大の相手となるのがエリザ帝国を最強国に押し上げた。


 「エリザ帝国海軍の主要艦隊ロイヤルネイビー、その主要艦【ドルットノーツ】が最大の敵になる」


 「船ですか、確かにエリザ帝国の海軍は最強だ」


 「ああ、奴らは海の王者だからな」


 「そう、でも僕達もそれに負けない武器を手に入れなければならない」


 「あんたの事だ、もちろんあてはあるんだろ?」


 もう盗賊達は文句を言わない、全てレイラの頭の中に可能性の高い予定があると信じている。


 「ああ、小銃に関しては幸いこの大陸にも存在する」


 レイラは自分の小銃を見せる。


 「この大陸で銃を扱う会社は存在する、有名なのはコンド社とウィルター社だろうね、君達の銃は…エリザ帝国産か?」


 レイラは盗賊の持ってる銃にコンド社ともウィルター社とも違う者だった為にそう思う。


 「ああ、型落ちの更に型落ちだな、今ではエリザ帝国のゴミ箱行きの骨董品だよ」


 「なるほど、確かにこの大陸のしかも盗賊に持てる銃ならその程度か」


 「そうだ」


 「まあ今は構わないよ、どうせコンド社とウィルター社もこちら側に付くからな」


 「そうなんですか」


 「ああ、彼らはアスタリ大陸の会社だ。きっとこの大陸に銃の需要が大きくなると思ってやって来た新参の銃器メーカーだからな、エリザ帝国最大の銃器メーカーであるロイヤルオードアームズのシェアを奪えるわけが無いからアスタリ大陸での銃の需要が大きくなる独立戦争はこちら側に有利に動くはずだし、動かないなら施設を奪ってでも武器は揃える」


 「か、過激っすね」


 正直説得だけなんて無理なのは分かってる。だったら力を使う事を戸惑わないわ、遠慮はこの際不利にしか動かないからね。


 「ええ、邪魔になるなら、敵になるなら潰さないとエリザ帝国には勝てないの、みんなも覚悟はしてね」


 「はい」


 「それではエリザ帝国の兵器に対しての対策は、この大陸の銃器メーカーを脅すだけでは無いよ。鉄道の整備をする」


 「鉄道?」


 「簡単に言えば巨大な馬車と思えば良い」


 「へぇ、でもその巨大な馬車が必要なんですか?」


 「ええ絶対に」


 レイラの説明はこうだ、戦争を考えた場合こちら側が有利なのはアスタリ大陸全土を陣地として使える事、だがその広さは足を引っ張る可能性もある。それは物資搬入の困難さだ。


 「良いかしら、エリザ帝国の最大兵力を一千万と言ったけど、この独立戦争に割ける兵力は良くて三百万、無理をすれば五百は行くかも知れないけど、その前に私達の独立を認めるはずよ」


 「へぇ、そうなんですか」


 「ええ、そして兵器の質の差を補う為にこちら側は最大の兵員を投入すると考えた場合に困る事が食料の運搬になるの」


 この大陸ならば十分に兵員全てを賄えるほどの食料は準備出来るはずなのだが、それには膨大な量の物資を運ぶ方法が必要になるのだ。


 「鉄道の整備はエリザ帝国に独立を悟られずに可能よ、だって輸入品を大量に運ぶ為にも必要なん物だから」


 レイラの考えでは大規模な鉄道整備費をどうせならエリザ帝国にも出させようと言う打算もある考えだった。独立を匂わせなければ間違いなくエリザ帝国に取ってメリットの大きい物だからだ。


 「そしてこれが設計図よ!」


 「おお!」


 盗賊達はよく分からないが凄いことだけ理解する。レイラの示した設計図は見るものが見れば未知のテクノロジー満載の者だった。何故なら


 「もしかしてこれ、魔道具じゃ無いんじゃ?」


 レイラは西部に来るまでに石炭、石油の存在を確認している。そしてその量が100年は不足し無いことも


 「そうよ、これに魔力は必要ないわ」


 この世界に存在する道具は大体小型で、大きくても馬程度である。それはエネルギーを人の魔力に頼っている為大型の道具では満足に動かす事が出来無いのだ。先ほどエリザ帝国が持っていると出て来た戦車も五人の魔力をかなり洗練されたチームワークを用いて運用しなければならず、その五人もかなりの魔道士でなくてはなら無い為エリザ帝国であっても数は用意でき無いはずなのだ。


 「魔力無しでもこれだけの大型の道具は動かせるよ、既に試作品はある」


 動くだけのものだがレイラは蒸気機関を完成させていた。これからは本格的に鉄道を用意するだけだった。


 「本当ですか、すげぇー、魔道具じゃ無いのに動くものが出来るなんて」


 この世界の人間のほとんどが同じ感想を持つだろう、こうして三年の月日を持って大陸間鉄道が完成することになる。この時にこやかに完成を祝ったエリザ帝国のお偉方もまさか自分達に牙を向ける為のものだとは夢にも思わなかっただろう。


 「とりあえずここまで概要は理解出来たと思う、次に西部統一の策だけど」


 さて前置きが長かったが、レイラが盗賊達に真に求めるのはここからである。その策は


 「デビットは英雄作戦?」


 「そう、僕を西部に無くてはならない英雄にする、そして西部の人々が僕の言うことは正義だと認識させるんだ」


 マッチポンプを何度も行う、それが単純だが効果的な作戦だとレイラは考えた。

 西部にはコロニーと呼ばれるヨール大陸からの移民の町が百は存在し、原住民であるエルフ、ドワーフなどの集落が千を超えていた。その全ての人々に話をする為には正攻法では時間がかかりすぎるのだ。


 「噂を広めてくれないか? 凄腕の、盗賊を狩り人々を守る者として僕の事を」


 「はい、いいですけど」


 「それと並行してやる事はごまんとあるが、まあまずは盗賊狩りをしようか?」


 「盗賊をですか?」


 「まあ西部の盗賊全てを支配下に置かないと戦力がまだまだ足りないからね」


 こうしてレイラは盗賊達に噂を広めさせ、そして自らは盗賊のアジトを次々襲い仲間にして行く、この際にいくつかの町を説得という名の脅しで支配下に置いて言った。これは流石の盗賊達もドン引きするほど強引だったが、レイラはその後のフォローが効いたのか町の住人はすっかり独立を夢見るようになっていた。

 この動きを一年、レイラが6歳になる頃にはすっかり西部には純粋な盗賊はいなくなり、鉄道を作る為の鉄もかなり集まり、レイラは表も裏も西部の支配者として君臨し始めた。だがその事は一般市民には未だ秘密であった。


 「お頭、次はあの町ですか?」


 「そうだよ、かなり追い込まれてるみたいだからね、町長の娘が荒野に出るなんて追い込まれてるね」


 「へっへっへ、だから狙い目なんですね」


 「そうだよ、助けてあげるのさ、正義のガンマンである僕が」


 「俺たちからですね」


 「そうだよ」


 「じゃあ言って来やすね」


 「はいよ」


 こうしてレイラの6歳の年が始まる。

 レイラは女性らしい喋り方を時々出てしまいます、これは彼女が男性的な喋り方に慣れていないからですが、これからも興奮してる時などは女性的な喋り方になる事もあると思います。盗賊達はあまり気にしませんでした、これからその事に気付く者もいるかも知れませんが、その時レイラがどうなるかは分かりません。(笑)

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