表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アステリア建国記〜私が大統領になった訳〜  作者: にんにん
第二章 決闘する幼女!
18/28

レイラの考え

 とりあえず盗賊達は味方に引き込めたと見て良いわね。正直もう少しゴネるかと思ったけど想像以上にエリザ帝国が憎いようね。


 「で勝算ってのはなんなんだい?」


 アダムズが質問してくるわね、正直アダムズの信頼は強いようね。盗賊達はアダムズの言う事にあまり反論しないようだわ、この辺の元締めとかだったのかな?

 まあ、それならそれでアダムズを中心に盗賊達を考えれば良いわ、だって既に私の支配下に入っているのだから


 「勝算って言うより順序だね」


 「順序?」


 「簡単に説明すると、今の戦力で独立なんて不可能なのは流石に分かるよね?」


 「そりゃまぁ」


 「ここにいる人数で100人を少し超えた程度、もちろんまだまだ他の盗賊達を併合する気ではいるけど」


 そう、このままの戦力では全く歯が立たない


 「まずは西部を統一する、出来ればエリザ帝国に秘密裏に」


 「西部を統一は分かるが、秘密裏にってのは?」


 「単純に西部統一した程度でも勝てないんだ、ここでエリザ側にこっちの動きがバレるとかなり痛手になるのは間違いない」


 「そ、そうなのか」


 「いいかい? まずエリザ帝国の戦力の把握をしておこう」


 「エリザ帝国の戦力把握って、そんなのどうやって調べるんだ?」


 「いえ、エリザ帝国の戦力は既におおよその把握をしているよ」


 「なんだって、どうして?」


 「別にエリザ帝国は戦力を隠していないからね、エリザ帝国の戦力は世界一だ。だからこそ他国にその強大さを見せつけるために隠すより公表している」


 「そうなのかい、でもそれは正確ではないんじゃ?」


 「そうだろうね、でも推測はかなりの正確で出来るし、分からないのはより細かい事だけだよ、まぁその細かい事はこれから調査出来る様にする気ではいるし、今は大まかな戦力増強を為さねばならないからね」


 「確かにそうだが」


 「今はエリザ帝国の最大戦力が分かれば良いよ、それに戦う力を作るんだから」


 「そうだが、それはどのくらいなんだ」


 「そう、どのくらいかを君達にも認識して貰いたい、まずはエリザ帝国の兵士の数をね」


 レイラは盗賊達に説明する。


 エリザ帝国の国民は二千万から二千五百万程度でそこから軍人として専門でいるのが五百万人、そして予備兵合わせて一千万人に迫る。国民のおよそ5人に二人が軍人、もしくはそれに近いものとなるがこれはエリザ帝国の国民の総数に奴隷を含めていない数字だからこそ出来るものである。

 エリザ帝国で奴隷を含めて場合の人口は億を超えている可能性が高く、農業、工業などで重労働と呼ばれるもののほとんどが奴隷が担っている。そしてアスタリ大陸の総人口は亜人含めて一億二千万人、人口的にはほぼ同等だが戦いを生業にしているものはアスタリ大陸には百万もいないかもしれなかった。


 「つまり兵力だけで十倍の差があると言えるだ、だがそれはアスタリ大陸の住人が立ち上がれば変わる事は容易い」


 「でも十倍は」


 「正直人口では圧勝してるし、エリザ帝国の兵力は恐らくこれ以上増やさない」


 「なんでだ?」


 「アスタリ大陸に出来る国の性質上奴隷を兵士として使うのはかなり躊躇うはずだからだ」


 「性質?」


 「そう、君達に伝えたはずだが民主主義が新国家の支配者だと」


 「ああ、でもその民主主義ってやつはなんなんだ?」


 「君達も多数決ぐらいした事ないかい?」


 「ああ、困ったらそうするが」


 「民主主義とは政治を行うものをその多数決で決める、国民全てでね」


 「な! そんなバカな事」


 「そう王政に慣れた君達にいきなり民主主義は難しい、それでも君達の戦う活力になる考えだと思う。そしてこの大陸がエリザ帝国に勝つための究極の考え方でもあると」


 盗賊達はレイラの言葉にどう反応して良いか分からずにいた。


 「まぁ民主主義はおいおい説明するとして、民主主義を掲げた国にエリザ帝国の奴隷達はかなりの数がエリザ帝国を裏切りこちら側に来る」


 「そうなのか、多数決で決めるのがそんなに良いものなのか?」


 「そうだ、だってこの大陸から奴隷と言う制度は消え去るのだから!」


 「えー!」


 盗賊達が驚き声を上げる。


 「それこそがエリザ帝国の兵士が増えない理由だ」


 「でも奴隷を解放するなんて、この大陸にだって奴隷を持ってる奴はごまんといるぜ?」


 不可能では? そう思うアダムズにレイラは


 「この独立のメインの戦力はその奴隷である亜人達になる。アスタリ大陸での彼らの人口は一億人、この大陸の約八割に上るんだぞ? 彼らを味方にするためにはそれぐらいの事はしなければならないし、僕は奴隷を解放する気ない所有者がいるならば殺す事もいとわない!」


 「殺すのかい? 人間を」


 アダムズ君の言葉は他の盗賊さんも考えてる様ね。私のやり方は良くないのは分かってる。でもここは引けない。


 「そうよ、そもそも人間が人間を隷属させるのは無理があるもんだよ」


 「でも亜人は」


 「アダムズ!」


 レイラは大声でアダムズの名を叫び、そして盗賊達を見渡す。


 「あなた達は何を見て来たの? エリザ帝国があなた達にして来た事を忘れたの? それは亜人にして良い事だったの?」


 黙る盗賊達


 「アダムズ勘違いしてる様だけど私は全ての奴隷を解放する、エリザ帝国から」


 うーん、この人数説得するのも結構大変ね。やっぱり染み付いた差別意識を無くすのは難しいわ。でも差別意識が悪い事と認識はさせられる、まずはそこからよ。


 「私が作り出す国は自由の国! それは全ての人々が笑い合う国! あなた達が、いえ全ての人々が虐げられない国」


 「あんた、そんな事を考えてたのか」


 アダムズは思った、目の前の子供はどれだけ壮大な事を考えてるのだろうと、そしてその道のりを完全に見据えていると


 「そう、そしてその国を作れる確信を私は持ってる。

 何故だか分かるかなアダムズ」


 「……いや分かんねな」


 「他のものは?」


 黙る盗賊達、それを見渡してレイラは叫ぶ


 「あなた達が私の話を聞いて、そして考えてくれてるからよ!」


 「へっ?」


 盗賊達は間抜けな声を出す、そこで自分達が出て来ると思わなかったからだ。


 「今、そう今あなた達は亜人だからと言って奴隷で良いと考えてないでしょ?」


 「ああ、あんたに言われたからな」


 「そうそれは私の話を聞き、そして考える事を辞めてないから

 それはこの大陸の人間に私が語りかければ考え方を変える事があるのよ」


 レイラの信念は自分の言葉は必ず届くはず、である。どんなに厳しい状況でも正しいと思い言葉にすれば必ず変化が訪れるものである。


 「でもそんな事出来るわけが…」


 「出来るわ! 私は必ずやるの、この大陸全てを説得する」


 レイラの迫力にアダムズは震えるものがあった。いやそれはアダムズだけでは無かった。


 「だから手伝ってちょうだい、この大陸を救う為に、この大陸を自由の国にする為」


 「「「「うおーーー!」」」」


 盗賊達はレイラに完全に心酔してしまう。彼らは待っていたのだろう、この鬱屈とした世界を変えてくれる者を


 いやー、異世界の人達は純粋よね。日本でこんな事言ったらネットで何を綺麗事をって叩かれるのに


 レイラは盗賊達のちょろさに少し驚いていた。


 しかし話が逸れたな? ちゃんと彼らにエリザ帝国の戦力を把握してもらわないと困るし、これからの策も協力してもらいたいし、でも


 「デビット様!」


 「デビット様!」


 どうやら完全に彼らの信頼を得られたみたいね。さてちゃんと彼らに仕事を頼まないとね。


 こうしてレイラの話は続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ