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アステリア建国記〜私が大統領になった訳〜  作者: にんにん
第二章 決闘する幼女!
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レイラの初めての西部

 時は少し遡り、大盗賊団風の踊り子結成する前のお話


 うーん、西部劇かと思ったら正に西部劇の舞台ね。


 レイラがアスタリ大陸西部に到着して初めての感想である。


 東側から説得するのは難しいわよね、東側はエリザ帝国の支配力が強すぎるわ、あんなところで独立の話をすれば間違いなくジョーイ公爵さんがやって来るわよね。


 現在アスタリ大陸は反乱等の防止の為にジョーイ公爵が駐留していた、そしてジョーイ公爵の治世は完全なる恐怖政治で密告等に報奨金を出して少しのエリザ帝国への文句でも即刻処刑していた。


 ならばまだ支配力の弱い西部を、しかも西部は未だに原住民と侵略者であるヨール大陸からの移民との争いが絶えない場所でもあるしね。ここなら両方を上手く説得、最悪でも原住民を味方にしたいわね。

 この大陸の住民は未だに原住民の方が沢山居るし、ヨール大陸からの移民だってほとんどが奴隷だし上手くエリザ帝国憎しに誘導しないと


 レイラは単純な兵力を欲していた。何故なら相手は海を隔てた大陸に居るのだから過度の人数を用意出来ない、用意出来ないが兵器の質が高すぎて少し兵力が多い程度では太刀打ち出来なかった。だからこそそれ以上の兵力が必要と考える。


 この大陸の原住民がエリザ帝国に勝てなかったのは兵器の質もそうだけどそれ以上にまとまりがなかったからよね。調べてみたけど最大の部族で千人程度ではね。

 でも今は各部族が奴隷として大量にまとめられてるわ、それに奴隷を免れた部族も北西に集まって居るって情報も確認してるわ。


 レイラは領主室にあった資料を持てるだけ持って来た、そしてその情報を精査して独立までの計画を立てる。


 とは言え、原住民を説得する為の材料がね。


 最大のネックは彼女自身がエリザ帝国の人間である事、この事が原住民を説得する為に足枷となる。そして


 しかも子供の姿だから独立したいと思ってる移民の人も説得と言うよりはなから話をしてくれるか?


 彼女は自らの見た目が足を引っ張ると思っている。この世界はまだまだ男尊女卑でしかも子供の意見なんて聞く価値も無いものであった。レイラ自身、女より男の方がまだ独立革命に有利と思って髪を切り男装などしているのだが


 流石に急に背を伸ばす事も出来ないし、考えものね。


 成長を待てば良いと思われるが彼女の考えでは


 10年は待てないわ、10年待てば独立する為の力がこのアスタリ大陸から完全に無くなる。それはエリザ帝国の天下を後押しする事になる。

 ちょっと手段を選んでられないわね。


 エリザ帝国の現在の航行術では海洋を渡るのにまだまだ簡単には出来ない、だがエリザ帝国の技術力はぐんぐん進み、更に新たな兵器も完成させており10年待てば生半可な兵士では何も出来ずに殺されるだけになるだろう。


 幸いこの大陸には資源がある、それに大きな銃器メーカーも存在するから魔銃は手に入るわ。正直仕組みは分かるから銃器メーカーが協力してくれなくても施設を奪えば数は揃うはず。


 レイラは過激な手段を取る事に躊躇しない、国取りにルールを持ち込むと失敗すると考えてるからだ。


 でも先のジョーイ公爵の暴徒鎮圧の時に使用した兵器は凄まじかったわ、あんなのが数を揃えられたら


 それはガトリングガンである。父の持っていた資料によるとまだ実験段階の兵器だがジョーイ公爵は既に充分な実績を残していて、量産体制に入りつつあった。しかしかなりの高額の為、数を揃えるのに時間が掛かるのは目に見えていた。


 だからあれが揃う前に、もしくは私があの兵器を手に入れるかなのだけど、ともかくこの状況をどうにかするべきね。


 「坊っちゃま、お下がりください」


 ずっと考え事してたらいつの間にか盗賊に囲まれてしまったわ。


 「へっへっへ、すまねえなここからは有料なんだよ」


 あらあら目の前にTHA盗賊ね、でも結構イケメンもいるのね。しかもみんなまだまだ若いわ、いってる人でも二十代半ばかしら、ふむ殺すのはもったいないわね。


 彼女の範囲は案外広い、二十代半ばなんてレイラからすればかなりの年上なのだが黒羽瑞稀から見れば、まだまだケツの青いガキである。


 10人ちょっとかな、まあいいわさっさっと倒しますか


 「大人しく…」


 パン!


 盗賊が何かを言いかけた瞬間に響き渡る銃声、その数は増えていきその数が盗賊の人数と重なったと同時に鳴り止む。


 「ぐっ!」


 「さて盗賊の皆さんこんにちは、僕の名前はデビット・エードルセン、君達の新たなボスだよ」


 「な、なんだと」


 盗賊達は目の前の子供が何を言ってるのか理解できなかった、しかしその子供は問答無用に銃声を鳴らす


 パン! パン! パン!


 「うわ、危な、いや!」


 盗賊達が踊りまくる。盗賊は先ほど持ってた武器を撃ち落とされて無防備な姿で何も出来ずに銃声が止むのを待つしかない。


 「お、坊っちゃま」


 「あら、少し遊びすぎたかな?」


 「て、てめー」


 パン!


 「うわっ!」


 なんだか元気がいいのね、せっかく殺さないで置いてあげてるのに何が不満なのかしら?


 「なんで抵抗するの? 僕に逆らうなんて無駄な事を」


 「く、くそ」


 すっかりボロボロになった盗賊達に無慈悲に語るデビット、すっかり戦意を無くした盗賊達は項垂れながらデビットを見る。


 「そんな落ち込まないでよ、丁度人手が欲しかったんだ。君達も死ぬなんて嫌でしょ? なら僕に協力してくれないかな? 僕の味方になれば、そんな生活から抜け出せるよ」


 「なに?」


 この日から、西部の大部分で活動していた小規模な盗賊が行方をくらます、その代わり風の踊り子と呼ばれる大規模な盗賊団が活動を開始したのだった、

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