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幕間 醜い馬の子?

 これはとあるポニーのお話


 ポニーは思った。何故自分はみんなと違うのか? と


 ポニーは思った。何故自分はこんなにも小さいのか? と


 ここはアスタリ大陸の中間にある普通の牧場、そこには沢山の家畜がいました。


 そこにいる一匹の馬、その馬は他の馬から避けられていました。何故ならその馬だけ違ったからです。


 「僕はみんなと違うの?」


 牧場の主からは大変困った馬でした。その馬はみんなから避けられており、エサの時も食べさせないようにイジメを受けていたからです。


 「どうしてみんな酷いことするの?」


 ろくにエサを食べられないその馬は痩せ細っており、しかも他の馬に比べて遥かに小さかったのです。


 「どうすっかな? 潰してしまう方がええかの?」


 しかしアスタリ大陸に置いて馬は高価で食用に使うなんてもってのほかとの価値観があり、主としても踏ん切りがつきませんでした。しかしポニーはなんの役にも立たない無駄飯食らい、決断の時は近かったのです。


 「ご主人、馬を用立ててくれないか?」


 「おやお客さんかい」


 そんな時に旅人がやって来ます。その旅人は兄弟なのでしょうか歳は十代の少年と5、6歳ほどの少年でした。


 「ああ、すこし西に用事があってな、これで馬をお願いする」


 ドサ!っと置かれた袋には沢山の銀貨がありました。


 「おお、それではこちらからお選び下さい」


 牧場主は久々の上客だと兄弟を案内します。上の少年の馬はすぐに決まったのですが、弟の馬はなかなか決まりません。やはり子供すぎるのか、この牧場の馬は彼には大き過ぎたのです。


 「うーん困りましたな、お二人で乗るのはダメなんですよね」


 「ああ、デビット様は既に一人で馬を操れる、私が後ろに乗せるなど恐れ多い」


 おや? この二人どうやら兄弟では無いみたいだ。言葉を聞く限り主人と従者だな、これは貴族様ではないかと牧場の主はちゃんと対応しなくてはと姿勢を正す。


 「そうだな、僕はあれを貰おうか」


 悩んでると、デビットと呼ばれた少年がポニーを指して言う。


 「えっ! いえあれはその」


 牧場主が言い淀む、これは貴族様に痩せ細って小さい馬を売るなんて後でどうなるかと思っての事だったのだが


 「気にするな、主人よ僕の見立てではあの馬の処分に困っていたのだろう、ならば僕に売りつけた方が得だぞ。それにあの大きさは僕に丁度言い、決して後で文句など言わないさ」


 デビットは幼い子供なのにハキハキとそして堂々と言い放つ、その言葉に牧場主も悩む事なくポニーをデビットに売る。こうしてポニーはデビットに買われていくのだった。


 「やったー、あの駄馬が売れたぞ」


 ものすごく喜ぶ牧場主、彼は厄介ごとが金に変わりこの日はご馳走で祝うのだろう。そしてポニーを買ったデビットは


 「デビット様、よろしいのですか、その馬はその……」


 「ケイン、君は見る目が無いな〜」


 デビットは呆れたと言った表情をしながらケインに語る。ポニーの頭を撫でながら


 「これはユニコーンだよ、小さいけどここに角があるだろう?」


 「えっ? あー!」


 ユニコーンとはアスタリ大陸だけに住む聖獣と呼ばれる程の馬で、翔ければそのスピードは音を置き去りにすると言われ、しかも一月は止まらず走り続けると言われており、現在ではヨール大陸の王族しか飼っていないと言われる程である。


 「多分あの牧場に紛れ込んだんだろね、あの牧場管理が甘かったから」


 「そんな、お嬢様はその事に気付かれてあの牧場に?」


 「はは、まさか偶然だよ、でもその偶然で最高の出会いがあるもんだよケイン」


 ポニーは思った、この人達はとても僕に優しくしてくれると、そしてこの人を乗せるととても落ち着くと


 ユニコーンの伝説に処女を好むと言う事があるが、この世界のユニコーンもそうなのかは分からない


 このユニコーンは何故かこれ以上大きくなる事が無く、ずっとポニーと呼ばれた。そしてポニーはアステリアの歴史に置いて常に大統領を乗せる事になる。

 そんな習慣のために大柄な大統領は就任式前に極端なダイエットを求められるとかなんとか、傍迷惑な慣習を作ってしまった逸話の一つである。


 この日を境にアスタリ大陸西部にポニーに乗った凄腕の少年ガンマンが悪人をバッタバッタと倒す事になる。


 「西部劇もなかなか楽しいわね」


 デビットは少し目的を忘れる事になったとか


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